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二幕目「顔合わせする入学予定者達+α」

やっと本編に入った……筈

学園都市。

学術都市やアニバーサリータウン、アカデミックシティとも呼ばれるそれは、学校等の教育機関及び研究機関を中心として開発、発展してきた都市。

特にこの時代──対ティオノ戦争以降の時代においては、ヒトバシラ委員会の主導で造られた会立総合学園を中核とした都市のことである。


数ある都市の中、パンゲア内でその名を冠するのは現在6つある。


ドイツ区のヴァルトブルグ。

ロシア区のピェールヴイ。

オーストラリア区のモートン。

アメリカ区のニューイエローナイフ。

アルゼンチン区のアプレンデール。

そして、日本区の勠研(りくげん)


それぞれの都市の中心である総合学園はその呼び名に負けず劣らず、各都市により方向性の違いなどはあるものの、パンゲアでも有数の学部、学科数を誇り、学園の設備も最新鋭のものが揃っている。

年齢という点でも幅広く、教育機関は下は幼稚園から上は大学院まで。

研究家や教職員でも、飛び級の天才児から御歳千歳越えの人外の方々までとズバ抜けている。


そんな設備も人材も最高峰な学園都市の一角、パンゲアの極東にある日本区の学園都市勠研。

その中心部に聳え立つ、鉄筋とコンクリートでできた十五階建ての赤い塗装で彩られた建物。

俗に中央校舎とも呼ばれる勠研総合学園第一校舎、その十二階にある理事長室。

学園における最高権力者の執務室には今、三つの人影があった。


内二つは部屋の中央に置かれたソファに腰掛けている。

残り一つの人影はというと、部屋の奥部にある執務机に両肘を突き、背後の硝子戸から入る光を受けながら顔の前で手を組んで怪しげに目を伏せていた。

灰色のスーツを着て焦茶色の髪を後ろで緩く結んだ女性で、歳の頃は二十歳前後だが身に纏う雰囲気は落ち着いていて実年齢より幾分か上の印象を与える。


複雑な刺繍が配われた高そうなカーペットに様々な賞状やトロフィーが飾られた壁。

入った者に息を呑ませるその空間も、今は別種の緊張感に曝されている。


ソファに腰掛ける内の片方、小さい少女の人影は背筋を正し、手を膝に置いて静かに座っている。


その容姿は、少女というより童女と形容した方が適切と思える程の幼い。

少女の背丈は初等部の三、四年生程だが、その腕や足には子供にしてはしっかりと筋肉がついていて見かけによらず力強そうである

格好はオレンジ単色のセーターと黒色のズボンという私服の装いだが、少女の見た目を考えるとかえってこの場では適切と思えるものだった。


少女の座っている姿は一見落ち着いている様にも見えるが、よくよく見れば緊張の為か手足が若干震えている。


そんな様子を知ってか知らずか(十中八九知ってのことだろうが)、執務机に座る女性の影は更に俯きその威圧感を高めていく。


というか俯き過ぎて目が手の下まで行ってしまい、最早威圧感なんて感じない構図になってしまっている。

怪しげに目を伏せているというより、ただただ落ち込んでいるだけの様な姿勢だ。

……どちらにせよ少女には、学園都市の最高権力者に呼び出されたと思ったら訳も分からず落胆された、とかいう非常に怖い状況にしか見えないのだが。


そんな(主に少女にとって)地獄の様な空間の中、残り一つの人影は──呑気に麦茶を啜っていた。


その少年の装いは白のパーカーにTシャツ、下はジーンズとスニーカーとかなりラフで、肩まで伸びた茶髪は毛先が少し脱色した様に明るくなっている。

鬱陶しげに開かれた目も同じく茶色で、見た目は問題を起こして呼び出された不良生徒の様だった。


落ち込んだふりをする女性も、緊張感に晒され続ける少女も一切無視して、ただ出された麦茶を一口啜り、一息。


グラスを目の前のコースターに置くとそのまま上を見上げ、天井のタイル模様を眺め始めた。


──暫くの間。


落ち込んだ姿勢の女性。

緊張で息を呑む少女。

ぼーっと天井を眺める少年。


三者三様のまま流れる沈黙の時間。

その沈黙を破ったのは、若干疲れた女性の声だった。


「……いやセンパイ、何かツッコミとか下さいよー」


「めんどい」


