第12話 賢者は飛び級を検討する①
レイアス達が学院初等部へ通うようになり1年が早くも過ぎようとしていた。
やはり、レイアス達にとって初等部での講義はつまらないものだった。
はじめはまじめに講義を受けていたが、最終的には自主勉強の形をとっていた。
これについては、学院側もあきらめた様子だった。
さらに、テストを行っても二人とも満点を取るので強くは言えない状況だった。
ジョシュアは相変わらず女子に人気で、テスト前になると空き教室を借りてテスト勉強を行うほどだった(主に女子)。
レイアスはなぜか男子に慰められ、こちらもテスト前になると空き教室を借りてテスト勉強を行っていた(主に男子)。
そのおかげもあってかAクラスの成績がうなぎ上りになり、ゴーマンは有頂天となっていた。
そんなある日レイアスは意を決してジョシュアに話しかけた。
「ねぇ兄さん。僕たちは本当にここにいるべきなんだろうか…。」
「それって、退学するってこと?」
思いつめた表情で話しかけてきたレイアスに、ジョシュアは驚きを隠せなかった。レイアスが最近隠れて修行を繰り返すのを知っていたからだ。やはり、領地へ戻りたいのだろうか…と。
「違うよ、たぶんだけど僕たちの知識・武術ともに初等部にいる意味がない気がするんだ。高等部とは言わないけど、せめて中等部に行った方が有益だと思うんだ。」
「うん。僕も同じことを考えていたんだ。でも、どうやってそれを叶えるかが問題なんだ。」
ジョシュアもまた、レイアスと同じ考えだった。しかし、自分から言い出してよいのか迷っていたのである。
「とりあえず先生に相談するしかないかな?」
「そうだね、明日先生に相談してみよう。」
二人は翌日、ゴーマンに相談することにしたのだった。
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翌朝二人は職員室へと向かい、ゴーマンに相談を始めた。
飛び級の申請を行おと思ったからだ。
「飛び級を受けたい?それは2年を飛ばして3年へってことでいいのかい?」
「いえ違います。僕たちの実力を考えると中等部が妥当だと判断します。」
ゴーマンが勘違いをしていると思い、ジョシュアは中等部への飛び級を希望する旨を伝えた。
「中等部?!それはまた思い切ったねぇ。う~ん。君たちの成績がいいのは認めるよ。でも、前例がないから何とも判断ができないな。うん、わかった。とりあえず職員会議にかけてみるから、それまで待ってもらえるか?」
「はい、よろしくお願いします。」
さすがに驚いたゴーマンであったが、二人が真剣であること。それと、彼らがすでに初等部の枠に収まらないことを感じていたこと。それもあり、ゴーマンは会議に議題で上げることを約束したのだった。
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朝の職員会議を終えたゴーマンは、職員室で待っていた二人に結果を伝えた。
「お待たせ。職員会議としてはすぐに認めるのが難しいそうだ。まずはご家族と相談して、ご両親から申請を受けた時点で特別試験を受けてもらうって形になった。なので、二人は明後日から一度帰郷して、ご両親ときちんと話し合いをしてきなさい。いいね?」
「わかりました。お手数をおかけしました。」
二人は結果を聞いて即行動に移すのだった。
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寮へと戻った移動の為の準備を始めた。寮には着替えなどしかないためさほど荷物にはならなかった。
「ねぇ兄さん。父上たちは賛成してくれるかな?」
「どうだろうね、わかってはくれると思うけど…。」
「考えても仕方ないかな?明日、王都の屋敷に泊まって、明後日の出発ってところかな?」
「そうだね。今年の長期休みは帰郷できなかったから、すごく楽しみだね。」
「それと僕たちの妹にも会えるから楽しみだね。」
「レイアス、明日妹の為にお土産をえらばないかい?」
「いいね!!絶対喜んでくれるはずだよ。」
寮をその日のうちに出た二人は、王都の屋敷に移動。そのまま、旅の準備を始めた。必要なものなどは使用人たちが準備をしてくれることになった。
二人は妹の為にお土産を選ぶことにした。。何が似合うのか散々話し合った結果、熊のぬいぐるみに決めた。大きさは大体50cmくらいで、クラスの女子に人気が高いものでもあった。ジョシュアは寮を出る際に、クラスメートに確認をとっていたのだ。
翌日王都の屋敷を出た二人は、従者と護衛の冒険者と王都を後にした。
旅では特に問題も起こらず、野盗などはさっさと片付けて帰郷したのだった。
王都を出て一週間ほどで領都へとついた二人は、すぐに領事館へと急いだのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ついに飛び級に向けて動き出したレイアス達。
すでに自分たちが年齢以上の実力をつけてしまっていることに心を痛めている様子が描けていたらうれしいです。
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。
では、次回をお楽しみください。
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