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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
72/103

第9話 賢者は入学試験を受ける④

 魔法・魔術訓練場へ向かったレイアス達の前にまた例の男の子が歩いてきた。

 ジョシュアに向かって歩いていくその男の子は、ジョシュアの肩を押しのけて、そのまま進んでいった。

 その男の子はジョシュアをどける際、「調子に乗るなよ!!」っと叫んでいたが、周りの女の子からブーイングが出ていたのは当然だった。


 無事会場についた一行の前に女性が10名ほど並んでいた。どうやら試験官らしい。

 一人の女性が前に出て挨拶を始めた。


「えぇ、この度試験官を務めます宮廷魔術師団副団長のキャサリンです。今回は的当てに挑戦してもらいます。的までの距離は約30m。基本的に壊れませんので、思いっきり魔法をぶち当ててください。あと、自前の魔道具等の使用は禁止です。こちらで用意した魔道具であれば使用可能となります。それと『制御の腕輪』等を装着している人も申し出てください。それも評価点となりますので。では順番に進めましょう。」


 キャサリンのあいさつの後、宮廷魔術師にちょってグループ分けされた一行は順番に的当てをしていく。何名かおっと思わせる魔法を使えるものもいたが、大体はそれなり程度だった。

 キャサリンは正直、この仕事をパスしたかった。こんな子供の魔法を見たところで、何ら面白みもなかったからだ。これなら、団の訓練場で訓練しているほうがましだとさえ感じていた。

 数組終えるともうキャサリンは興味を失っていた。とりあえず見てますよ的空気で試験官を務めていった。

 周りの試験官はキャサリンの性格を知っているため、代わりにしっかりと監督していたのだった。

 次にジョシュアのグループの番だった。

 ジョシュアは『制御の腕輪』付きであることを申告し、試験を開始した。

 使用する魔法は闇属性下位魔法【ダークバレット】。

 ジョシュアはどういうわけか、闇属性ととても相性が良かった。ほかの属性も普通に使えるが、親和性で言えば闇属性が抜きんでていたのである。


≪我望むは闇の力。礫となりて彼の者を射抜け。≫


 ジョシュアが【詠唱】を開始すると、周辺の空気がやや重たくなった気がした。徐々にジョシュアの周りに黒い靄が集まりだした。それがジョシュアの目の前に収束し、一粒の塊となった。


「【ダークバレット】」


 魔法を解放すると黒い礫は的へと向かっていく。黒い礫は的に当たった瞬間はじけ飛んだ。それも的ともども。

 それは数秒、いや数泊だったろうか…ここでもやはり静寂が訪れた。

 そして割れんばかりの黄色い声援がジョシュアへと向けられた。

 ジョシュアはそれを見て何やら困った顔をするもにこやかに手を振ってこたえてたのであった。


 一方キャサリンは驚愕した。ふつうの子供であれば壊せるはずがないからである。それもそのはず、的の防御障壁を張ったのは何を隠そうキャサリン本人なのである。そして、その魔法の使い方にどことなく懐かしさも感じていた。それは以前の同僚セシリーに似ていたからだ。

 キャサリンとセシリーは同期で、常に団の中で競い合ってきた。二人は気が合うらしく、何かにつけて酒場で愚痴の言い合いをしていたのが懐かしく思えた。


 そしてそのなつかしさはレイアスの試験で確信に変わった。


 レイアスもまた、試験を開始した。

 使用する魔法は火属性下位魔法【ダークバレット】。


≪≪≪我望むは火炎の力。礫となりて彼の者を射抜け≫≫≫


 レイアスの前には、こぶしよりも大きい炎の塊が出来上がった。それもまだ変化が終わらない。徐々に色は白に近づきちりちりと場の空気を焦がす。


【ファイアバレット】


 魔法の開放とともに爆音が訓練所内に鳴り響いた。あまりの音の大きさに、受験生の大半が悲鳴を上げてしまった。

 的はとうに原型をとどめておらず、さらに奥の壁にまで影響が及んでいた。約200m以上先の壁が焼け焦げていたのである。

 そんな状況にも関わらず、レイアスはガッツポーズをして上出来だと喜んでいた。

 ジョシュアはレイアスの魔法に拍手を送った。訓練所内にはジョシュアの拍手だけが鳴り響いていた。


 気を取り直した試験官たちは、すぐに変えの的を用意して残りの試験を完了させた。


 全ての試験が完了したことにより解散となった。

 明日、学院前の広場に掲示されるとのことで、また明日学院に顔を出すことになった。

 レイアスとジョシュアは屋敷へと変えるために出口へと向かった。


「そこの二人とも、ちょっと待ってくれる?」


 その途中でキャサリンに呼び止められた。

 二人は、キャサリンのほうを向くとなぜ止められたかよくわかってない表情だった。


「二人とももしかして、セシリー=マクレガンに師事していない?」


 思いがけない名前にびっくりした二人は肯定の意味で頭を縦に振って見せた。

 二人の答えに満足したキャサリンは二人に確認した。


「セシリーが今どこにいるかわかる?」

「それなら僕たちの屋敷に今いますよ?」


 その答えに少し微笑んで伝言を伝えてほしいと願い出た。


「明後日、いつもの時間にいつもの場所で会いましょう。と私が言っていたって伝えてくれる?」

「わかりました。必ず伝えますね。」


 ジョシュアはキャサリンからの伝言を受け取りその場を後にした。

 キャサリンは二人を見送った後、少し頬を緩ませていた。それは久方ぶりの友人との再会に胸を躍らせていたからだ。


ーーーーーーーーーー


 屋敷についた二人はさっそく師匠達に今日の報告をした。


 ガーランド達はそれを聞いて、やっぱりなと思い苦笑いをしていた。

 どうやら、二人の予想通りやりすぎてしまったらしい。

 ガーランド達からはたぶん二人とも主席になる可能が高いことも伝えられた。


 あらかた話し終わった二人は食事までの間、庭で基礎訓練をしようと移動を開始した。

 応接間から出ようとしたとき、ふとキャサリンの伝言を思い出したジョシュアは、セシリーにそのことを伝えた。

 セシリーはキャサリンの名前を聞いてとても喜んでいた。


 こうして二人の入学試験の日は終わりを告げるのだった。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


続ジョシュアハーレム回です。

何気によくわからんキャラが出てきますが、気にしたら負けです。

レイアスは…加減する気が全くないので気にしたら負けです。

ジョシュアはちゃんと加減しましたよ?


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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