その非難とも救援ともつかない声を向けられた少年──キルカ ヴァナデースは、しかしそれを呆けた声で一蹴した。



「遠路はるばる呼び出されてなんで面倒臭そうなボケ拾わないといけないのさ」

「そこはファービスさんのためですよー。ファービスさん、緊張でかちんこちんですよ?」

「それが分かってるのなら今すぐにやめなさい」


そう言われた女性──(たま)(くに) ()()は、気の抜けた声で「はーい」と返事をする。


「まーという訳で、ファービスさん。怖がらせてごめんなさいね?別に怒ってるわけでは無いので楽にしていただいて結構ですよ」

「ぇあ……はい、ありがとう…ございます」


真宮に声をかけられた少女──レナ ファービスは、ほっと心の中で一息吐いて少しだけ背筋を緩めた。


「それにこのお二人を呼び出す要件なんて今のところ一つしかありませんし、そんなに構えなくても大丈夫です。センパイは緊張の欠片もありませんし……」

「そりゃどうも」

「流石、歳食ったベテランは違いますねー」

「言い方に棘あるなあ……」


言葉の通り全く緊張感の無い二人のやり取りを聞いているうちに、強張っていたレナの表情も少しだけだ柔らかになっていく。


「今日はあと一人呼んでるんですが少しだけ到着が遅れるみたいでして」


真宮はそこで一旦言葉を切り、レナの方へ軽く向きなおる。


「本格的な自己紹介は全員揃ってからにしても、私とファービスさんは直接お会いするの今日が初めてな訳ですし、少しだけお話ししましょうか」


「何を話しましょうかー」と人懐っこそうな笑みをして喋る真宮に、レナも段々と緊張を解されていく。

キルカに関しては、相変わらず麦茶を啜りながら一人で寛いでいた。

残りの一人を待つ間、理事長室には女性二人の和気藹々とした話し声が響いた。


そうして十分弱が経った頃、寛ぎながら天井を眺めていたキルカがおもむろに立ち上がった。


「ん?センパイどうし──あー、着いたんですか」

「ぽいな」


真宮の問いにキルカは短く答えながら、目の前コップを手に取り部屋の端にあるちょっとした台所の様になっている所へ歩いて行く。

シンクや食器類に小型の冷蔵庫と、その設備は割と充実していて、ちょっとした軽食までなら用意出来そうだった。


彩り隠す不信の花(アンチューサ)


瞬間、歩くキルカを一瞬青色の光がが包んだ。

それは少しだけ光を放つウシノシタグサの花弁で、何の前触れもなく現れキルカの全身を包み込んでいる。


短い花吹雪が落ちた後、そこに立っていたのは──一人の少女だった。


「あー、センパイやっぱりそっちの格好なんですか」

「当たり前でしょ?人前じゃ大体こっちなんだもの」


服装は先程と変わらないが顔や体つき、声などは先程と全く違っている。


十代半ば程のヨーロッパ系の少女。

くすんだ鈍色の長髪は、それでも美しさを損なうことなく肩から腰の下まで艶やかに流れ、透き通る様に白い肌は、積ったばかりの新雪の様な儚くも綺麗な印象を受ける。

声も柔らかな少女のそれだが、それとは別に聞くものに不思議な妖艶さも感じさせた。

そんな中で金色に輝く瞳のみが何処か作り物じみた光沢を放っていて、儚い少女のイメージには不釣り合いにゴテゴテとしている。

しかしそれ以外は黄金比の体現とでもいうような均衡の取れた容姿と体つきで、老若男女誰しもが確実に綺麗だと口を揃える程だった。


「にしてもセンパイ、女の子になると途端に可愛くなりますねー。ずっとそっちでいませんか?目の保養にもなりますし」


突然容姿どころか性別まで変わったキルカに対し、真宮はまるで世話話をする様な軽い調子で話しかける。

レナも別段驚く様なことはせず、寧ろキルカが立ち上がったことの方に気を取られている様子だった。


「いるわけないでしょ。今は違うけどわたし元々の性別男よ?」

「えーいいじゃないですか、可愛いままでいましょうよー。レナちゃんだってそっちの方がいいですよね?」

「はい!ヴァンさんが女の子の格好してるの可愛いです!」

「打ち解けた様で何よりだけど、それはそうとレナを引き込むな」


いつの間にか名前呼びになっていた真宮とレナの言葉を受け流しながらシンクにコップを置いて、新しいコップにお茶を汲み直してコースターに置くと、キルカはレナの後ろ辺りで腕を組んで立ち止まった。


