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ページ41

戦闘科の校舎へ向かっていると、校門前に人いが集まっていた。聞いたことのある様な男の叫び声が聞こえてくる。

何か嫌な予感がしないでもない。俺、アルナ、ツキノワ、アリア四人して昨日のアレを思い出した。ラビッシュをアルナがぶん殴った件だ。


「そう言えば忘れてたな」


「勘違いクズ野郎・・・仕留め切れてなかったの 残念」


「騒々しい輩であろう」


「はぁ」


アリアに関しては嫌過ぎてかしらんが、ため息しかリアクションできていなかった。

非常面倒だが校門へと近づいていくと案の定騒いでいるのはラビッシュだった。上級生たちが宥めようと頑張っているように見えるが、ラビッシュは制服では無くて武装していた。どれも高そうだ。きらっきらの真っ赤なローブに、銀色に光沢する騎士甲冑。内心どっちかにしろよと突っ込みたくもなる。


「やっと来たか! 下民! 貴様に決闘を申し込む!」


俺を見つけたラビッシュがツカツカと近寄って着る。そして声高らかに宣言すると、周りの生徒たちがどよめいた。宥めようと努力してくれていた先輩方は呆れてものも言えないと、手で顔を覆っていた。アルナ、ツキノワは特に無反応。アリアは驚いて目を見開いていた。


「・・・決闘ってどんなんだ?」


「なんだと貴様! 知らぬふりをしてこの僕から逃げるというのかっ」


「いや違う。話は最後まで聞け、雑魚。無知な俺でも決闘ぐらいは知っている。俺が聞きたいのは、それは殺しがOKかどうかということだ」


「くっ あははははは! そんなものOKに決まっているだろうっ 不慮の事故は良くあることだ! そんなに死にたかったのか下民!」


「ならその決闘を受けてやってもいいが、条件を決めるぞ」


「ほぅ 下民はそんなにハンデが欲しかったのか?」


俺が言い返そうとすると、間に上級生と思われる女が割って入った。真っ赤な長い髪をポニーテールにして束ねた凛々しい顔つきのネコミミ美人だった。赤色の毛の尻尾がゆらゆらと揺れている。半獣半人の女はどうしてこう美人だらけなのだろうか。エリス並みのスタイルに思わず見とれそうだ。決闘とか非常にくだらなすぎて忘れそうになる。


「そこまでだ新入生。 入学早々でもめ事を起こしてくれるとはな、流石は特別クラスだ」


「どこの下民かしらないが、邪魔はしないでくれないかね」


興奮気味のラビッシュは当然の邪魔に苛立っているようだ。俺はどう見ても偉い立場というか、生徒会会長的な雰囲気の赤髪美女に口答えはよしておいた。なんとなく起こった時のロルル姉様に似てるからだ。そういや顔も微妙に似てるような・・・


「申し遅れたな。私は、戦闘科5年主席、生徒会会長のルビー・オリオンだ。 ラビッシュ・ダンプ。 この学園、特に戦闘科における身分は、戦力だ。お家の身分などではない。その辺は良く改めろ。次にこの私に反した態度をとってみろ。消し炭にしてやる。貴様もだぞレッド・ジャバヴォック」


「心得てますよ」


俺がそう言うとルビーは俺を鋭い目つきで一瞥すると、ラビッシュへと向き直る。ああやっぱりルビー・オリオンはロルル姉様ことロルル・オリオンの親戚か何かだ。猫の半獣半人なところに名字が同じなんだ。間違いない。

ラビッシュは今だにルビーを睨みつけたが、そのルビーの威圧に負けたようだ。目を逸らしやがった。骨の無い奴だな。睨むなら睨みきれよ。


「古い風習を持ち込むとは、下らぬことをしてくれる。決闘は受理するには、私の生徒会長の印が必要だとは知らなかったのか?」


ルビーの言葉にラビッシュは舌打ちした。知っていたようだが、無視して決闘をするつもりだったのだろう。


「ほう いい度胸だなラビッシュ・ダンプ。知っていて私を通さずに決闘そしようとしていたのか。・・・まあいい。その処分はあとにしてやろう。どうにもレッド・ジャバヴォック。貴様は知らなかったようだが、決闘を受け入れる気だったのだろう? なら受理してやらんでもない」


「へぇ」


意外とルビーは・・・いや違うな。すでに俺とラビッシュの実力の違いをい見抜いているのかもしれない。そのうえで決闘を許可するってことは・・・押し付ける気か!?


「ただし決闘の条件は私が決めたものとするが、それでいいな? 聞いといてなんだが、異論は唱えさせんがな」


ルビーが俺に視線を向けて唇の端を少し上げた。たくらみが上手くいったときに人はそう言う顔をする。

やられた。きっとルビーは生徒会で面倒事を処理するのが嫌だったんだ。だからこの場で決闘を受理して、勝者確定である俺に敗者のラビッシュの処分を擦り付ける気だ。やばい! このまま話を進められたら、今後ラビッシュの世話をさせられる気がする。


「異論じゃありませんが、提案です。 この決闘は生徒会預かりという形でいいということですよね?」


「そう言うことで間違いはないな。それで提案とは何だ、レッド・ジャバヴォック」


「決闘の日時や場所ですよ。 どうせなら俺も雑魚も万全な状態の方がいいし、なにより厳正な立会い人、たとえば教師ですね。その下で行いたい。決闘の結果が反故されないように傍観者と、その結果を世へと拡散する放送等を用意してほしいってことです。生徒会預かりならそのぐらい可能ですよね?」


俺の提案を聞いたラビッシュは観客が居るという言葉に反応して首を縦に振っていた。目立ちたいんだろう。

反してルビーは見るからに嫌そうな顔をしていた。やっぱり【怠惰のロルル】ことロルル姉様の親戚だ! 嫌な事は全部俺に押し付ける気だったんだ。んなことさせてたまるか。

生徒会長だとかかっこつけて割って入った癖に、面倒事になりそうだったら全力で誰かに押し付けるところ。格好つけな性格のくせに面倒になったらポイっとするところがそっくりだ。今のしてやられたって表情も瓜二つだ! 


ちょうどいい。今までにロルル姉様の恨みは今後この生徒会長様で晴らすとしようか。ラビッシュの所為で出来るストレスはルビーで解消しよう。


レッドは獲物(ルビー)を見つけた。

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