第三十六星 魔境の夜・弐
投稿時刻ってどれくらいにしたらいいのか悩んでます。
執筆はともかく投稿は私の活動可能時間内でやってるのですけど読みやすい時間帯ってどのあたりなんでしょう…
『この者ども…うっとおしいわ!!』
四神達のいる門…通称四神門。その一つである、皇居桜田門に座する四神、朱雀が暴れているのが少し離れたここからでも見える。
「やっぱり苦戦してるみたいだね。」
「怨念蟲……多すぎて火の朱雀でも一発じゃ焼き払いきれないのよね。」
「アズマントみたいに火に弱いくせにアズマント・クラウドみたいな変化はしないからこまごまとしてて処理が面倒なんだよね、アレ。」
「アズマントもアズマントで大変だよ…」
「そもそも大量のアズマントは割と苦戦するわよ?」
「それを軽く狩ってるスティラがおかしい。」
そうなのかな…
「夜になるまでにギルドの方行ってきて聞いたけど、アズマントの巣だけじゃなくてアズマンティナの巣も1日で見つけて潰したんだって?なんていうかさ……」
「他の流れ星と次元が全く違うのよ、スティラは……Xランクの流れ星だからってそこまで次元が違うのはスティラとランくらいよ。」
そうかなぁ………でも
(…昔。たった一度だけ見た、お父さんの戦闘。…あれの方が、今の私の何倍も強かった。)
そんなことを思いながらも周辺に湧く怨念蟲を斬り祓っていく。誤字じゃないよ、実際に祓ってるし。
『む、おぉ!久しいな、スティラ!そして助太刀感謝するぞ、陰陽師の子孫達よ!』
「一掃するからみんなは熱さには気を付けてねー」
私がそう言うと明葉と道乃は“潤”の術を使って炎に対する防御結界を展開してた。朱雀は多分…大丈夫でしょ。
「サナ」
「はーい」
「───我が炎は妖の華、我が剣は火宿の導き。迷える霊を焼き、祓い、導く狼煙。導きの華よ、迷える魂を天へ還す道筋となれ。」
サナの精霊の力も併せて私が使う“氷咲”の別側面を起こす。ザニアでも説明したように、火元素の本質は熱。であれば氷咲が火元素の刀であるならば火を扱えない理由がない。…そもそも。私達“秘魅咲”…いや、“氷岬”は火元素に関わりの深い一族なのだから。…まぁ、平安時代とかの話だったんだけどね、それは。
「紅蓮火───彼岸花!!!」
私を───正確には氷咲を───中心に赤い花の混じった火旋風が巻き起こる。ちょっと火力が高すぎると思って調べてみたら星素を受けた氷咲が放つ火、サナが放つ精霊魔法の火炎、私が使った詠唱省略Si Skillの紅炎、朱雀の神炎、加具土命の神殺炎、プロメテウスの原初の火………それらが混じって非常に高い火力が周囲に放たれてる。建物への被害はないし、別にいいんだけどさ…
「……うん?」
……待って、今なんかおかしかったよね。日本神はともかくギリシャ神いなかった?さらっと入って来すぎてて違和感に気付くの遅れたんだけどさ。…明葉と道乃が消し炭になってないかが心配。あと朱雀もちょっと。神殺炎って神特攻の炎だからたとえ火元素の四神である朱雀でも…ね?そんなことを考えていたら炎が収まってきた。
『痛かったぞ、スティラよ!』
「まぁ死んではないよね。」
『酷ではないか!?少しは心配してくれても良いのではないか!!』
「だって朱雀だし。神殺炎程度で死ぬ存在じゃないでしょ?」
炎が収まってすぐに抗議してきたのが朱雀。見た目は真っ赤な大鷲。だけど、当然ながら普通の大きさじゃない。翼を閉じればその翼と身体の間に人間を5人くらい隠せるような大きさはしてる。
『む、むぅ…』
「明葉と道乃を守ってくれてありがとね。顔紅くなってるのはともかくとして。」
『我は何もしておらんぞ!?』
「あぁうん、高温に曝されたからだろうね。別に朱雀が何かしたとかは考えてないよ。」
氷咲で氷を出して、細かく砕く。
「“湿”───“纏”」
陰陽術を使って2人に冷気を纏わせる。熱中症みたいな一時的な体温の上昇由来だからこれで大丈夫。飲み物も持ってきてたから脱水症状対策も問題ない。
「さてと、2人が元に戻るまでに……どんな状況?」
『む、他の四神も我とあまり変わらぬな。だが青龍は別だ、あやつの所には鬼が現れたらしい。』
「…鬼か」
『うむ。…まぁ、青龍の座する場所、坂下門は少々特殊故な…』
朱雀の言葉に苦笑いで返す。坂下門…正確には狂界外の坂下門には、異世界に通じる扉が設置されている。これは今上天皇の部屋にあった異世界への扉を星の賢者が疑似的に移動させたもので、実は本物ではない。
『それと、半蔵門に座する白虎の場所は問題ないようだ。風の秘者、“日風見”の娘がいるそうだからな。スティラの知り合いではなかったか?詠という娘は。』
「…アリアナも来てるんだ。」
詠っていうのはアリアナの日本名。私と同じでアリアナもアメリカ令嬢と日本人男性のハーフだからね。狂界起動時に答えてくれてた“秘飾魅 唯”さんはアリアナのお父さんの妹さんだっけ?
『…まぁ、本来白虎は風の存在ではないのだがな…』
「あ、それはそう。朱雀だけなんだよね、本来の形保ってるの。」
本来の形であれば北の玄武が水、東の青龍が風、西の白虎が土、南の朱雀が火だからね。
『我ら神、もしくは妖は人の認識によって揺れる存在故。仕方のないことではあるがな。……我はなぜか揺れぬから、火のみしか扱えぬが。』
「揺れない代わりに耐久力だけはあなたが一番高いでしょ。」
『見た目は他の者の方が高そうだがな。』
そんな話をしていたら鐘が鳴った。鳴らされる回数は10回。
「…10時の鐘か。」
『む、もう一刻過ぎていたのか。』
「それ以前に今日は結構大変だからね。ここまで来るのも結構時間かかったよ?」
『むぅ…スティラがいるというのに時間がかかったというのは確かに多いな…』
だからなんでみんなそんな私の事高く見てるのさ…
「はぁ…まぁいいや、明葉と道乃が元に戻ったら青龍の所まで行くよ。」
「もう戻ってるよー…」
「相変わらず対応が早いんだから…」
あ、もう戻ってた。とりあえずその場は朱雀に別れを告げて、青龍のいる坂下門を目指す。
スティラちゃんは自分の強さに気付いてません。
目標がお父さんで、そのお父さんが非常に規格外な存在だった故に自分の強さに満足できてません。
…これも血筋なのかな。