丁度そのとき、理事長室の扉をノックする音が聞こえてきた。


「理事長、お客様をお連れしました」

「ありがとうございます。どうぞ開けて下さい」

「失礼します」


扉向こうから聞こえた男性の声に、真宮が応える。

短い応答の後、ガチャっとノブを回す音がし、ギギギという重そうな音とともに外開きの扉が開かれ廊下から五十代くらいに見える男性の姿が現れた。


「どうぞ、こちらが理事長室です」


お客様の案内をしていたらしいその男が、横を向いて理事長室を手で指し示しながら扉の横へと移動する。


そして男が先程まで立っていた位置、開いた扉の正面に男と入れ替わる様にしてそのお客様が姿を見せる。


(あれが最後の一人、か……)


キルカは内心呟きながらその姿を観察する。


案内されて来たのは中等部くらいにみえる暗い顔をした少女。

所々にフリルをあしらった水色のワンピースを着ていて、ぱっと見は西洋人形の様な印象を受ける。

全体的に長い髪と肌はともに白色で、本人の表情や格好も相俟ってまるで病人か作り物の様だ。

左眼は白い眼帯をつけていて、年端も行かない子供がそれを顔に付けている姿は見る者により一層痛々しい印象を与える。

何より目を引くのは、白い髪の隙間から覗く淡紅色の右眼。

幽鬼の様な少女の中で唯一血色に色付く瞳は、その生気をもって少女の不気味な印象をより一層引き立てていた。


同じくらいの年代から見れば可愛らしい部類に入るであろう容姿をした少女。

ただ、少女の見た目や身に纏う雰囲気などがそれを台無しにしてしまっている。


その姿に気圧されレナが静かに息を呑む。

それとは対照的に、真宮はただ肘をついて穏やかな表情を浮かべていた。


「玉国さん……遅れて、すみません」


白い少女が辿々しく言う。

喋るのに慣れていないと言うより、元気が無い様な言い方だ。


「いえいえー全然大丈夫ですよー。これでも"予見者"ですから、遅れるのは知ってましたよ。遅れたのだって私達側の不手際が原因だったんでしょ?それよりわざわざご足労頂いてこちらこそすみませんねー」


真宮が笑顔で応える。


立光たてみつさん、ありがとうございました。今からちょーっと秘密のお話をするので席を外して頂けますか?」

「はい、それでは私はこれで」


そう真宮が言うと今まで扉の横に立っていた男が返事をして、部屋の三人と白い少女に丁寧にお辞儀をして去っていく。


「さて、これで全員ですねー。ささ、そこの空いてるソファにどうぞ」

「……はい」


部屋の外に立ったままだった少女は、真宮の言葉に小さく返事をして部屋へと入ってくる。

少女がソファにまでついて腰掛けたのを見計らい、キルカは扉に向けて指を軽く振る。

すると、空いたままだった扉がゆっくりと静かに閉まっていった。

指を振っただけで独りでに閉まった扉を見て、ソファに座る二人の少女は少し驚いた表情を浮かべた。

その白い少女の様子を見てキルカは、割と見た目相応の反応をするのだなと意外に思った。


「ありがとうございます、センパイ」


真宮は特に驚いた様子もなく礼を言い、改めて部屋に居る三人の方を向く。


「では始めましょうか。と言っても……今日するのは顔合わせと依頼についての軽い擦り合わせだけですけどねー」


「ではまず始めに私からー」と呟きながら軽く姿勢を正す。


「私の名前は玉国 真宮と言います。この学園で理事長を務めさせてもらってます。ヒトバシラ委員会で最高議員もやってるので今回の立場は依頼主兼現地協力者ってところでかすねー。じゃ、次はセンパイで!」


