第15話 賢者は武術大会で無双できない①
レイアスとジョシュアの学院生活は、順調に過ぎていった。
レイアスは訓練場の制限があるにもかかわらず、制限ぎりぎりを責めることに、神経を注いでいた。そのせいもあってか、魔法・魔術の制御力が格段に向上し、今ではクラスメートと同等の威力で行使することもできるようになってきた。
ジョシュアは相変わらずであった。そう、ジョシュア親衛隊である。なぜか、中等部にまで進出してきたのだった。しかも、本部は初等部…。そんなこんなで、ジョシュアが行動するたびに黄色い声援が聞こえてくるのだった。
そのたびにレイアスの呪詛を帯びた声がこだましていた。そして、男子生徒に慰められることが恒例となっていた。
そんなある日のこと。レイアスはダニエルと一緒に食堂で朝食を取っていると、パトリックが話しかけてきた。
「おはよう二人とも。再来週にある武術大会だが調子はどうだ?」
「おはようパトリック。私は大剣での出場だね。パトリックはいつも通りの大剣かい?」
ダニエルはパトリックの問いに答え、テーブルを少し片づけた。
パトリックも、空いた場所にトレーを下ろすと席についた。
少し遅れてきたジョシュアも、レイアスの隣に腰を下ろした。
意外なことにパトリックは大剣を得意としており、中等部トップクラスの大剣使いらしい。
食事を取りながらダニエルの問いに答えていくパトリックだった。
「あぁ、その予定だ。レイアスとジョシュアはどうするだ?」
「僕はレイアスと一緒で剣での出場予定です。」
「兄さん…、僕が出ても意味あると思う?」
パトリックからの質問に少し考えてから答えたジョシュアは、レイアスを指差しながらその問いに答えた。
パトリックもジョシュアの剣技を見ているため、さほど驚きはなかった。レイアスも十分に高い技量があるにもかかわらず、比較対象がジョシュアなため自己評価はかなり低かった。
レイアスは自分は出るつもりはないと思っていた。
「レイアス聞いてなかったの?生徒全員参加だよ?」
ジョシュアはレイアスがやはり聞き流していたことを確信した。あれだけ担任が言っていたのにもかかわらずである。
「さすがレイアスだな。ダニエル、こいつの頭には魔法・魔術以外何か入っているのか?」
「う~ん、難しいところだね。ジョシュアはどう思う?」
「あとは、錬金術と薬学と魔法科学くらいですよ?」
「ひどいよ…」
「「「はははははっ」」」
パトリックの皮肉にのっかる二人を見て、レイアスはさらに落ち込んだのだった。
食堂には朝から三人の笑い声が響いたのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
レイアス達楽しそうですね。
そして…ジョシュア親衛隊おそるべし…
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では、次回をお楽しみください。
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