【裏舞台のカトリーナ=レオン】 2
今日もお兄様とヘレナ様は会っているみたいでした。
けれど残念なことに、私は友達と会う約束をしていたから、お兄様達を見守ることは出来ません。
じいやとヘレナ様のメイド長さんに任せることにしました。
そうして私が友達と楽しく話していると、そばに控えていた私の専属メイドに通信魔法の連絡が入ったようでした。
専属メイドは顔を青くしていました。
「どうしたの?」
「……カトリーナ様……落ち着いてお聞きください……ライア様とヘレナ様が……」
メイドの言葉を聞いて、私は病院へと急いで向かっていました。
友達に別れを告げることも忘れていました。
メイドが代わりに友達に中座の断りを入れたと聞きましたが、後で友達には謝っておかないと。
私が病院に到着した時、既にお兄様の怪我は完治されたとのことでした。いまはヘレナ様達が診察室に呼ばれて、医師から話を聞いているとのことでした。
しかし、私はその診察室に入ることが出来ませんでした。
診察室のドアにノックしようとした時、中の声が聞こえてきてしまったからです。
まさか、お兄様が重い心臓病だったなんて⁉
私は大きなショックを受けました。どんな顔をしてお兄様に会えばいいのかが分からずに、そのまま屋敷に帰ってきてしまいました。
私は屋敷に帰ってきていたお父様とお母様に問い詰めました。
「お父様とお母様は知っていたのですか⁉ お兄様が心臓病だってことを!」
「……すまない……お前にも話すべきだとは思ったんだが、お前の悲しむ顔を見たくなくて……」
「…………っ」
悲痛な顔をするお父様とお母様に、私はそれ以上責める言葉を言えませんでした。
その日、私は夕ご飯も食べずにずっと泣き続けて、泣き疲れた頃に眠ってしまいました。
次の日、退院するお兄様をお迎えに病院に行った時、お兄様の病室の前で私はお兄様とヘレナ様の会話を聞いてしまいました。
「おはようございます。逃げずに待っていてくれたようですね」
「入院中なのに逃げられるわけもないだろう」
「そうですね。……昨日の件ですが、ちゃんと覚えていますよね?」
「……忘れられるわけがない。まさか、君が僕の病気の治療法を探し出してみせると言い、もし僕が治った暁には、改めて君の方から婚約を申し込んでくるというのだから」
「覚えていてくれて何よりです。まだ成果はありませんが、いずれ必ず」
「たった一日で見つかるわけもない。しかし……本当に僕でいいのか?」
「昨日話した通りです。貴方が相手だから、そう言いました」
「……そうか」
私はそっと、閉じているドアの前から立ち去りました。
お兄様とヘレナ様のことを邪魔するわけにはいきませんから。
きっと、ヘレナ様は見事治療法を見つけ出すはずです。
そして二人は結婚して幸せな一生を送るはずです。
私にはその確信がありました。
きっと二人は赤い糸で結ばれた運命の相手だったんです!
○