座りながら自己紹介を済ませると、今度は笑顔でキルカへと振る。


「はいはい。私はキルカ ヴァナデース、神議会からの依頼を受け《黒炎こくえんじょ》の護衛役として来ました。どうぞ宜しく」


淡々とした口調でそう言うと、一歩下がり洗練された所作でお辞儀をした。

格好さえ無視すれば中世あたりから迷い込んだ姫の様な高貴さも感じる。


「センパイ挨拶短いですねー。もうちょっと他に何か無いんですかー?好きな食べ物とか」

「うるさい茶々を入れるな」


──真宮の横槍によってそれも完全に崩れたが。


そのまま鼻を鳴らしたキルカは元通り腕を組んで、それ以上は何も言わずに静観する立場に戻る。


それでも暫く角度も問題で姿が見えないレナ以外の二人はキルカを見ていたが、やがてもう喋る気がないと察すると今度はレナの方に目を向ける。


数瞬してから、レナはその視線に気付いた。

小さく息を吸い、少し緊張した面持ちで口を開く。


「ルーズレイ特自区から来ました、レナ ファービスです。私も神議会からで依頼で護衛です。まだ子供ですが、依頼を成功出来るように頑張ります!」


元気がいいのか緊張からなのか、語尾が少し大きくなった。

本人もそれに気付いたのか、言い終わった後に恥ずかしそうに俯く。

ただ話す最中の眼差しは真剣そのもので、子供なりの思いの強さは窺えた。


「じゃ、次はアイラさんですね」


真宮は笑顔でそう言い、白い少女の方へ体を傾ける。

キルカも少女に目線を向け、レナは俯いていた為少し遅れて同じく目線を向ける。


「あう……えっと──」


急に自身へ向いた注目に戸惑い、少しつっかえながらも喋り出す。


「アイラ リーア レイミアです。生まれはドイツ区ですが研究所──あの、もと居たところで日本語も勉強しました。その──」


そこまで話すと、アイラと名乗った少女は暗い表情をして少し俯いた。


「──私が……《黒炎の魔女》です……」


その呼び名を口にするアイラの顔は、苦しむ様な、赦しを乞う様な、形容のし難い表情をしていて、それだけで魔女の名がアイラにとってどんな物なのかを察することが出来た。


アイラの表情に釣られ、他の三人まで何とも言えない表情になる。

元々アイラへの同情から依頼を受けたレナは勿論、一応はある意味での加害者である真宮や依頼にあまり乗り気ではなかったはずのキルカでさえ、今は目の前の少女をどうにかしたいと思った。

しかし、三人ともどんな言葉をかければいいかまでは分からず、結果部屋を重い沈黙が満すことになった。


暗い靄が上からゆっくりと降りてくる様な居心地の悪い間。

それを破ったのは、真宮がパンパンと手を打つ音だった。


「……んーっと、これで全員の自己紹介は済みましたねー?ほんとは神議会の方からも代表が一柱来る予定だったんですがー……、急な予定が入った様でして今日は来れなかったそうです」


部屋の中の全員の視線を浴びながら、重い空気を振り払おうと若干声を高くしながら言う。

その真宮の行動に、レナは心の中でほっと胸を撫で下ろした。

アイラはと言うと突然響いた音にびっくりしたのか、じっと真宮の方を見つめていた。


「へえ、神議会の代表って誰?」


キルカは平然とした様子で、真宮の先程の発言に疑問を投げかける。


「クレキさんです」

「あんのクソ神かよ最低だな殺そう」

「ひぁ!?」

「……っぇ!?」


真宮の返答にノータイムで殺気を撒き散らす。

その殺気に当てられて、ソファに座っていた二人の少女が短い悲鳴を上げた。


キルカは、表情こそ満面の笑みだが纏う雰囲気は鬼神と呼ぶに相応しい程剣呑で、周りにはバチバチと発光する黄色い花弁が舞っている。


「センパイ抑えて抑えて、二人も怖がってますよ?」


レナとアイラが突然の殺気に驚き震える中、真宮はキルカを諌める様にそう言った。

真宮の口調は日常会話そのもので、心臓の弱い者なら睨まれるだけで死んでしまいそうな殺気を放つキルカと並ぶと、何処か滑稽な程の違和感があった。


「あ、えっと……。二人とも、ごめんね?」


諌められたキルカは、パッと何事もなかったかの様に殺気と黄色い花弁を引っ込めて言う。


「えあ……は、はい」

「……」


レナは辛うじて返事を返したがアイラに関してはよほど驚いたのか、未だに目を丸くして身を縮こまらせて固まっていた。


「緊張感ジェットコースター過ぎて笑えますねー。キルカさんってクレキさんの事になるといつもこんな感じなので、怖がらなくても大丈夫ですよー。さー、話を戻しましょうか」


