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その後輩、変態につきご用心  作者: ピピサビ


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3/7

濡れるのは許してくれない第三話

ある日の放課後。

 美術室に差し込む光が急に暗くなり、窓を何かが激しく叩く音が聞こえ始めた。

 「先輩、雨ですよ」

雫がキャンバスから顔を上げて言った。

 「っえ、ほんとだ。夕立かな?」

和葉が窓に近づきながら呟く。

 「みたいですね。どうしよう、今日傘ないんですよね」

 「私もないけど……これぐらいなら突っ切れるかな」

 「いやいや、駄目ですよ」

雫が即座に首を横に振った。

「下着透けちゃいますよ。今日の先輩、黒で透けやすいんですから」

 「……いや、待て。何で知ってるんだよ!?」

 「そんなのどうだって良いじゃありませんか」

雫はにこにこと笑いながら近づいてくる。

「どうでも良くないだろ! しかも、いつもスカート捲って見てるんだから、透けたところ雫は困らないだろ」

「いやいや、見せたいんですか?変態さんですね先輩」少し哀れんだ顔で雫は答えた。

「また訳のわから無いことを言う口はこれかな?」

 和葉は雫の頬を軽く抓った。

「わぁ痛い! ひどい、こんな乙女の頬を抓るなんて、先輩」

「誰が乙女だって?」

「あら、目の前にいるじゃ無いですか? 」

雫は続けて言う。 

「それに風邪引かれたら看病しに行かなきゃいけなくなりますよ?

 あー、面倒くさいなぁ……あっ、でも先輩の看病、別に嫌じゃないかも。うふふ」

 「良くないでしょ! 何でお前に看病されなきゃいけないんだよ!」

 「だって先輩が熱出してふらふらになったら、私がベッドまでお姫様抱っこして、額に冷たいタオル載せて、耳元で『大丈夫ですよ〜雫がずっとついてますから』って囁いて……朝まで看病してあげられますよ?」

 「いらん!! そんな看病いらん!!」

 「えー、先輩が『雫ちゃん……ありがとう……』って弱々しく言う姿、想像しただけで最高じゃないですか……」

 「想像するな!!」

 薫が遠くからため息をついた。

「もう完全に楽しんでるよね、雫ちゃん」

「和葉先輩の困り顔が大好きなんですね……」と泉希も同意する。

部長が定規を片手にため息をつきながら言った。

「……お前たち、今日はもう終わりの時間だ。帰る時間だが、雨が弱まるまで待ってていいからな」

 部長が出て行った瞬間、雫が和葉の後ろからぎゅっと抱きついた。「待ってて良いそうですよ、先輩。今日の部長さんは優しいですね」そう言いながら抱きつく雫

「もぉ、熱い! 離れろってば!」

「離れません。

 先輩が風邪を引いたら……本気で朝まで看病しに行きますからね?」

 外の雨音が激しくなる中、和葉は暴れながらも完全に逃げ切れずにいた。

 (……まあ、雫がこんなにベタベタしてくるの、嫌いじゃないけど……って、ちょっと待て私!) もちろん、そんな本音は絶対に口には出さない。


お読みくださりありがとうございました。

感想等頂けたらモチベーションアップになりますので、是非ともよろしくお願いします。

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