いざ、出陣
「そんなことが、500年後にはおきてんのか…」
ことばにならないな。凄すぎて。
「政宗様、理解してるような感じだしてますけど理解できてないですよね?」
「1番、恥ずかしいやつで候」
「うっせーな、まず重力すら分かんないんだよ。なんだよ、重力って」
「ちゃん利、理解できた?」
「分かんねーな。政宗と一緒だよ。重力すら分かんない」
「ほら、見ろ」
「まぁ、重力ってのは地球が引っ張る力のことやな。そこは、あんま気にせんでええよ」
よく、分からんな。地球ってなんだ?でも、気にしたら負けだと気付いてしまった。
「とりあえず、そっちの世界に行ってその反重力装置とやらをどうにかすればいいんだな?」
「ホンマに、アホやな。それやから、片目しかないんやで。なにが、独眼竜や。どこが、竜やねんwほんま、草生えるわ」
なんだ、こいつ。マジで殺してやろうか。この世界でムカつくのはなかなかいないぞ。
「俺だって独眼竜ってのは、勝手につけられたあだ名だかんな。そんなこと、言われてもな」
「おい、犬。いい加減にしねぇと殺すぞ」
「すまん、すまん。小十郎くんよ」
えらく、素直なやつだな。
「分かれば、いいんだよ。分かれば」
「政宗、君には謝っとらんで。なんで、そんな上からなん?大丈夫か?頭いってんちゃうか?ガハハハハハハハ!」
チャキッ!と音がする。嘘だろ。
「待て、小十郎」
と、言った時には遅かった。振り下ろされた刀は空を切っていた。犬がいないのだ。
なにやら、黒を基調にしたものの中に白やら黄色やらの輝く点がポツポツとあった。それは、そこにあるようでないような違和感を感じさせるようなものだ。
「なんだ、これは?ちゃん利、分かる?」
「分かるわけないだろ。なんでも、俺に聞くな」
たしかに。
黒い不気味なものから、犬がひょこっと顔を出した。
「理解できたか?」
「出来るわけねーだろ!!」
「さすが、独眼竜。ホンマ、草生えるわ」
「で、どういうこと?」
利家は、いつも冷静だな。憧れるわ。
「やから、俺が今新しく世界を作ったんや」
「おいおい、まさか…」
なにやら、利家は気付いたらしい。俺には何一つ、理解できないけど。
「ちゃん利、どういうこと?」
「だから、俺らのいる世界はすでにこの犬の世界なんだよ」
「さすが、利家やな。その通りやで」
現実に今、起きているこの現象。1番理解したくないことが起きているということか…
「おい、犬。じゃあ、もう元の地球には誰1人いないってことかよ?」
「おう、竜にしては冴えとるな。そのとうりや。だから、君たちをここに集めたのもわし。もっと言えば、君たちを作り出したのもわしやで」
この犬は、だからこんなに余裕があんのか。
「じゃあ、一体何すればいいで候?」
「なーに、簡単なことや。今から、高校生活を一緒に送って楽しもうやないかい」
「はぁ?高校?」
※全員で言ってます。
「そう、高校」
「なんだよ、それ?」
※全員で言ってます。
「今のわいたちの学びの場や。君たちにはわしが用意したイベントをこなしてってほしいんや。そんで、わしを楽しませてくれ」
「なんか、楽しそうだしいいぜ!なぁ、みんな」
「それは、戦はないのか?」
「殺し合いみたいなのはないで、大丈夫や」
利家は結構そういうの大事なんだな。
「そこには、まつはいるのか?」
「誰だ?まつって」
素朴な疑問だった。
「嫁だよ」
「なるほど」
なんか、聞いてはいけないような気がした。まぁ、ちょっと恥ずかしいような気もする。嫌な予感もする。なぜなら…
「独眼竜はそんなことも知らんのやな?ほんま、草生えるわ」
こうなるのを、理解してたから。
「あと、それに関してはお楽しみといこか。そっちのが、ドキドキするやろ?」
「たしかに…」
「独眼竜、お前には言ってないで。ホンマ、草生えるやっちゃな」
うぜぇぇぇぇぇ!!!
「おいこら、犬!あんま、調子のってっと殺すぞ」
「すまんかった。まぁ、そろそろ行きましょか?」
「おう!!」
※全員で言ってます。
「ほな、行こうか」
俺たちは、薄々気づいていた。これから、楽しいことばかりじゃないと…




