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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
学院編
81/103

第11話 賢者は授業に落胆する②

 昼休憩を終えて、午後の講義の時間となった。

 Aクラスのメンバーは訓練場へと足を運んだ。すでに魔法技能担当の先生が準備を終え訓練場で待っていた。


「よく来たね!!あたしはシーラ・フォン・グリム。このクラスの魔法技能担当だよ。よろしくね!!じゃあ、さっそくだけど…」


 シーラが自己紹介を終えると、話をいったん切って大きく息を吸い込んだ。


「お前ら!!何チンタラチンタラやってんだよ!!さっさと並びやがれ!!ここじゃ実家の爵位も何も関係ない!!わかったか!!わからねぇやつはとっとと実家に帰りやがれ!!」


 突然の罵声に全員が驚き、一瞬硬直してしまった。

 それを見たシーラから殺気が一気に膨れ上がり、慌てた生徒たちは急いで並び始めた。

 カールはなぜ自分が罵倒されなければならないのかわからないという顔をしていたので、シーラから追加の殺気を浴びせられていた。


 無事?並び終えた生徒を見回し、シーラは少し感心していた。

 レイアスとジョシュアは何食わぬ顔で立っていたからだ。ほかの生徒は例に洩れず全員青い顔をしておびえていたのだから。


「よし、準備完了だね。じゃあ、前列から順にそこにある杖を使って魔法を放ってもらうよ。使う魔法は火属性下位魔法【ファイヤボール】。【詠唱】は≪我望むは火炎の力。塊となりて彼の者を屠れ。≫だ。すでに座学で下位魔法の【詠唱】は習ったはずだ。やれ!!」


 シーラの合図を皮切りに生徒たちは魔法を発動させていく。きちんと発動して的に当たるものもいれば、当たらないもの。発動するものの、距離が足らないもの。そもそも発動する前に魔法が霧散してしまうものなどいろいろだった。

 レイアス達の番が来て杖を構えて【詠唱】の準備を始めた。隣にはカールもいて何やら話していたが、レイアスはすべてスルーすていた。


≪我望むは火炎の力。塊となりて彼の者を屠れ。≫


 先に【詠唱】を終えたのはカールだった。カールの前には火の玉が現れた。


「【ファイアボール】!!」


 火の玉は勢いよく的へ飛んでいき…その後ろの壁を少しだけ焦がした。そう、的は無傷だった。


 レイアスとジョシュアは【詠唱】を迷ってしまっていた。なぜなら二人とも下位魔法は【詠唱破棄】を習得してしまっており、だいぶ忘れかけていたのだ。


≪≪我望むは火炎の力。塊となりて彼の者を屠れ。≫≫


 二人はカールの【詠唱】で思い出し、同時に【詠唱】を開始した。

 瞬く間に構築されていく魔法は、シーラからしても文句のつけようがない出来だった。


「「【ファイアボール】!!」」


 二人が放った魔法は速度が速すぎシーラ以外には目視できず、当たった的も消し飛んでしまっていた。

 クラスメート全員が唖然としている中で、またもカールだけが騒ぎ始めた。

 やれ、補助魔道具を持っているはずだ。やれ、的がもろかったのだ。やれ、杖の性能が良かったのだ。等々。

 クラスメートは全員思った…当ててすらないお前が言うなと。


 レイアスと、ジョシュアは思ってしまった…初等部の3年間は自分たちにとって無駄になってしまうのではないかと。

 人付き合いなど常識については学ぶ点はあるだろうが、こと魔法・魔術に関しては全くの無駄になってしまったのである。これならば師匠から習った方が全然ましにさえ思えてしまうのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。


師匠が偉大だと大変だなってお話ですね。

そして読んでいただいてわかる通り、実はレイアスはチート能力もちではありません。

レイアスはあくまで個人の努力でここまで成長してきました。

現代日本の知識もあるので、100%チートじゃないと言い切れませんが。


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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