第11話 賢者は授業に落胆する③
魔法講義を終え、次は武術訓練の時間となった。
訓練場にはがたいのいい男性が待っていた。
「よく来たなお前たち。強化担当のマイク・L・ハミルトンだ。よろしく頼む。」
整列した生徒を見て、マイクは苦笑いをしていた。
「さっそくシーラに絞られたな?毎年毎年あいつも飽きないねぇ。それじゃあ、お前たち。今日はショートソードとバックラーを使った基本的戦闘術を学んでもらう。魔法が得意な奴もいるかもしれないが、戦闘中に剣を使えないと、接近された際対処できなく命を落とすものも多い。学院ではそういったことがないように魔法職希望にも剣術を習わせている。まずは控室に全員分の武具を準備してある。サイズも各々あったものを準備してある。今から装着するように。あと、早くできたやつは、まだのやつを手伝ってやれ。では開始!!」
生徒たちが行動するのを見つめていると、やる気をなくしている二人を見つけた。レイアスとジョシュアだ。二人を見つけたマイクは、少し気合を入れてやらんとなと思っていた。
案の定、控室では装着に手間取る生徒が多発した。さっさとつけ終わったレイアス達はクラスメートの装着を手伝っていた。
やはりここでもジョシュアに頼む女子が多発しており、行列を作っていた。さすがにさばききれなくなったジョシュアはレイアスに手伝いを頼んでさばいていったのだ。レイアスにつけてもらった女子もなんだかんだ言って顔が赤かった。それはそのはずだ、二人は双子なのだから。
全員武具を装着し訓練場に整列しなおした。
「思いのほか早く終わったな。普通だったら、まだまだ時間がかかって、喝を入れるところだったんだがな。よし、それじゃあ、訓練を開始する。まずは基本の型から始める。」
マイクは見本を何度か見せると、生徒たちに見よう見まねでやってる見様に言いつけた。
生徒たちはぎこちないながらも、剣を振って見せた。マイクは生徒の周りを回り一人一人動きを修正していった。
レイアスとジョシュアのそばに来たマイクは固まってしまった。二人とも無駄がなかったからだ。ジョシュアに至っては自分とほとんど変わらないほどの洗練さを見せていた。まるで自分の兄貴分と見間違えるほどだった。
カールを見たマイクはため息をついてしまった。あまりにもひどすぎるからである。一つ一つ丁寧に指導するも全く聞く耳を持たなかったのだった。
そしてまたもここでカールが暴れ始めたのだった。
「なぜ、僕だけがこんなに指摘されなきゃいけないんだな?!」
「それは簡単だ。お前ができてないだけだ。」
何度もマイクから指導が入るためが、ついにカールが切れてしまった。
マイクもまた、カールの事を思って指導を根気強く続けてくれていた。それを理解しようとしないカールは自分がいじめられているのではないかと感じていたのだ。
「そんなはずはないんだな。僕はいつも褒められてたんだな!!僕にかなうものはいないって言われてたんだな!!」
「お前まさか本気で信じてたのか?そのおべんちゃら…。これだから中途半端なお坊ちゃまは面倒なんだよな…。」
カールの発言に本気でマイクは呆れてしまった。そんなおべんちゃらなんて、信用してはいけないのだから。あくまで仕事で家庭教師をしている以上、その家庭教師も気持ちよくさせるにきまっているのだ。
「ぼ、ば、僕をばかにしたな!!この子爵子息の僕を!!」
「ここじゃ、そんな肩書なんか無意味だ。だから、実家から切り離して寮生活をさせてるんだろうに。それすらも伝えられてないのか。」
マイクはさらに呆れてしまった。この学院には爵位は通用しないのだから。これは王国法でも決まっている事項で、学院内で地位を振りかざし、あまりにも度し難い行いをした場合、強制退学のほか、実家の爵位の降格もあり得るほどだ。それは学院に入る際、親から必ず伝えられる重要な法律でもあるのだ。
「お、お、お前なんか、父上に言いつけて首にしてやるんだからな!!」
「はん。お前にはできんよ。ここは王立学院だぞ?一番のトップはだれだ?ん?陛下だぞ?下級貴族が何言ったってかわらん。それよりほら、さっさと始めないか。」
カールがどんだけ騒いだとしても、教師の首はあくまでも理事会を経て、国王陛下の認可を得なければならない。事実上、首にすることは不可能に近いのだ。さすがに不祥事が発生した場合は、懲戒免職もあり得るのだが。
「もう怒ったんだぞ!!僕が強いことを証明すればいいんだな!!おいお前!!僕と勝負なんだな!!」
「え?僕?」
ここまでお読みいただきありがとうございます。
カール君大暴走。ついに戦う時が来たようです。
さて、誰と戦うんでしょうね?
嫉妬の炎に抱かれて消えろ!!
スキル発動!!【現充爆散】!!
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では、次回をお楽しみください。
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