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第3話 ほのぼの?な日常

ほのぼの。前2話と書き方が変わってますが、ご容赦を。

 魔導人形(ドール)のカーラが宿屋のカウンターに座っている。ミミが楽しそうに息子夫婦を手伝っているのを眺めていると、ミミの孫のソーヤがくたびれた格好で帰ってきた。朝はきれいだった防具は汚れ、傷もついてる。

「ソーヤ、どうしたの?」

カーラが心配そうな声で聞くと、ソーヤは大きなため息をついた。

「一角ウサギと戦ったんだ。何とか倒せたんだけど、ほら、見てくれよコレ」

と、中ほどが欠けた剣をカーラに見せた。

「ケガはないの?」

「大きいのはない。けど、剣だよ、剣。明日からどうしよう······」

 ソーヤが頭を抱えたのを見て、カーラは下げていたバッグを逆さまにした。ゴトンと大きな重い音を立てて、カウンターに大剣が転がり出た。

「ほら、これあげるから」

ソーヤが反応する前に、近くにいたベテラン冒険者が目をむいて、

「おい、それ、”鮮血"のヴァイスの大剣じゃないか?!」

と大声を出した。カーラはその声にちょっと眉を顰めつつ、

「そうよ?もらったからバッグに入れてたの。この前ミミと整理したからバッグに何が入ってるかちゃんと分かるのよ」

カーラがやや胸を張って言った。

 ソーヤはベテラン冒険者とカーラの二人を交互に見ている。そして、ぽつりと言った。

「ヴァイスって誰?」

「っかぁ!最近の若いのは知らねぇのか!」

「そりゃあ、そうよ。ヴァイスは私より年上だもの」

と、いつの間にかミミがカーラの側に来ていた。ベテラン冒険者は何だかガックリと肩を落としている。

「カーラ。大剣と言うのは扱える人が限られた武器なのよ。ソーヤには難しいわ」

「そうなの?じゃあ、こっちならどう?」

 カーラが取り出したのは、カーラが持ったらちょうど良さそうな剣だった。

「カーラ、小さすぎるよ」

ソーヤが笑うと、

「大丈夫よ。ほら······あっ?!」

ガランッ!と音がして、床に剣が落ちた。剣はソーヤが持つのに良さそうなサイズになっていた。どうやらカーラが不用意に魔力を剣に流したせいらしい。

「―――古代遺物(アーティファクト)だとっ?!」

 ベテラン冒険者はあんぐり口を開けて呆然としている。

「······カーラ。それはソーヤには早すぎるわ。それに、一人前の冒険者なんだから、甘やかしてはダメよ?」

 ミミはさり気なく剣を拾い上げて、カーラのバッグに戻した。ソーヤはベテラン冒険者の言葉の意味をようやく理解したのか、

「カ、カーラ。俺、自分で何とかするから!心配させてごめん!」

と、そそくさと宿から出ていった。カーラはきょとんとした顔で、首をひねった。ミミは迫力のある笑顔でベテラン冒険者を別室に連れていき、”オハナシ”をしたのだった。



読んで頂き、ありがとうございます。


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