第30話 内藤さんは聞き上手
短い、短いです!すいません!でも更新したかったので~。
深遠館での日々のトレーニングは順調に進む。
最初の三日間。トレーニングは、名取についていくだけで精いっぱいだった。
ついていくといっても、名取は汗一つかいでいない状態。過分に手ごごろを加えられている状態でであった。それでも何とか朝晩、併せて15キロの走り込みを続ける。
香蓮に護身術の訓練をしてもらっていなければ、更に過酷に感じていたかもしれない。
ランニングの後の瞑想。これはある意味、最も辛い。疲れで眠ってしまいそうになる事が度々あった。
そのたびに正される始末だ。片桐は流石男子で、筋トレなど、スミレとは別に更に充実したメニューを組まれたようだった。それでも彼は黙々と、いや、スミレの目には嬉々としてこなしているように見える。もう最初に会った時の面影は少しもなく、健康そのものにみえる。
彼に憑いていた小さき黒いモノもすべて消えていた。その点では、ここで体調管理されているのは、彼にとって、とてもプラスになったと言ってよいだろう。
一週間も経つと大分身体が慣れてきて、ランニングもほんの少しだが、楽になったように思える。
筋肉痛はなくならないが。夜も夜とて、予習復習を終えると、倒れるように就寝してしまっている。
能力についてのカウンセリングも日々進む。
スミレが初めて能力を自覚した年齢や事象を、事細かく聞かれた。
内藤はとても聞き上手で、引き出し上手だった。
スミレとしても腹をくくり、隠すつもりがないから、ドンドン話す。
深遠館では、異能有きが前提である。興味津々という目で見られていても、忌避されない。それが話し易さに拍車をかける。
(それに、隠せば、能力は解明できない)
スミレの問題は解決しない。
デメリットは考えない。自分の力を見極める。自分にできることを理解する。
それが今後、心の負担を軽くするために必要なのだから。
「はい。ひとまずここで休憩しましょう。お疲れさまでした」
「ありがとうございました」
「今まで聞いたお話を、私の同僚にお話をします。明日の午後からは実際に能力を高める訓練を始めますね」
「わかりました」
いよいよか。どのような事をするのだろうか。
「ふふ。今からそんなに気合を入れてはだめよ。効率が悪くなるから。メリハリが大事よ?」
「は、はい」
口の前に人差し指をたてた内藤さんは、とてもかわいらしい。脱力系のお姉さんだ。
自然に肩の力が抜けた。
「ふふふ。じゃあ、明日を楽しみしててね」
明日は、もう少し頑張れればいいなと思います(涙)




