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【王国内屈指の公爵家の令嬢ですが、婚約破棄される前に婚約破棄しました。元婚約者は没落したそうですが、そんなの知りません】  作者: ナロー


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【ジグソウ元伯爵の後悔】 1


[●年●月●日]



 ああ、なんということだ。


 息子が警察に逮捕されたという話を聞いた。


 酒に酔って、妻の頭を瓶で殴り、その後に更に暴行を加えたそうだ。


 息子自身にも軽傷があるらしく、妻が抵抗したのだろうと警察は言っていた。


 しかしそんなことは些細な問題だ。私に、私達にとって重要なことは、私達の一族から前科者を出してしまったという事実だ。


 やはり息子とは居を別にするべきではなかったのか? あの時、私達とは別々に暮らすと言っていた息子を無理矢理にでも引き留めるべきだったのか?


 いや、あのベリンダとかいうあの女と結婚させたのがそもそもの間違いだったのだろう。


 子供を身籠っているから、責任を取る為に結婚を許したのが間違いだったのだろう。


 養育費は払うからと無理矢理にでも納得させて、息子とあの女を別れさせるべきだったのだ。


 息子があの女と逢い引きしようとしても、それを絶対に阻止するべきだったのだ。


 だが、こんな後悔も最早後の祭りに過ぎない。


 後悔先に立たずとはこのことだろう。もしこうなると分かっていれば……私は……私達は……。



[●年●月●日]



 息子のザイアが警察に捕まり、その妻のベリンダも病院に入院したということで、警察からザイア達の子供の一時的な引き取り手になってほしいと言われた。


 しかし……いまの私達には、例え赤ん坊だろうと、いや赤ん坊だからこそ、養える程の余分な財力はなかった。


 もしこの子がある程度育っていれば、家事でも日雇いの出稼ぎでも、何かしらの作業を任せられただろう。少なからずお金を稼ぐか、もしくは私達がそう出来る手伝いを出来ただろう。


 しかし……赤ん坊では、そうもいかない。いまの私も妻も、赤ん坊を養える程の財力的、精神的な余裕はなかった。


 だから私は、警察にそのことを伝えた。当然ながら、警察は困った雰囲気を見せていた。



「貴方達が身元引き受け人になれないというのなら、孤児院に預けることになってしまいますが、よろしいのですか?」



 そう尋ねられた。


 断腸の思いで、私はうなずくしか出来なかった。


 養育出来ないのに無理に引き取って、赤ん坊に辛い思いをさせるくらいなら……いっそ孤児院に預かってもらった方が、余程その子の為になるだろう。


 私達は赤ん坊を孤児院に預けることを選んだ。


 警察はその孤児院の名前を教えてくれた。もし私達が赤ん坊を引き取ることが出来るようになった時の為に、知っていてほしいとのことだった。


 その孤児院の名前は、『クエル孤児院』とのことだった。


 クエルとは、その孤児院の院長の名字らしい。



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