第11話 賢者は授業に落胆する⑦
レイアス達が教室に戻ってもゴーマンは現れず、帰っていいか迷っていたところに男性が教室へと入ってきた。
「あ、教頭先生。」
「教頭先生?」
「はははっ。はじめましての人もいるかな?僕はミシェル・デ・ブリュネ。この学院の教頭を任されている。見てのとおりエルフ族だ。」
入ってきた男性にいち早く気が付いたのはジョシュアだった。レイアスは教頭の顔をまだ見たことがなく、入ってきた男性が教頭だとはわからなかったのだ。
教頭はミシェルと名のりまだあったことがない人もいるので問題ないと言ってくれていた。
「すみません。なぜ教頭先生がこちらにお越しになったんでしょうか?」
少しほっとしながらジョシュアはミシェルに問いかけた。
ミシェルは、ジョシュアの佇まいに感心してしまった。それは貴族として完ぺきといっていいような姿だったのだ。
少し、ジョシュアを見つめた後、生徒たちを見回して頭を下げた。
「君たちに学院生活最初の講義で不快な思いをさせてしまったことを学院を代表して謝罪させてほしい。すまなかった。」
「教頭先生が謝ることではないですので頭を上げてください。みんな困ってしまっていますから。」
ジョシュアは代表してミシェルの謝罪を受け入れた。むしろそこまで頭を下げられるようなことだと感じていなかったのである。
「ありがとう。それでみんなに約束をするよ。今回の件に関して、子爵家へ国名義で抗議を行うことになった。これからは今回のようなことがないように、教職員一同講義を行っていく。」
「わかりました。講義の妨害さえなければ問題はありませんから。」
ミシェルから今回の件についての話を聞いた生徒は、とりあえず普通の講義が行われることをお願いしたのだった。
「それと、ゴーマン先生は臨時職員会議が開かれたため、この後来れませんので、今日の講義はすべて終了とします。各自忘れ物の内容にきおつけて帰ってください。」
「「「「はい!!」」」」
ゴーマンがまだ来てない理由の説明を受けて今日は解散となった。
後日、カール・フォン・フュッテラーは体調不良を理由に欠席。そのまま自主退学をしたとのことだった。
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数日後、カールの退学を知らされた生徒たちはほっと胸をなでおろした。復学されたらまたあのめんどくさい状況が発生するのかと、憂鬱だったのだ。
その日の夜、就寝時間を迎えたレイアス達はカールについて話をしていた。
「兄さん、カールが退学したって。」
「そうだね。また面倒なことが起こらないことを祈ろうね。」
「兄さん…それ言うと絶対怒るやつだからね?」
「ははははっ。じゃあお休みレイアス。」
「お休み兄さん。」
パチンと指を鳴らすと照明の魔道具は淡い光を残し光度を落としていったのだった。
「おやすみなさい…レイ兄さん」
ジョシュアの声はレイアスには聞こえていない…
そして、ジョシュアとレイアスを取り巻く環境は日を追って変わっていくのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
またも意味深なジョシュアのセリフ…
今後どうこれが絡んでくるのか…
そして現在のレイアスとどうかかわりがあるのか…
物語終盤でいろいろわかってくる予定です。
それまでもうしばらくお付き合いください。
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では、次回をお楽しみください。
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