第7話 よい滑り出し、のち?
またまた短いです。
片桐の健康回復を目的とした共同生活。
最初は小さなトラブルもあったが、それほど問題もなく軌道に乗った。
それは片桐の性格も大いに影響しているだろう。
元々無口なのだろう。片桐はスミレ宅にいても、物静かであった。
男の子なら大雑把な面があるかと思いきや、決まり事はきちんと守り、部屋を散らかすという事もない。
家庭環境からそうなってしまったのなら悲しい事だが、見ていても無理しているようには見えない。
窮屈な思いをしているのかと思いきや、リビングでテレビを見たり、本を読んだりと、徐々に自分に割り当てられた部屋から出て過ごす事も多くなり、慣れてリラックスできているようだったので、精神面でも改善してきているようだ。
何よりこの1か月で、大分体調が良くなってきていた。
こけていた顔も肉がつき、ひょろりとしていた姿がほっそりとした体つき変化しつつある。
もう少し経てば、もっとしっかりしてくるだろう。
これは予測ではなく、確信である。
食事面ではスミレが取り組み、フィジカル面は香蓮が担当してくれている。
フィジカルといえば、放課後、彼は毎日香蓮の会社でしごかれているらしい。
何でも専門の担当がつけられたとか。
汗びっしょりでクタクタになって帰って来た片桐に、ある日に尋ねたところ、そういう事だと、言葉少なで告げられた。
特に彼が嫌がっているわけではないようなので、ほっておくことにする。
またメンタル面でも改善が見られた。
家庭から離れたのが大きいだろう。
最初は動きがなかった表情も、徐々に活動を始めている。
笑いの1つもでるのも、そう遠くはないだろう。
それもスミレの家にいれば、の話だ。
また彼が自宅に戻ってしまえば、元の木阿弥であろう。
少なくとも高校卒業するまで、ここで預かる。
それには香蓮も賛同してくれた。
彼の親の改善は全く見込めないと、香蓮はそっけなく教えてくれた。
今のところ学校にばれる事もなく、順調だ。
同居を始める前に、香蓮に学校への報告はどうするか、と尋ねた事がある。
その答えは。
「片桐くんの変調を気づかない、または気づいていたのに何もしなかった学校への報告など不要だ」
とばっさりだった。
本当に香蓮は使えない者に対しては容赦ない。
それは置いておくにしても。
(このまま平穏に時が過ぎてほしいわね)
と、思っていた矢先である。
爆弾が投下された。
スミレの双子の弟妹の来襲である。




