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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
47/103

第7話 賢者は森で修行する 三日目②


 二人が洞窟を出るのを確認したかのように、近くの茂みで何かが動いた。


 熊はその茂みに対して、何かをつぶやいていた。

 その茂みからは一人の男性が姿を現し、熊と何やら会話をしていた。

 何故か男性は熊と抱き合うとその場を後にした。


「『頼んだぞ…友よ…』」


 熊はそう言い残し、森の中へと姿を消したのだった。


ーーーーーーーーーー


 二人がしばらく歩くと、遠くにフォレストウルフの姿が確認できた。ジョシュアはいつものようにレイアスを止め、注意をそちらに向けた。


「レイアス…前方注意して…おそらくフォレストウルフだ。数は…2匹。」

「リベンジマッチするの、兄さん?」

「どうしよう。相手は2匹。行けなくはない…かな?」


 レイアスは昨日の戦闘がよほど悔しかったのか、いつもに増して好戦的になっていた。

 ジョシュアも、内心悔しい思いでいっぱいだった。だが、昨日のこともあり答えは慎重になっていた。


「う~ん、昨日の感じなら中位魔法で一匹倒せそうなんだよね。その後は兄さんをフォローしてもう一匹倒すって感じかな?」


 レイアスは煮え切らないジョシュアに、作戦を提案し確認をとった。


「よし、それで行こう。一番手前のやつを狙ってくれるかな?」

「了解!!」


 ジョシュアもレイアスの提案であれば問題ないだろうと判断し、戦闘を開始したのだった。


 レイアスはいつもとは違う【詠唱】を開始した。その【詠唱】は中位魔法であり、レイアスが今の段階で使える強い手札といっても過言ではない。


≪我望むは大いなる水の力。立ちはだかりし者を貫き通せ。≫


 レイアスの【詠唱】により、目の前には投擲槍のような水塊が出来上がっていく。


「【ウォータージャベリン】!!」


 レイアスは、手前にいたフォレストウルフに向かって水の投擲槍を解き放った。その投擲槍はぐんぐん加速していき、フォレストウルフに迫っていった。


「ぎゃうん!!」


 フォレストウルフも魔法に気が付いたが時遅く、直撃を受けてその場で絶命した…

 胴体の後ろ半分を失って。


 ジョシュアは一体倒されたのを確認し、戦場へと飛び出していった。


「今度は僕の番だ!!」


「【エリアルステップ】!!」


 スキルを発動したジョシュアは、縦横斜めと縦横無尽に飛び回った。周辺の木々も利用しており、まさに立体起動といったところだ。


「【ラッシュ】!!」


 さらに、そこに連続の斬撃を加えていく。

 フォレストウルフは最初こそ回避を行っていたか、徐々にその回数が減っていき。次第に切り傷を増やしていく。

 ジョシュアはとどめとばかりに最後の一太刀を放った。


「【スラッシュ】!!」


 その一閃はフォレストウルフの首元をとらえ、胴体との永遠の別れとなった。


「よし!!うまくいった!!」


 ジョシュアは会心の出来に大きくガッツポーズをとるのだった。


「兄さんいつの間にそこまでできるようになったの?!」


 レイアスは、ジョシュアの動きに目を見張っていた。その動きは、ジョシュアが訓練の時見ていた動きとは一線を画していたからだ。


「ここにくるまえに隠れて練習してた。師匠にはばれてたみたいで、きちんと休むように怒られたけどね。」

「そりゃ怒られるよ…」


 ジョシュアはバツが悪そうな顔で、レイアスに告白したのだった。

 レイアスの表情は少し呆れていた。


「レイアスだって、夜な夜な魔法練習してたでしょ?」

「うっ………」


 ジョシュアも反撃とばかりにレイアスの秘密特訓をばらしたのだった。


「「あはははっ」」

「お相子だね。」

「そうだね兄さん。」


 二人はひとしきり笑いあうと、フォレストウルフの亡骸を確認した。


「あ、フォレストウルフが消えていく…」

「魔石と…爪と牙?」


 次第にフォレストウルフの亡骸が消えていき、魔石と爪と牙がその場に残されていた。


「レイアス、とりあえず回収して水と食料確保にしよう。」

「だね。」

ここまでお読みいただきありがとうございます。


意味深な熊さん…


って、熊さんがメインの回じゃないですよ?


ちゃんとリベンジマッチをやり遂げた二人は、少しずつ成長を遂げているようです。

このまままっすぐに成長していってくれるといいんですが…


誤字脱字等ございましたら教えていただけると幸いです


では、次回をお楽しみください。

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