第十二星 ステラースキルとは -前提-
「じゃあとりあえず伝えたいことも伝えたことだし、授業……授業?に移ります。」
伝えたいことを伝えたあと、用意されていた教壇らしき所に立つ。…黒板用意してくれてるのは割と嬉しい。
「まず……そうね、前提のお話から進めていこうか。一番の大前提、“星惑交魔技”とは何なのか。」
黒板のところに置いてあったチョークを手にとって星惑交魔技と文字を書く。その隣に魔法、とも。
「星元……星暦元年、旧暦こと西暦における2032年。偶然にも繋がった異世界より現れた賢者───後にこの世界では“星の賢者”と呼ばれる者がもたらした“魔法”。それを魔力の代わりに星素を用い、“始まりの少女”が再現したのが星惑交魔技の総ての始まり。故に総ての星惑交魔技は魔法であり、総ての魔法は星惑交魔技である……と、よく言われたりはする。」
実際ちょっとした知り合い曰く使ってるものが全然違うらしいから別物なんだけど……
「では“星素”とは何か。これに関しては星のエネルギーのことを指す。正式には“星間資源素子”といい、“星惑交素因”と“星惑交粒素”の2種類に分けられる。」
黒板に星間資源素子、星惑交素因、星惑交粒素の文字を書いて星間資源素子から矢印で2本。
「星惑交素因とは大気中…もとい空間中に漂っている空間星素。魔法とかの概念で言えば“マナ”のことを指す。……可視化すると情報量多すぎるからしないけど、今この場にも大量の星惑交素因が漂っている。そして、星惑交素因は基本的に私達には扱えない。」
人を描いてその周囲に薄い靄を描く。空間魔力ってどう表現したらいいものか分からないのよね。
「対して、星惑交粒素は私達の身体…つまりは私達のエネルギーの器に入っている体内星素。魔法とかの概念で言えば“オド”のことを指す。私達が星惑交魔技…略してSi Skillで使っているのはこっち。Si Skillは星惑交粒素を可視化したもの、といってもいいかもしれないね。」
人を描いてその身体の内側に丸を描いて塗りつぶす。体内魔力は多分これでいいと思うんだけど。
「とりあえずここまでで何か質問は?」
一度チョークを置いてそう聞くと、手が上がった。
「じゃあそこの人。」
「えっと……」
その声を聞いて少し眉を潜める。それを見た挙手者は少し怯えたように肩を震わせた。
「……あの、わたし何か変なこと言いました…?」
「……いいえ、続けて。」
…“大星素容量”だけじゃなくて“コレ”までいるのか、と思いながら話に耳を傾ける。
「星惑交素因をSi Skillで使わないのなら、いったい何に、どうやって使っているんですか…?」
「……うーん、そうだね」
その問いに私は量子変換ポーチから一発の弾丸を取り出して見せる。
「これは“火星の魔弾”。詳細はあとで説明するから今は省くけど、星惑交素因はこういうのを作るために使う。そしてこれをどうやって作っているかというと……」
空いている方の手から意識を外に集中させる。少量の星惑交素因を捉えて凝縮する、形を整える───そうして、一発の弾丸が出来上がる。
「……雑だけどこんな感じに凝縮させて作るの。ただ、さっきも言った通り、星惑交素因は基本的に私達には扱えない。例え、私が今全力で作ったとしても私が持ってる火星の魔弾ほどのものには達しない。だからこそ、“星惑交素因凝縮装置”と呼ばれる機械を使う。」
ここは科学の部分なんだよねー…ていうか
「“発達した科学は魔法と見分けがつかない”。よく言われる言葉ではあるけど、事実そう。異世界との初接触の……3ヶ月後くらいかな?記録によれば星の賢者もビックリしてたそうだよ。“科学の力を用いて常人では捉えることの難しいマナをこうも簡単に加工できるとは”、って。」
そういえばお父さんは星の賢者と実際に会話したことあるんだっけな……
「…とりあえず一旦ここまでかな?一気に教えても理解しきれないだろうし……あとは覚える時間も必要だと思うからここで一区切りにするよー。」
そう言って教壇から離れて、近くにあった椅子に座った。




