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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
24/103

第4話 賢者は5歳の誕生日を迎える③

 晩食は二人の誕生日会となった。

 この日ばかりは使用人たちも一緒となって食事をとった。いつもとは違い豪華な食材が並んでいた。当然、ジョシュアとレイアスが好きなものばかりだ。中には二人が苦手としている食材も並んでいたが、それでも二人に食べてもらいたいと創意工夫が凝らされていた。晩食は立食形式を取り、使用人たちもかわるがわる食事をしつつ、二人に祝いの言葉をかける。二人はこういう時間が何より楽しかったし、うれしかった。


「改めて、誕生日おめでとう二人とも。」


 楽し気に食事を楽しんでいた二人にマルコは祝いの言葉をかける。


「ありがとう父上。」

「ありがとうございます。」


 マルコの祝いの言葉に二人も礼をし頭を下げる。


「本当に早いものね。あっという間に5年がたってしまったわね。」


 ティリアは今までの事に思いを馳せながら感慨深い思いでいっぱいだった。


「二人にはプレゼントを用意したよ。リンド準備を」

「かしこまりました、旦那様。」


 マルコは執事長のリンドにプレゼントの用意をさせた。

 リンドはこの家の執事長で白髪のナイスミドルという男性だ。歳は50代らしくとても落ち着いた雰囲気を醸し出している。ジョシュアはリンドのような落ち着いた男性になりたいとひそかに思っているのは内緒である。

 リンドは奥の部屋から台車を押して出てきた。そこには数個の箱が並んでいた。それはとてもきれいな箱で、いかにも高価なものが中にあると思わせるのに十分な化粧箱だった。

 マルコは二人に箱を開けさせた。中からは二振りのショートソードと、二本の杖が出てきた。


「二人にはショートソードと魔法の杖だ。どちらも我が家の家紋が施されている。二人の身分証の代わりにもなるから、無くさないように。いいね?」

「「はい!!」」


 それは、とても美しく、煌びやかで、それでいて重厚感のある落ち着いた雰囲気のある物だった。二人は贈り物に目を奪われるも、マルコからの言葉に元気よく答えたのだった。


「それともう一つは練習用のショートソードと杖だ。これは来週から始まる稽古に使用しなさい。」


 ティリアはもう一つの箱を二人に手渡し、注意を促した。しかし、二人はもう上の空だった。そんな二人を見たティリアはマルコを睨み、手を額に当てて頭を横に振っていた。


「ほんとうに大丈夫かしら。心配だわぁ。」


 ため息を漏らし、二人の今後が本当に心配でならないティリアであった。



最後までお読みいただきありがとうございます。


誤字脱字等ございましたら教えていただけると幸いです

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