第7話 賢者は森で修行する 一日目①
レイアス達はガーランド達のもと、日々修行に明け暮れた。
空いた時間で、貴族としてのマナー練習や、読み書き算数等の座学の授業も行っていた。
正直、子供として正しい成長とは言えないのではないか?とさえ思える生活だった。
そんな二人も、8歳の誕生日を迎えた。
修行を開始してすでに3年が経過していた。
修行の成果もあってか、レイアスはたくましい体つきになっていた。8歳なのに…
そして二人は、師匠達とともに近くの森に来ていた。
この森は動物のほか、魔獣や魔物も生息する領域であった。
その森は【愚者の森】と呼ばれている。理由は、無鉄砲な初級冒険者が、無理な探索を行い命を落とすことが多々あるからだ。
しかし、生息する魔獣・魔物もきちんと対策をとれば命を落とすことは無い程度の強さではある。
その森にきている二人は、ここで何をするかを教えられずに来ていた。
そして一行は、森の入り口へとたどり着いたのだった。
「よし二人とも、お疲れ様。いったん荷物を降ろしてくれ。」
ガーランドの掛け声とともに一行は背負っていた荷物を降ろした。
「つ、疲れた~。」
レイアスはかなり疲れているようで背負っていた荷物を乱雑に地面へ下した。
「レイアス、荷物を適当に投げちゃだめだよ。」
ジョシュアはレイアスを諫めながら荷物をそっと下した。
「でもさ、野営できる装備ってすごく重いんだね。」
「うん、僕も思った。」
二人はここまでの移動を思い出しながら、その場にへたり込んで体をほぐしていた。
「はっはっはっ。これくらいでばてていては冒険者なんぞ務まらないぞ?」
ガーランドは豪快に笑い飛ばし、その目は笑ってはいなかった。
「ガーランド師匠…僕らはまだ8歳なんですが…」
「気にするな。」
ガーランドはあっけらかんと、ジョシュアの話も笑い流したのだった。
二人が落ち着いたのを見計らったガーランドは今回の目的を説明した。
「では、改めて今回の目的を説明する。」
レイアスは、ごくりとつばを飲み込んだ。緊張のあまりのどがカラカラだった。ジョシュアもまた緊張からか手に汗を握っていた。
「この森で二人で6泊7日のサバイバルキャンプをしてもらう!!」
「え?」
「師匠…2泊3日って聞いてましたが…」
二人はガーランドの驚愕の発言に驚き困惑の色を浮かべていた。
「そりゃウソだ。」
ガーランドは全く悪びれる様子もなく否定した。
「それと持ち物だが…ほれ二人とも受け取れ。」
ガーランドは困惑する二人に、鞄を投げてよこした。
「これは?」
渡された鞄をつかみ、ジョシュアはガーランドに質問をした。
「今回のサバイバルで持ち込める物はそれだけだ。」
「ちょ、師匠無茶ぶりすぎるよ?!」
ガーランドの答えに、レイアスは抗議の声をことのほか真剣に上げた。
「なに、問題ない。それだけあれば生き残れる。あ、装備品は付けて行っていいが、食料等はこちらで預かる。持ち込めるのはその鞄と武器・防具のみだ。」
「いやいやいやいや、無理だから。」
「セシリー師匠もなんで止めてくれないんですか?!」
ガーランドの宣告に二人はセシリーに助けを求めた。それはもう必死の形相だった。
「ごめんなさいね。すでにマルコ様の許可をもらってあるの。諦めて。」
「「父上のばかやろ~~~~~~~~!!」」
セシリーは二人からの抗議を少し困ったような顔で断った。
セシリーから告げられた真実に二人は絶叫した。そして二人は帰ったら口をきいてやらないと心で誓ったのだった。
「じゃあ、準備が終わり次第今回のスタート地点へ向かうぞ。」
「「はい…」」
すでに決定事項であることを悟った二人はうなだれたまま移動したのだった。
「よしついた。ここがスタート地点だ。」
「「し、師匠…ものすごく薄気味悪いんですが…」」
ほどなくして四人は森の奥深くまで移動していた。
森の様子も入り口付近に比べて鬱蒼と木々が生い茂り、視界もかなり悪い。
この状態で襲われたら対処が遅れる可能性もあるほどだった。
「大丈夫だ、ここら一帯はゴブリンがフォレストウルフくらいしか魔物・魔獣は出ない。それに、出たとしても熊かイノシシ。運良けりゃ兎とかか。とりあえず肉には困らないはずだ。解体方法も教えてあるから問題ないだろ?」
「野菜類も同じね。あらかた食べられる野草とかも教えてあるし、逆の毒草もわかるわよね?」
「「はい…」」
二人から告げられた修行の意味を理解した二人は、再度うなだれるのだった。
「師匠…今までの座学とかってこれの為だったんですか…?」
「もちろんだ!!それにな、初級冒険者はこの森が主戦場だ。冒険者を目指すなら臆するな!!」
「「はい!!」」
ジョシュアは確認の為ガーランドへ質問してみた。
ガーランドは冒険者の心得を享受し、二人を奮い立たせた。
ガーランドの激励に二人の目には魂が宿った…ような気がした。
「いい返事だ。アイテムバックにはコンパスも入っている。最悪そのコンパスをたたき割れば森の外にいる俺たちに救難信号が届き、場所もわかるようになっている。だから安心してサバイバルしてこい。」
ガーランドは最後に二人に救助要請の出し方を説明し、締めくくった。
「では二人とも準備はいいか?」
「「はい」」
「よし、7日後にまた会おう!!」
「「はい!!」」
ガーランドの掛け声に二人は気合を入れなおしたのだった。
こうして二人だけのサバイバルが始まった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
師匠に騙された二人はこれからサバイバルの開始です。
どんな困難が待ち受けるのか…
作者も現在ノープランです!!
プラン決め手も…キャラが勝手に動き出して全部台無しにするんですよ( ;∀;)
誤字脱字等ございましたら教えていただけると幸いです
では、次回をお楽しみください。




