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ルビーが介入してから決闘の準備が着々と進んだ。小競り合い程度に収めようとしていたが、あえて俺はことを大きくしてやった。日時も決まり。四日後の休日にラビッシュVS俺の一騎打ちの決闘が行われることとなった。生徒会にその取り決め等の押し付けに成功したと言っておこう。

ただ俺のロルル姉様の仕返しをルビーに返したつもりだったんだが、ちょっとした催しごとになった。俺とラビッシュの決闘がメインで。それ以外にもいろいろイベントが盛りだくさんになっているらしい。

文学科に在籍している5年生の生徒会副会長がやり手のようだ。決闘させるだけでは生徒会の費用を無駄に消費するだけなので、副会長指導の下でお祭りのようにしてしまったらしい。屋台を出す許可をしたり、賭けも生徒会が主催で行っているようだし、理事長であるエリスに話を付けて、国の重鎮まで招待するらしい。なんでも敏腕副会長は、この決闘騒ぎを今後の学園の行事の一つにでもしようと目論んでいるらしい。


「なんかすごいことになってきましたね」


「だな」


アリアが周囲を呆れたように見渡した。第二練習場はいつもよりもにぎやかだ。


決闘を明日に控えたが、俺は日課を崩すことなくいつものように鍛錬に励んでいた。第二練習場は俺の訓練の様子を見に来る生徒がたくさん押し寄せている。理由は様々あるだろうが、ほとんどは俺の実力を確かめに来たんだろう。俺かラビッシュのどちらに賭けるか。学園の最近の話題はそればかりのようだ。


「しかし レッドが賭けの倍率は負けているとは驚きであろう」


「レッドの強さを見抜けないなんて、節穴ばっかり」


倍率はラビッシュが1.3倍で、俺が12倍らしい。些か不満があるが、どうもラビッシュ・ダンプのダンプ財閥というのがビックネームらしい。王下五人議会とよばれるこの国の格トップが集まり、国を左右する政策やルールを決定するたった五人しかいないメンバーの一人が、ラビッシュの父親だ。

とはいうものの。王下五人会議のメンバーを聞いてもっと驚いた。ラビッシュの父でダンプ財閥会長、経済団体の会長でもあるらしい。そして、アリアの父親であるルーラー教徒の法王。アルナの母で学園理事のエリス。国の防衛を任されている騎士団の総大将。冒険者ギルドの総ギルド長、ちなみに総ギルド長はオルガの父で、アルナのお爺ちゃんらしい。

俺の周りはいったい何なんだろう。大物の集まりなのかもしれない。なによりアルナがめっさお嬢さまだった・・・信じられん。いやだがそれなら我儘な性格も頷けなくもないな。


「賭けなんてどうでもいい俺が勝つからな。そんなことよりも。アルナが殴ったことを告発したらこの騒動は一発で収まりそうだな。国のトップの娘と息子のいざこざなんて揉み消すんだろうぜ?」


「レッド酷いっ 信じてたのにー」


「へったくそな演技すんな! 決闘が終わったらお仕置き系に処してやる」


「きゃー アリアたすけてー」


アルナがワザと周りに聞こえるような大きな声をあげて、アリアに抱き着いた。


「・・・私もお仕置きしてほしいです ・・・馬乗りされたいです」


なんかしらんがアリアもアリアで顔を赤らめてモジモジしだした。

そんなに俺を嵌めたいのか!? イチャイチャしてんじゃねーよという殺気のこもった目線がバシバシと突き刺さってくる。アルナもアリアも可愛い。そんな美少女と戯れているのが許せない!とかそんな怨念まで感じるような気がする。ツキノワは一人だけ少し離れた位置で鍛錬してやがる。逃げやがった。







翌日。決闘会場へと様変わりしたイベントホールへ一人でやってくる。アルナ、アリア、ツキノワは特等席で見るんだと意気込んでいた。いつもよりもかなり早起きして席をとっているらしい。

学園の生徒以外にも多くの観客が押し寄せていた。生徒会の学生たちが席順の立札をもって誘導の仕事をしている。ルビーもさぞ忙しいのだろう。ざまあみろ。

歩いているとたくさんの人に声を掛けられた。絶対勝てだの、負けたら承知しねーぞとか、中にはダンプ財閥に恨みでもあるのか、殺しちまえ!とかそんな声もあった。まあどれもスルーしたけどな。どうせなら黄色い声援が欲しかったと思いつつ控室へと向かう。


――自分がイケメンであるということを忘れていた。控室の入り口へ続く渡り廊下のようなところは、女性で埋め尽くされていたのだ。俺を見つけるや否やキャーキャー騒ぎ出した。花やら手紙やらいろいろ押し付けるように渡される。握手したりだのなんだの。「応援してますっ」とか言われるのも。嫌な気分ではない。むしろ嬉しい。アイドルになった気分だ。


ほとんどが学園の生徒だが・・・なんか見たこと有る茶毛イヌミミの美女と黒毛ネコミミの美女混ざっていた。


「テリア!? ロルル姉様!?」


「久しぶりねレッド君 ちょっと見ぬ間にモテモテになっちゃって」


テリアは俺を抱きしめてにっこりと笑った。相変わらずの凶悪なおっぱいが俺の視界を奪う。柔らかい幸せな弾力が俺を包み込んだ。いい匂いもしてきた。しかし、まだまだ身長差は縮まっていないようだ。


「ちょっとテリア。人前でレッドに甘えないでよ。ずるいわよ」


そういってロルル姉様はテリアを俺から引きはがした。


「二人とも久しぶり。ていうかどうして王都に?」


「そりゃレッド君の決闘の観戦をしに来たのよ」とテリアは嬉しそうに言うが、ノートの街から王都までは三か月の道のりがある。キングに乗っても一か月弱かかる距離を、決闘が決まってから5日でどうやって此処に来たのか。

疑問に思っているとロルル姉様が教えてくれた。


「とーっても面倒くさかったんだけど、テリアの飛行魔術に便乗してひとっとびしてきたってわけ。おかげでお姉ちゃん肩がこってるんだけどなぁ 肩もみしてほしーなー」


「分かったよ でも此処は目立つしみんな見てるから。控室に行こう」


ロルル姉様の怠惰さは相変わらずであった。これから決闘やるって言ってんのに肩もみさせんなよ。


 



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