怯えている二人に言い聞かせる様な口調で真宮が言う。



「今回キルカさんとレナちゃんに依頼したのは神議会ってことになってますけどー、HSBも依頼先や内容なんかには口出ししています。なので実質HSBと神議会との連名依頼みたいなものですねー。」


真宮が話している間に少し落ち着いてきたのか、レナもアイラも元の様に座って真宮に視線を向けている。

キルカに関しては、ばつの悪そうな顔をして気配を消しながら静かに聞いていた。


「内容の確認ですがー、来年度からこの勠研学園の中等部に入学するアイラさんの護衛を、レナちゃんは同級生として、キルカさんは素性を隠して陰ながらしてもらいます。護衛手段は特に問いませんが、周りに迷惑をかけ過ぎないよう良識の範囲内で、あくまでアイラさんはここに生徒として入学することを忘れないで下さい。やっちゃいけないことはー、例えば──無差別に殺気を振り撒くとかー」


そこまで言ってちらっとキルカの方を見る。

キルカはビクッと小さく肩を震わせた後、目を背けて更に気配を消していった。

というか消し過ぎて、常人なら目の前に居ても気付かない程度の隠行になってしまっている。

対面のソファに座っていたアイラがスーッと消えていく様なその姿にまた驚いて目を丸くしていたのはご愛嬌。


罪悪感か、また殺気で驚かせない為かどんどんと存在感が希薄になっていくキルカを横目に、そっちの方余計怖いと思いながら真宮は続きを話し始める。


「まーアイラさんとは別途で契約がありますが、そこら辺はまたクレキさんも交えて三人で話しましょ。入学や潜伏に必要な書類や経費は、ある程度はHSBと神議会が用意しますし言ってくだされば追加でご用意します。詳しい情報でまだ決まってないやつは後日という事で……、決まり次第レナちゃんとキルカさんには渡しますねー。アイラさんは一応普通に入学ですからー、クラス割りとかは楽しみにしておいて下さい」


そこまで話終わると真宮は、背凭れにぽんと身を預けた。


「まず話す事は大体こんな感じでしょうか……。何か気になった所とかはありますか?」


ぐるっとキルカ達三人に目を向ける。

レナは頷いたりアイラは黙っていたりと反応は別々だったが、二人は概ね何もなさそうだった。


「話は終わった?」


唯一キルカが、真宮に疑問の声を投げる。


「はい、まー最低限は。事前に知れるのは送った資料にも書いてありましたし、今日やりたかったのは主に顔合わせですしー。これからはおさらい兼ここの施設案内って感じですかねー」

「そう」


キルカは短く応えると、スタスタと扉の方へ歩いて行く。


「それじゃあ私はここで失礼させてもらうわね。今のうちにしておきたい仕込みもあるし」

「案内はいいんですかー?自慢ですがこの学園結構広いですよ?」

「見取り図は貰ってるし、特別講師で何回か来たこともあるから大丈夫よ」

「入学前に護衛対象と仲良くなろー、みたいなのは?」

「仲良くなって『アイツ護衛だな』って思われる方が厄介よ。レナも居るんだし、私は離れたところから見守っとくことにするわ」

「そーですか」


真宮と問答している間に扉の正面まで来たキルカは、部屋から出る前に振り返りもう一度だけアイラと目を合わせた。


「……じゃあね、また会いましょう。でもまあ次に会う時は、私って分からないと思うけど」


そう言って優し気に微笑むと、静かに扉を開けて部屋を出ていく。

出て行くキルカの姿は、アイラの心を少しだけざわつかせたが、その正体が具体的に何なのかはアイラ自身にも分からないまま、すぐに消えてしまった。

文章がくどい!!!

(そう思うなら直せ)

執務室より応接室の方が自然だったでしょうか?どの道両方見たこと無いけど

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