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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
学院編
102/103

第15話 賢者は武術大会で無双できない③

「なぁ、ジョシュア。ダニエルのやつ動きがおかしくなかったか?決められるはずの剣筋が途中で止まったりしていたぞ?」

「僕も思いました。明らかにおかしいです。しかも本人が意図していない感じで止まっているようでした。」


 観客席で観戦していたパトリックとジョシュアは違和感を覚えた。始めははっきりしたものでもなく、何となくいう状態だった。しかし、終わりに近づくにつれ、動きに精彩を欠きだしていったのが根拠となり、確信へと変わっていった。明らかに異常があると。


「ダニエル…。やっぱりか…。」


 レイアスははっきりと確信した。うすうすは気が付いていた。魔力・魔素の乱れた続いていたからだ。誰よりもその二つを重視するレイアスだから気が付けたというわけだ。


「派手にやられたな、ダニエル。」

「そう…だね…。」


 ダニエルは何とか回復し三人の元へ帰ってきた。しかし、この後の試合にも支障が出かねないほどのダメージを負っていたのは間違いない。


「ダニエル、ちょっといい?」

「どうしたのレイアス?」

「こっちに。」


 ダニエルの状態を見て確信に至ったレイアスは、ダニエルを人気のない場所へ呼び出した。この件について、誰かに聞かれるわけにはいかなかったからだ。


「ねぇ、ダニエル。君、封印の魔術をかけられているでしょ?たぶんだけど、王族に対して攻撃ができないとか。」

「っ!!」


 ダニエルの反応を見て、レイアスの考えが間違っていないことが証明された。

 だが、それはレイアスとしては納得のいかないものでもあった。


「そっか、だからおかしかったんだね、さっきの試合。明らかにいつものダニエルの動きじゃなかった。」


 レイアスはそういうと悔しさを顔に滲ませていた。


「さすがレイアス。たぶん二人にも気づかれたと思うけど、封印までばれるとは思わなかったよ。いつ気が付いたの?」

「試合の最後の辺り。あまりにもおかしいから、魔法で探った。そしたら、ダニエルの体から魔法・魔術の妨害を受けた。で、ムカついたから解析したら、封印の魔方陣が刻まれてるのが見えたってわけ。」


 ダニエルも、制約についてはばれるであろうとは予想していた。まさか封印についてばれるとは予想だにしていなかったのだ。

 レイアスはダニエルに気が付いた経緯を説明した。そして自分の知識欲を邪魔されたのが原因で答に行きついたことを伝えたのだった。


「この術式を解析したの?君はやっぱり規格外だね。普通の人間には解析不可能なレベルで妨害がかけられているはずなんだけどね。」


 ダニエルはさすがはレイアスだと感心してしまった。宮廷魔術師ですらこの封印の解析などできはしないのだから。古代から続く魔道具の封印なのである。

 レイアスの手には血がにじみ出ていた。自分の事ではない、ただの友人の事に対する怒りにしては恐ろしいほどである。

 レイアスはダニエルに事の真相を確かめた。それはしなくてもいいかもしれない。それでも聞かなくてはならないと感じたのである。


「封印の理由は跡目争いってところかな?もしくは、誰かの陰謀…」

「跡目争いが正解。僕が小さかった時、母に有らぬ疑惑がかけられた。国王陛下の毒殺未遂。母がそんなことをするはずはなかった。でも、誰も信じてはくれなかった。国王陛下も母がそんなことをするはずはないとは思っていたみたいだったけど、それでも罰せざる得なかった。母は今、王城の塔の上で幽閉されている。私は子爵家へ養子という形で降家。そして、王族への反乱の抑制という名目で封印を施されたってわけだよ。」


 ダニエルは肩をすくめながら何でもないように説明をした。

 レイアスからしたら、それですら心を乱すのには十分すぎる事柄である。さらに先ほどの試合。戦えないとわかっていて、それでもいたぶる様に攻撃を仕掛けたルドルフに対する怒りがこみあげてくるのだ。


「そっか………。じゃあさ、その封印解けるとしたらどうするの?」

「解けるのかい?………。いや、このままでいるよ。きっと封印を解くのは織り込み済みな気がする。そして、解いたら解いたで反乱の兆しありとして処分にかかってくる。だから今はこのままでいるよ。」


 レイアスは怒りを何とか抑え込み、顔を上げてダニエルを見据えた。意を決して、ダニエルに問いかけたのだった。

 ダニエルは封印解除といわれて内心喜んだ。しかし今動くべきではないとも思っている。結局のところ、様子見するしかないのである。ダニエル自身の立場の弱さが出てしまっていた。


「わかった。じゃあ、必要な時は僕を頼って。僕はダニエルの見方だから。むしろ、僕の後ろ盾としてしっかりしてもらわないと僕が困る。」

「ははっ!!君らしいね。じゃあ、その時は頼りにさせてもらうよ。」


 レイアスもこの件については無理にかかわるべきではないと判断した。最後は冗談交じりで答、場を緩くしたのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。


レイアス君は時々子供とは思えない発言をしますね…

まあ、

見た目は子供、頭脳はそれなり!!

の作者が描いてる子供ですからね。

ちゃんと子供演じてくれよ、まじで。


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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