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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
57/103

第7話 賢者は森で修行する 四日目⑨

 ホブゴブリンの消滅を確認し、レイアスはその場に倒れこんだ。

 ジョシュアはぎりぎりの体力を押し、レイアスに駆け寄り抱き寄せたのだ。


「おわ…たのか…な……」

「レイアス!!」


 ジョシュアの腕の中で、レイアスは浅い呼吸を繰り返していた。その表情はすでに青白く、強い魔力欠乏症の症状が見て取れた。魔力ポーションがあれば回復をはかれるのだが、生憎すでに使い切ってしまっていた。


「レイアス…無理しすぎだ…」

「『うむ、私もいたのだ、無理する必要は無かったろうに。』」


 少し経つと呼吸も落ち着いてきた。ジョシュアはレイアスに、いたわるように優しく声をかけた。

 熊もまた、自身を頼ればよかったのにとダメ出しを始めた。


「でも、やらなきゃ…ダメだって…おもっちゃって…」


 レイアスは、それでも自分がやらなくてはならないと感じていた。

 しばらくその場で休んだジョシュアはあらかた体力が回復していた。念のためレイアスの残していた回復ポーションをもらい、体力の回復に努めていたからだ。


「熊さん、レイアスを頼みます。」


 ジョシュアは意を決したように、レイアスを地面に横たわらせ立ち上がった。


「『構わんだ、おぬしはどうするのだ?』」

「あの洞窟の奥に何やら人の気配がします。そっちへ行ってみようと思います。」


 熊の問いかけに、洞窟を指差し、ジョシュアは答えた。


「『わかった。無理するではないぞ?』」

「はい。」


 熊もまた、洞窟の中から人の気配を感じていたのだ。


ーーーーーーーーーー


 ジョシュアは洞窟内に入ると驚いていた。


「明るい?照明の魔道具か…倒した冒険者の持ち物だったのかな…」


 洞窟には明かりがともされており、意外と歩きやすい状況だからだ。ただし、洞窟内はすえた匂いが充満していた。

 ジョシュアは洞窟を警戒しながら進んでいった。【気配察知】を発動させると前方に人の気配が強くなってきた。


「この奥か…。いた…。」

「うぅ…」

「お母さん…」

「もう殺して…」


 ジョシュアは洞窟の最奥の部屋らしき場所で女性たちを発見した。女性たちは服などはすでになく、体中にひどい傷を負っている人もいるほどだった。ほどんどの人がやせ細っており、目からは生気が感じられなかった。一部の女性の下腹部は…。

 ジョシュアは目を背けそうになった。そんな自分が許せなかったのか、唇を強くかみしめ、女性たちに優しく声をかけた。


「皆さん、助けに来ました。もう大丈夫です。」


 女性たちはジョシュアの声を聴いて、突然暴れだした。もう、動く気力・体力すらないであろうに必死に抵抗をしていた。


「いやああああああ!!もうやめて!!来ないで!!」

「嫌だ!!もう嫌!!いっそ殺して!!」

「私は…私は…私は………モウイヤ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!」


 女性の悲痛な叫びを聞いたジョシュアは一瞬ひるんでしまった。それでもなお、ジョシュアは声をかけ続けた。


「大丈夫です。ゴブリンは倒しました。もう大丈夫です!!」


 ゴブリン討伐の話を聞いた女性たちは一瞬何が何だかわからない表情を浮かべた。そして、もう襲われないと理解すると、堰を切ったかのように泣きじゃくった。それは解放された安心感なのかはジョシュアにはわからなかった。


「え?」

「本当に?」

「家に…帰れるの?」

「はい。もう、終わったんです。」

「うわぁぁぁ~~~~~~~~ん!!」

「助かった…」


 ジョシュアは、女性たちを安心させるためにその場に座り、女性たちが泣き止むのをじっと待つのだった。


ーーーーーーーーーー


 二人の救難信号を感知した、ガーランド達は騎士たちを引き連れて、目的地まで移動していた。


「救難信号はこのあたりだよな?」

「そうね、このあたりで出されていたわ。」


 しかし、救難信号が出された場所には二人の姿はなく、ガーランド達に焦りの色がうかがえる。不測の事態が発生したのではないかと心がざわつき始めたのである。


「よし、皆!!おそらくこの周辺にいるはずだ!!手分けして探し出せ!!」

「「「「はい!!」」」」


 ついてきた騎士たちに支持を出したガーランドは時計を確認した。救難信号を受けて一時間…それほど遠くまで行っていないことを祈っていた。


「俺たちも行こう。」


 ガーランドはセシリーとともに周辺の探索に移ったのであった。



 しばらくして、ガーランドのもとに一人の男性が姿を現した。その男性は上下ともに緑の斑服で森に溶け込んでいたのである。


「お待たせしました。」

「お前は確か…」

「マルコ様のシノビ…リクです。」


 リクと名のる男性は、ガーランドの前で膝まづいて頭を下げ、自身の名を告げた。そして、二人の行方を案内する旨を報告したのである。


「おい皆集合だ。場所がわかったぞ。」

「二人は無事なのですか?」


 ガーランドは周辺に散った騎士を呼び戻した。セシリーもまた心配が勝ってしまいかなり焦っていた。


「無事といえば無事ですが…。とりあえず場所へ移動しましょう。我が友が警戒に当たってくれています。」

「友?まあいい、急ごう。」


 ガーランド達はリクの案内で移動を開始した。


 ガーランド達が少し歩くと、そこには戦場といっても過言ではない光景が広がっていた。集落跡のようなものや焼け焦げたもの。魔獣か魔物の魔石がそこら中に転がっていたのである。

 ガーランドは足早に戦場の中に入っていった。その表情はとても強い焦りを感じさせた。

 セシリーの表情も強張っていた。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


ゴブリンの集落といえば書かないといけないテンプレですね。

あと、オークの回も…

作者は書いてて胸糞悪くなってきました。

皆さんにも読んでもらって、そう思っていただけたら物書きみょうりに尽きます。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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