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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
25/103

第4話 賢者は5歳の誕生日を迎える④

  楽しかった晩食も終わり、いつもより二人ともテンションが高かった。今も先ほど食べた晩食や、みんなの笑顔を思い出し少しにやついてしまう。

 二人は食堂を後にし部屋まで移動した。


「おやすみなさい兄さん。」

「お休みレイアス。明日こそきちんと自分で起きてね?」

「あはは…」


 ジョシュアはそんな興奮冷めやらないレイアスを見て、明日も起こしに行こうと心に誓っていた。それを知ってか知らずか、レイアスは苦笑いを浮かべるだけだった。


 ジョシュアと別れ部屋に入ると、レイアスの雰囲気に若干の変化が見られた。行動も子供らしさが抜けたように見える。


「ふぅ。疲れた…。さすがに子供のふりをするのはめんどくさいね。」


 一息つくとベットに腰掛、パジャマへの着替えを始めた。


「昨日までは魔法学基礎理論を読み終えたから、今日からは薬学基礎理論を読み始めよう。」


 本棚には絵本が所狭しと並べられていた。勇者の冒険譚に賢者の物語。王子と姫の恋物語。内容は多岐にわたり、さながら図書館の一角を思わせるほどだった。

 そんな本棚の裏にレイアスは手を伸ばし一冊の本を取り出し読み始めた。


「それにしても、こっちの知識は地球とは大違いだ。応用できることもあるけど、魔力とか魔素とかのせいで、飛んでも理論でも成り立っちゃってるのがすごいよね。」


 零のころの記憶と、今学んでいる世界の知識。二つの違いに驚きを隠せずにいた。学べば学ぶほど、魔力・魔素がこの世に与えている事の大きさが浮き彫りとなっていく。レイアスからすればそれは違和感があるが、この世界の人々からすればそれは当たり前の事実であった。そう、レイアスが異端なのである。


 読み始めて数十分後、レイアスは本から目を離ししばし休憩した。窓に目をやると、外はすでに漆黒の闇に包まれていた。それでも、レイアスは本を読むのをやめなかった。


「時間も限られてるし、サクサク読んでいこうかな…あ、明日は早く起きないとまた怒られるな」


 このまま読み続けるか一瞬迷ったが、結局知識欲が勝り、そのまま読み続けるのだった。 月明かりのもとレイアスは、知識の渦におぼれていくのであった。

 翌日、案の定レイアスは朝に起きられず、ジョシュアに起こされ、マルコに怒られたのはご愛敬である。



最後までお読みいただきありがとうございます。


誤字脱字等ございましたら教えていただけると幸いです

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