表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
28/103

第5話 賢者は常識を知る③

 黒板にはリインガイア大陸の簡単な地図が書かれていた。大きな円状の中央に丸が書いてあり、そこからバツを書くように四方を区切っていた。北側にメデス王国。東側に飛鳥の国。南にアルメデシア聖皇国。西にドンデルシア騎士王国。その中央にダイダルシア帝国。5つの国の名前が書き加えられていた。


「この大陸がリインガイアってことはわかるわよね?で、今住んでる場所はリインガイア大陸北部のメデス王国。この国の北部を統括しているのがガレウス辺境伯領。その辺境伯領の北に位置するのが、今あなたたちが住んでいるレガスティア騎士爵領。まあ、大陸の北の北ってとこかしら。ここまではいい?」


 黒板の地図を使い、大まかな位置関係を説明していくセシリー。


「じゃあ、メデス王国の成り立ちを説明するわね。」


 セシリーは黒板に書き加えながら説明を続けていく。


「まず、建国は今から約1500年前まで遡るわ。当時のリインガイア大陸は純人族主義のダイダルシア帝国が統一国家として栄えていたの。初代国王となるレリウス・メデス…当時は、一辺境伯騎士団団長ね…はその思想に嫌気がさし、主である辺境伯を弾劾。そのまま義勇軍とともに独立戦争を始めたの。」


 まずはこの国の起こりについて説明を始めた。


「初代国王ってとても優れた人だったんですか?」

「そうね。そう歴史書には記されてるわ。文武両道にすぐれ、全ての民草に自愛を与える…。といっても、歴史書なんて美化されまくってるから、本当は理想だけが高い人だったかもしれないわね。」


 ジョシュアの問いに、セシリーは冗談交じりに応え少し場の空気を和ませた。セシリーは改めて国の歴史について説明を始めた。


「話を戻すけど、5年にもわたる独立戦争ののち、独立を勝ち取ったレリウス・メデスは初代国王として、メデス王国を樹立。現在1500年にわたって北部を統治しているの。」

「1500年ですか…すごいですね。」


 ジョシュアはセシリーの説明を食い入るように聞いていると、隣からは若干睡魔に襲われ始めたレイアスの気配が感じられた。ジョシュアは呆れながらレイアスの脇腹をつついて起こしたのだった。


「そんな、メデス王国にすごい人物が現れたのよ。今から15年ほど前になるかしら、私もまだ子供だったんだけど、王都の近くの上級ダンジョンでモンスター・パニックが発生したの。戦死者は3000人を超えたそうよ。」


 少し興奮気味に語り始めたセシリーの目はキラキラと輝いていた。それは、英雄でも見ているかの如く希望に満ちていた。


「ちなみに、ガーランドも制圧戦に参戦していたんだって。で、その制圧戦を指揮していたのが、当時王国騎士団副団長だったあなたたちの父君、マルコ様よ!!。」


 セシリーはビシッっと音を立てるがごとく指をレイアスの額に当てて、はじいて見せた。あまりの痛さに額を抑えるレイアスを尻目に、ジョシュアは笑いをこらえるのに必死だった。そんなジョシュアを横目で見ていたレイアスの瞳は涙目であった。


「その指揮は圧巻で、湧き出すモンスターの封じ込めに成功。あとは冒険者と騎士団で協力して減らしていくって段階だったんだけど…。」


 コホンと一度咳ばらいをして説明を続けた。しかしその顔は若干起こり気味であることがうかがえる。


「どこぞのお貴族様が、手柄欲しさに特攻。それを止めるためマルコ様の部下だった騎士が慌てて追いかけて、モンスターからお貴族様を守ったの。でもその騎士は体に重傷を負ってしまいお貴族様を逃がすので精いっぱい。あわや殺害されると誰しもが思ったそうよ。でもマルコ様が寸前で攻撃を防いでその部下も守ったそうよ。」


 セシリーの表情は希望と無念が入り混じったそんな表情であった。


「その時、左足に傷を負って退役を余儀なくされたの。そして、モンスター・パニックの制圧・お貴族様救出・部下の救出などの功績により退役後、この領をまかされたって歴史ね。すごいでしょ?あなたたちの父君は。」

「父上が…。さすがです。」


 セシリーからこの領の成り立ちを知らされたジョシュアは、マルコに尊敬の念を抱いた。自分もいつかマルコのようになりたいとそう心に誓ったのだった。


「兄さん…父上ってすごい人だったんだね…。」

「そうね。とてもすごい人なのよ。」


 レイアスも父の偉大さに気が付き、評価を改めたのだった。二人の感想を聞いたセシリーはとてもうれしく思ったのだった。

 パンッ!!っと一度手を打ったセシリーは二人に休憩を告げる。


「では、いったん休憩にしましょう。休憩後はお待ちかねの魔術の授業よ。」

「やった~~~~~!!」

「レイアス…」


 魔術の授業だと聞かされたレイアスは、先ほどのしんみりした空気を一瞬にして崩壊させ、飛び上がって大喜び。それを見たジョシュアはやはり呆れ顔であった。

最後までお読みいただきありがとうございます。


誤字脱字等ございましたら教えていただけると幸いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