第3話 賢者は0歳児になる①
時は数十年遡る。
物語の舞台はリインガイア大陸北部のメデス王国。人口は1000人ほどで特筆したる事が特にない、そんな小さな領地であった。
その片田舎にある、とある騎士爵領に赤子が誕生した。
父の名はマルコ・フォン・レガスティア。母の名がティリア。
マルコはもとは王国騎士団副団長まで上り詰めた武人であった。現役時代、とある上級ダンジョンにて発生したモンスター・パニックの制圧作戦の指揮を行った。しかし、マルコはその戦いで部下の騎士を庇い左足に大きなケガを負い退役を余儀なくされた。その活躍により、国王陛下よりこの領地を賜り、第二の人生を送っていた。
ティリアはマルコが騎士団副団長であることを誇りに思っていたもののいつケガをするか気が気ではなかった。左足の負傷により退役を余儀なくされたことについては、ほっと胸をなでおろしたのはマルコに内緒にしていた。
そんな二人についに跡取りができた。
双子の兄弟で兄は銀髪のそれは美しい髪色の男の子。弟は何もかも吸い込むような漆黒のつやのある黒髪の男の子。
二人は分け隔てなく二人を愛し、慈しみ、育てる決意をしたのである。
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(ここは?)
天澤零〈あまざわれい〉は周りを見渡すが、見覚えの無い景色が広がっていた。どうやら屋敷のような一室で日本とは異なる造りをしていた。造りとしては中世ヨーロッパを思わせる。
そして零の周りを囲むように複数の人達が笑顔で覗き込んできた。
(こいつらでかくないか?)
零は身長175センチ、体重80キロと、決して小さいわけではなかった。それに比べても、今周囲に居る人達はその倍以上の大きさに推定される。
(なんか言ってるけど全くわからない…)
しかも、言葉が通じないのか、くぐもってよく聞こえないし、言語も理解できずにいた。
(にしても、この人たち美男美女揃いなんだよな…)
はっきりとは見えないものの、よく見るとそこには若い男女が数名おり、こちらを覗き込んでいた。
(だめだわからない。考えようにも頭が回らない。とりあえネムイ…おやす…すや〜。)
零は突然の睡魔に襲われそのまま意識を手放した。
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