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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
73/103

第9話 賢者は入学試験を受ける⑤

 本日は試験の結果発表の日であった。


 二人は発表時間より少し前に会場へとついていた。

 ジョシュアを見つけた女の子たちは徐々にそのままわりに集まりだした。すでにハーレムと呼んでも過言ではない感じが否めなかった。

 レイアスは双子なのにこの違いは何なんだと本気で悩んでしまった。そして、納得してしまう…だってジョシュアは天使さんだったんだからと…。完全にブラコン一直線であった。


 結果発表のため、学院職員が数名現れた。手には大きな紙抱えていた。どうやら、あの紙に合格者が載っているらしい。


 数分後、準備ができたのか職員が一斉に紙を貼りだした。

 レイアス達は出遅れてしまい、まだ見えないのでゆっくり確認することにした。


 あらかた掲示板の前から人がはけたのを確認し紙を確認した。

 するとやはり師匠達の読みが当たったのである。


首席一位 ジョシュア・フォン・レガスティア 特待生

次席二位 レイアス・フォン・レガスティア 特待生

三位   ………


 それを見た二人もまたやはりと思ってしまったのだった。

 合格を確認した二人は師匠達に結果を報告するため、その場を離れようとしたときである。聞きなれた声が騒ぎ立てていたのだ。


「どうして僕が不合格なんだ!?えぇ?おい、そこの職員!!」


 二人はまた面倒なのがいるなと思い、近づかないようにそっと移動しようとしたが遅かった…


「そこの二人。君たちがジョシュアとレイアスだね?いったいどんな不正を行ったんだね?そこの職員。今すぐこの二人の合格を取り消したまえ。不正があったに決まっている。」

「そうだ、そうに違いな!!パパ、絶対に許しちゃいけないよ!!おいお前たち、何とか言ったらどうなんだ!!」


 レイアス達はすでに思考が停止してしまっていた。

 考えれば簡単なことだ。試験の際、問題用紙の契約に署名した時点で一切の不正などしようがないのだから。

 二人が唖然としているのを見て親子はさらにまくしたてる。

 やれ、問題を事前に知らされていたのでは。やれ、的の防御障壁に細工をしていたのでは。


「それにだね、レガスティアといえば騎士爵家ではないかな?そんな田舎騎士の息子にどうしてうちの子が負けるというんだね?よって今すぐ取り消したまえ。」


 親子が散々騒ぎ立てていると、学院校舎から一人の男性が姿を現した。立派な騎士の鎧を身にまとった騎士だった。鎧の形からして上位クラスの騎士であることがうかがえた。


「これはどういう騒ぎですか?神聖な学び舎で騒ぎを起こすなど捨てはおけませんよ?」

「おぉ、これはアルス王国騎士団第一団団長殿ではなですか。良いところにおいでくださった。聞いてください、この学院の神聖なる試験で不正が行われたのです。」


 騒いでいた男はやってきた騎士を見るなり自論を展開した。

 騎士の名はアルスという名前であった。

 マルスはその訴えを聞いて、憤りを覚えた。近くにいた職員にすぐに徹底的に調べるよう申し伝えると、レイアスとジョシュアを別室へと連れていくのだった。


「二人には別室で確認が終わるまで拘束させてもらう。不正があった場合それなりのバツがあることを覚悟しておきなさい。準男爵殿、貴殿も別室に手待機いただきたい。ことによっては証言していただくこともあるので。」

「もちろんですとも。行くぞメータボ。」

「待ってよパパ~。おなかすいたから何か食べたいな~。」


 何が何だかわからないうちに拘束された二人は、狭い部屋で待っていた。二人はだんだん事情が呑み込めて、せめて屋敷に戻りが遅くなることを伝えてほしいと騎士に伝えた。

 伝言を受けた騎士はアルスに確認を取った後、レイアス達の屋敷に使いを出してくれた。


 ほどなくして確認作業が終わったのか、レイアス達のもとにマルスがやってきた。


「二人とももうここから出ていいよ。不正は確認されなかったからね。」


 それを聞いた二人はほっと胸をなでおろし、合格で間違いないことを確認した。

 二人を見ていたアルスは二人に頭を下げた。


「申し訳ない。この件については再度謝罪に伺います。」

「謝罪は受け取りました。これ以上の謝罪は不要です。」

「そう言ってもらえると助かるよ。」


 ジョシュアは代表してマルスの謝罪を受け取った。マルスを責めたとして何かなるわけではないからだ。

 マルスもまた謝罪を受け取ってもらえて喜んでいた。


「改めて、私の名はマルス=シュナイダーだ。これでも王国騎士団第一団団長を仰せつかっている。」

「僕はジョシュア・フォン・レガスティア。レガスティア騎士爵家長男です。」

「僕はレイアス・フォン・レガスティア。次男です。」


 三人は改めて自己紹介をしたのだ。

 マルスは名前を聞いて改めて納得した顔をしていた。


「やはりそうか、マルコさんは元気にしているかい?」

「父上をご存じなんですか?」


 アルスから出た父親の名前に驚いたジョシュアは、アルスに尋ねた。

 レイアスもまた不思議そうにアルスの顔を見つめたのだった。


「あぁ、マルコさんがいなければ僕はここにはいなかっただろうね。きっと今頃魔物の腹の中だ。」

「もしかして、父上が助けた団員の方ですか?」


 それを聞いたレイアスは、セシリーから受けた講義の内容を思い出した。その内容から、当事者ではないかと思ったのだ。

 

「そう、それで間違いないよ。マルコさんには足を向けて寝ることはできないよ。」

「そうだったんですね。父上はいまだに剣を振っていますよ。全く歯が立ちません。」


 ジョシュアは苦笑いしながら、マルスの現状を伝えた。訓練の時など、滅多打ちにされる始末であるのだ。いまだに勝てる自信が一切わかない一人であった。

 レイアスは、ほぼ諦めていた。


「さすがはマルコさんだ。今でも騎士団副団長でいられたのではないかな?」

「そうかもしれませんね。」


 その話を聞いたアルスはさすがマルコさんだと感心していた。団に戻ってもらいたいのがアルスの本心であった。

 そのほかにもアルスからマルコの昔話を聞いた二人は、父親の知らない一面を知ることができてとてもうれしかった。

 アルスもまたマルコの現状を聞くことができてほっとしていた。自分のせいで、団を去ったことに負い目を感じていたのだ。


「さて、話は尽きないが私はこれで失礼するよ。そうだ、マルコさんに伝言を頼めるかな?近々昇進の挨拶に伺うと。」

「確かに承りました。」


 やっと解放された二人は学院を後にした。


 無事屋敷についた二人は帰りが遅くなったことを謝罪した。

 騎士へお願いした伝言を受け取っていたガーランドとセシリーは特に起こる様子もなく二人を出迎えた。

 しかし、セシリーはその原因となったことについて憤りを覚えた。明日、キャサリンとあった際に探りを入れるとのことだった。

 そして、使用人にアルスからのマルコへの伝言を伝え文を出してもらった。


 無事入学が決まった二人を屋敷のみんながお祝いしてくれた。

 二人は心から喜んで、その宴を楽しんだ。レガスティア家特有の使用人もすべて混ざって行われる宴は、今や当たり前の行事となっていた。

ここまでお読みいただきありがとうございます。


けっかはっぴょ~~~~~う!!(某浜田さん風)

はい、まあそうなるよねって感じですね。

正直順位一個落とそうかと思ったんですが…こいつら押しのけて1位になるのって無理ゲーじゃね?ってことで、諦めました。

そしてやっぱりいるよね、テンプレキャラを登場させてみました。


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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