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その後輩、変態につきご用心  作者: ピピサビ


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2/8

隠すのは逆効果な第二話

 部活前の二年生の教室。

 和葉は大きくため息をつきながら、薫に愚痴をこぼしていた。

「はぁ……あの子どうにかならないかなぁ」

「あの子って、もちろん雫ちゃんのことだよね?」

「うん……もう毎日毎日スカートめくられて、堪忍袋の緒が切れそう」

 「辞めて欲しいの? あんた、いつも嬉しそうじゃん」

「薫までそれ言うの!? 薫も毎日のようにパンツ見られてみなよ!」

 「遠慮しておきますわ」

 薫はお嬢様口調でスカートを軽く押さえながら笑う。

「そんなに嫌なら、スパッツでも履けばいいのに」

「それだ!! 薫天才!!」


  ——そして翌日。

 和葉は意気揚々と美術室に入った。

 スカートの下には、昨日買ったばかりの黒いスパッツが完璧に装着されている。

 鉄壁の防御だ。

 「ふふん……これでもう雫の好き勝手は終わり!」 しかし、いつものように後ろから忍び寄る気配。

 「今日のラッキーカラーは……」

 勢いよくスカートがめくられる。

 雫の動きがピタリと止まった。

 「……な、な、な、何ですかこれは!?

 先輩、卑怯です! 裏切りです!!」

 雫が本気でショックを受けた顔をする。

 和葉は勝ち誇ったように胸を張った。

 「どうだ! これで無駄だって分かっただろ!

 今日から私のスカートは安全地帯——」

 その瞬間、雫が後ろからぎゅっと抱きついてきた。

 そして両手を前に回し、スパッツの上から太ももをゆっくり撫で始める。

 「え、ちょ、雫!?」

 「スパッツ越しでも、先輩の温もりはちゃんと伝わってきますよ〜。

 むしろ密着感が増して……これはこれで悪くないかも♡」

 「悪くないかも、じゃない!! 離れろってば!!」

 和葉が暴れるが、雫は離れない。

 むしろ頰をすり寄せて甘えるように言う。

 「先輩が私のことそんなに意識して対策までしてくれたんですね……嬉しいです。

 スカートでもスパッツでも、制服の上からでも……先輩の全部が大好きです」

 和葉の耳が真っ赤に染まる。

 「バ、バカ……!」

 結局その日も、部長に怒られて掃除当番が追加された。

 掃除中、雫は相変わらず和葉に抱きついたままモップを動かしている。

「あれ?もうスパッツやめたんですか?」

「あれ、やられる位なら見られた方がまだマシよ」

「ふーん、そうですか。案外隠れているのもミステリアスで可愛いかったですけどね。」

「はい、はい、ありがとうね」

「ほんと、照れ隠しが上手ですよね、先輩は」

「……もう、離れろって」

そう言いながらも、和葉は結局その場から逃げなかった。

 後ろの方で薫が泉希に小声で囁く。

「スパッツ、完全失敗だね」

「むしろ逆効果になってる気がします……」夕陽が差し込む美術室に、今日も賑やかな声が響いていた。

和葉は心の中で小さく思った。(……まあ、雫と二人で掃除ってのも、嫌いじゃないけどさ)

もちろん、そんな本音は絶対に口には出さない。



お読みくださり、ありがとうございました。

感想等頂けたらモチベーションアップにつながりますので、是非ともよろしくお願いします。

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