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【王国内屈指の公爵家の令嬢ですが、婚約破棄される前に婚約破棄しました。元婚約者は没落したそうですが、そんなの知りません】  作者: ナロー


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【『バリアン=バンディミック』】


 ムカツク。


 ムカツクムカツクムカツク。


 ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツク!


 何で私が刑務所に入れられなきゃいけなかったのよ。


 しかもやっと出られたと思ったら、何でずっと家に引き込もってなきゃいけないのよ!


 これじゃあ刑務所が家に変わっただけじゃない。私の自由にさせなさいよ。


 保釈とかそんなの知らないわよ。私は私の好きにしたいだけよ、何でそれがいけないのよ。


 とにかくあの女、キャロル=エインズとかいうあの女を滅茶苦茶に殴ってやらなきゃ気が済まないわ。


 だってこのデリー=ドロパウト様を馬鹿にした挙げ句、根拠のない言い掛かりで退学に追い込んできやがって、しかも冤罪で刑務所に押し込めやがったんですもの。


 ホントムカツク。何で屋敷の敷地内に勝手に入っただけで捕まんなきゃならないのよ。私はあの雌豚を顔の形が変わるまで殴りに行っただけなのに。


 何で私が悪者になるのよ。先に悪いことやってきたのは雌豚の方じゃない。


 あ、ムカツキすぎて化粧台を蹴飛ばしたら壊れちゃったわ。全く、こんなか弱い私が蹴ったくらいで壊れるなんて、なんて脆い粗悪品なのかしら。


 これを作った会社に文句を言わなきゃ。これからは思いきり蹴飛ばしても絶対に壊れない化粧台を作りなさいっての。


 ホントムカツクムカツクムカツク。あの男、名前なんだっけ? まあいいわ名前くらいどうでも。


 前に私が付き合ってやってたあの冴えなくてダサい男も、雌豚を制裁した後に処罰しに行かないと。


 あの男が無能なせいで私がこんな目に遭ったのよ。あの男がもっと有能で、私の願いを全部叶えてくれる最高の人間だったら、私はこんな目に遭ってないはずなんだから。


 あ、クローゼットのドアを蹴飛ばしたら、こっちも壊れちゃった。もう、何でどれもこれも壊れやすい粗悪品なのよ。


 後でお父様とお母様に文句を言わなきゃ。もっと丈夫なドアにしてよねって。


 全く、これで何回目よ。毎回毎回口を酸っぱくして言ってんのに、何で一向に言う通りにしないのかしら。


 あ、そっか、皆、誰も彼も馬鹿だからなのね。あまりにも馬鹿すぎて、頭が良すぎる天才の私が理解出来ないんだわ。


 きっと絶対にそうよ。



「ええ、全くもってその通りです」



 えッ⁉


 何こいつ⁉ 何で私の部屋にいきなり⁉



「驚かれるのも無理はありません。実は以前こちらのお屋敷を訪問した際に、密かに転移魔法の座標のマーキングをさせて頂いておりましたのです」



 マーキング⁉ 何言ってんのこいつ⁉



「おっと、貴女の叫び声を聞かれて他の方に邪魔されては敵いませんからね。この部屋にはいま、結界を張らせて頂いています。防音と防壁の結界ですね」



 何これ⁉ ドアが全然開かない⁉ 叩いても壊れない⁉ ガラスも⁉



「自己紹介が遅れました。私はバリアン=バンディミック。バンディミック公爵家の現当主をさせて頂いています」



 バンディミック⁉ 公爵家⁉



「ご存知でありませんか。一応、エインズ家と同じく四大公爵家の一つと数え上げられているのですが。我が家もまだまだ精進が足りないということですね」



 そんなのどうでもいいから私を外に出しなさいよ! 訴えるわよ!



「もちろん、用が済めば好きに出歩いて構いません。私が貴女の部屋を訪れたのは、話をする為です」



 話?



「誠に勝手ながら、貴女のことを調べさせてもらいました。ドロパウト男爵家の長女、デリー=ドロパウト。貴女はキャロル=エインズに恨みを晴らしたいのですね?」



 恨みじゃないわ! 私を馬鹿にしたあの雌豚を粛清してやるだけよ!


 不当に私を逮捕して貶めた馬鹿な連中に、私の方が絶対に正しいってことを分からせてやるだけよ!



「これは失礼致しました。私の調査不足だったようですね。しかし、こうしてはっきりしたいまも、私が貴女に提案することは変わりません」



 提案? 提案って何よ?



「貴女の粛清のお手伝いが出来ないかと思いまして。私なら、貴女の願いも望みも叶えられるかと思います」



 …………どういうこと?



「貴女は素晴らしい女性です。容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、魔法の天才。貴女は神に選ばれし天才の女性です。しかしそのあまりにも常識を掛け離れた天才であるが故に、数多の凡人からは理解されず、貴女の言う通りの扱いを受けてしまっている」



 …………。



「私ならば、貴女のことを理解し、貴女のお力になれるかと思います。その為に、私は貴女の前に馳せ参じました」



 ……あんたが、私の為に……?



「もし私と共に来てくださるのをご了承して頂けるなら、私の手をお取りください。多少の時間は掛かるかもしれませんが、必ずや貴女の願いも望みも全て叶えて差し上げましょう」



 その手を取れば……貴方と一緒にいれば……私の願いが全部……?



「はい。お約束致します」



 ……。


 …………。


 ……………………。



「信じて頂き、誠にありがとうございます。では参りましょう、私の屋敷へ。貴女の全ての願いを叶える為に」





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