第四十一星 魔境の夜・漆
そもそも神々が何故現世に、人に見える形で姿を現せているかっているのは多分今後説明あると思うんですけど…少しだけ情報をば。
神々が姿を現世に現せている“鍵”となるのは“魔法”です。
…それはそれとして、今更なのですが神々の設定…特に前話で出た伊邪那美様が大地を破壊できるとかは当作での設定だということを覚えておいてください。
「……」
「「「「■■■■───」」」」
「めんどくさい…」
今私が相手にしているのは黒鬼。それも4体。複数出てくるのは流石にやめてくれないかなぁ…
「黒鬼だけの対応にしてくれてるだけまだいいのかな…っと」
明葉と道乃が黒鬼以外を全部相手にしてくれてるから多分まだ比較的楽なんだと思う。
ちなみに白鬼5、黒鬼5、青鬼5、黄鬼10、藍鬼10、紫鬼10という45体の鬼による鬼畜編成。これがあるから嫌なんだよ、“幽冥の参列”は……どこかを少なくすると必然的にどこかでその反動がくる…
私の方ではどうにか1体倒したとはいえ、黄鬼が補助し続けてる影響で元々硬いのがさらに硬いし、藍鬼が私を弱体化させてる影響で攻撃が上手く通らないし、紫鬼が私に呪いを飛ばし続けてるから全方位警戒しないといけないし…
でも、明葉と道乃が役立たずってわけじゃないんだよね……問題は前衛に青鬼を据えて壁にし、その後ろから補助で青鬼を強固にしてる黄鬼と白鬼。青鬼という物理的な壁、白鬼の使う術式的な壁が組み合わさって本当に面倒な状態になってる。
「……」
門の生成原因は基本的に溜まりに溜まった負の力。怨み、妬み、嫉み、怒り、悲しみ……そういったものが溜まり続けて鬼と門となる。最初の鬼を狩ることで門は開き、百鬼を狩ることで門は消える。負の力で生成されることが多いゆえに、鬼というのは負の力の集合体でもある。ここまで強力な鬼が複数現れるというのはこの世界が負の力に満ちているということでもあるのだろうけど。
「…その原因は。…どうせ、私なんだろうな…」
「「「「■■■■───!!!」」」」
「…っと……“砕・四重・四連”!!」
黒鬼の持つ“鬼の金棒”、そこに対して“砕”の術を四重掛けで四連撃。実際再生するからあまり意味はないけど一時的に武器を失わせることはできる。そのあとすぐに地面に対して風を叩きつけて跳躍。
「“鬼斬法・壱ノ強”、“首斬・鋭”!!」
氷咲で黒鬼の首に刃を振るう。それでもガキッっという音で刃が止まる。そこを狙ったように近づいてくる他の黒鬼の拳を避ける。
「ホントに硬ったいなぁ、もう!!」
一応この状態でも殲滅できそうな技はある……あるんだけど。…あれって使うとランや精霊達、楓さんに明葉、道乃を始めとして異世界の賢者達や世界樹の精霊様とか色々な人が心配してくるから使いたくないんだよね…何より今この場で使ったら絶対に伊邪那美様と天照様、月読様に呆れられながら怒られる。
「眩き冠よ、その身に宿す猛き焔を以て侵食の闇を焼き祓え!!───“裁定者の陽冠”!!」
空中で高速起動させた日属性Si Skillで黒鬼4匹纏めて焼く。これでも大したダメージが入ってないのがめんどくさい。これでも属性第三段階のSi Skillなんだよ、コレ…そしてこれ星素属性加圧でSkill威力最大まで上げてるんだよ…?
……ちょっと泣きそう。
「……はぁ。」
一度大地に降りてから───加速。道乃を抱えていた時よりも速く。
「───臨・兵・闘・者」
補助の気配。黒鬼も速くなるのを確認しつつ、最初の四字を切る。
「皆・陣・列」
次の三字。黒鬼の更なる加速を見て即座にギアを上げて跳躍、黒鬼の顔に回し蹴り。
「前」
“在”を飛ばして“前”。というか、九字にも色々種類があって私が今回使うのは───
「行!!」
原始の九字、“臨・兵・闘・者・皆・陣・列・前・行”。人によっては最も強力といわれるものだけど。…私が使ってもそこまでの力は発揮できないんだよね。ここにいる三人の中で九字は明葉が一番強く使える。安倍直系だからっていうのだけじゃなくて安倍晴明転生体だからね……
ともかく、それでさっきよりもダメージが蓄積した鬼がふらつく。これでもダメージ的には少ないんだから凹む。
「…はぁ……ん?」
私の探知に高速移動する動体反応が引っ掛かった。……この星素パターンって…あぁ
「───ふっ!!」
「■■■■───!?!?」
上空から降ってきた人影。その人影が花属性の光を纏いながら黒鬼の顔面に蹴りを叩きこんだ。その人影は背面飛びをして私の前に降り立った。
「大丈夫です?スティラさん。」
「…問題ないけど、大丈夫なの?」
「黄竜様に言われまして。四神の皆様へ任せてきましたわ。こちらの方が大変ですので、と。確かに大変な状況のようですわね。」
「…まぁ、正直辛かったから増援は助かるよ。ありがとね、アリアナ。」
空から降りてきたのはギルド本部でも会ったアリアナ。裏鬼門の方からここまで来てくれたらしい。
「困っているところに手を差し伸べずして何が友人ですの。とはいえ、黄竜様方に背中を押されなくては動けなかった時点でというのはありますが。…さて。わたくしと合わせられますわね、“星剣姫”?」
「少し久しぶりだけど問題ないよ、“災嵐妃”。」
「…それでは、片づけてしまいましょうか。」
アリアナがそう呟いたと同時に風が止まる。…正確には、アリアナを中心に風が動き始める。
“アリアナ・フィルシィ・プララーネ”。日本名を“秘飾魅 詠”。私と同じ貴族令嬢でありながら、その戦闘スタイルは戦脚を使った超高速格闘戦。木属性や天属性を始めとした風元素系統に優れ、彼女が本気で戦えばまるで嵐のようにみえることからついた異名が“災嵐妃”。また、別の異名を“凶刃の風神嬢”。
「───5時の鐘もなりましたし、行きますわよ」
「いつでもいけるよ」
その操る風の量、その攻撃速度、その移動速度。それらを見た者達からは彼女は単にこう呼ばれることもあるという。
あらゆる風を支配する神───“風神”、と。
なんかやっとアリアナちゃん出せた気がする…
忘れがちですがアリアナちゃんの方が年下です。(スティラちゃん=17歳 アリアナちゃん=15歳)
キャラ設定見れば分かりますけどアリアナちゃんは誕生日が来れば16歳なので1歳差です。




