第6話
いよいよ冒険者になる時が!!
俺は今冒険者ギルドの前に立っていた。
いよいよ、冒険者ギルドに登録し、冒険者になるんだという実感が湧き、緊張してきてしまっていた。
それを落ち着かせるため、深呼吸をする。
「ス〜ハ〜、よし!いくか!」
冒険者ギルドの扉を開ける。
中に入ると思ったより人がおらず、食堂で談笑する冒険者が少しいる程度だ。
少し見回した後、受付と思われる場所に向かう。
「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょうか?」
受付嬢の方が挨拶をしてくる。
「はじめまして、俺はエレンっていいます。今日は冒険者登録をしにきました。よろしくお願いします。」
なぜか受付嬢は少々驚いた様子の後、少し笑いながら言ってきた。
「はい、はじめまして。私はこのギルドで受付嬢している猫人族のミーシャと言います。こちらこそよろしくお願いしますね。」
そういう時、頭についてる耳がピクピクと動いた。
耳って動かせるんだなどと思いつつも気になった部分があったので聞いてみることにした。
「えっと、何かおかしい部分ありましたか?」
驚き笑われたので何かおかしな部分があったのかと思い、素直に聞いてみる。
「いえ、丁寧に挨拶をされる冒険者の方はあまりいないものですし、私が猫人族だといっても変な目で見たりされなかったので、珍しくてつい、失礼しました。」
「あぁ、いえ、おかしい部分があったのかと思ってつい、これからお世話になるんですから挨拶は大事かなと思って。それに変な目で見るなんて失礼なことはできませんよ」
「初対面の冒険者の方の多くは私の耳をいきなり触ってくる方が多いもので、失礼ながら少し警戒していたのです。申し訳ありません。」
「そんなことがあるんですか…気にしてないですから謝らないでください」
「フフ、丁寧な挨拶に紳士的な対応ありがとうございます。それで冒険者登録でしたっけ?」
「はい、お願いします!」
「かしこまりました、ではまずこちらにお名前と、それからこちらの水晶に手をかざしてもらえますか?」
「わかりました。」
俺は、ミーシャさんに渡された紙に名前を書いた後、水晶に手を乗せる。
「…はい、大丈夫ですね。ありがとうございます。」
「いえ、ところでこの水晶はなんですか?」
一体なんの意味があるのかと思い聞いてみることにした。
「この水晶は、犯罪者であるかどうかを判断することのできる魔道具です。触れると人が指名手配されていたりしないかチェックするため、登録される前にこのような確認を行なっています。また、水晶に魔力を登録することでその方が冒険者かどうかを判断することができるようになり、偽冒険者などが出ないようにする意味もあります。」
「なるほど、すごい道具なんですね。」
「ほんとすごい道具ですよね。」
2人して水晶を感心していた。
「あっ、すみません、では続いて冒険者ギルドについての説明をします。っとその前にこちらのギルドカードをお渡しします。」
「ギルドカードですか?」
「それもまとめギルドの説明をさせてもらいます。」
「はい、よろしくお願いします。」
その後ミーシャさんからこのギルド内の設備の説明、依頼の受け方などを説明してもらった。
「ここまでで質問などありますか?」
「いえ、大丈夫です。」
「わかりました、次にギルドカードの説明をさせてもらいますね」
ギルドカードの説明は以下との通りだ。
カードには冒険者の名前と種族、ギルドランク。それからステータスと登録をした冒険者ギルドである。
「ステータスを確認するときは、ステータスの部分をタッチして貰えばみることができます。ただし持ち主当人でなければ意味がありません。また血を一滴カードに垂らしてもらえればステータスが更新することができます。」
「なるほど。」
「ギルドランクは1番下はE-です。そこからE-、E、E+というように上がっていき、E+の次はD-となります。そして1番上はS+となります。またランクが高いとそれに見合った恩恵がありますから頑張ってくださいね!」
なるほど、上げておいたほうがお得ということなのか。まぁそうでもなければ上げる必要性がないからな。
「以上がギルドとカードの説明になりますが質問はありますか?」
「ひとついいですか?」
「はい、なんでしょう?」
「俺のランクがFになってるんですが1番下はE-ではないんですか?」
そう、俺のギルドランクはFという表示になっていた。
ミーシャさんの説明によるとE-が1番下なはずだがそれよりも低いということは一体どういうことなのだと思っていた。
「それはですね、今からエレンさんに冒険者試験を受けてもらいます。」
ミーシャさんから返ってきた答えは俺の質問に対する答えになってない気がする。
ますます訳が分からなくなり、さっきよりもより困惑した顔になってしまう。
しかしそんな俺と反対にミーシャさんは
「安心してください、ちゃんと説明しますから。」
と笑顔で言う。
困惑したままとりあえず説明を受けるり
「今言いましたが、エレンさんにはこれから冒険者試験を受けてもらいます。そしてギルドランクがFになっているのは試験中の冒険者になろうと試験を受けてる最中の人のことを指します。」
「冒険者試験ですか?」
「はい、冒険者になるにあたりこれは受けてもらわなければなりません。この結果により冒険者として活動できるかを判断します。」
「それで冒険者になるために俺もその試験に受ける必要があると。」
「はい、エレンさんには試験を受けてもらいます。」
「その試験とはなんですか?」
「はい、試験の内容は、エレンさんにこれからモンスターの討伐、もしくは素材の採集をしてきてもらいます。ギルドに来る依頼は基本討伐もしくは採集だからです。」
「はい。」
「期限は5日間、その間に討伐、もしくは採集してきてくだされば合格です。また、採集してきた素材、討伐したモンスターのランクが高いと始められるランクが上がります。例えばE+モンスターを討伐し素材を持ち帰ってきて貰えばE+からのランクでスタートできますが必ずではありません。たまたま倒れているモンスターを見つけたという可能性もありますからね。その場合は審査を受けてもらいます。その点はあらかじめご了承ください。」
「わかりました。」
ならばランクの高いモンスターを討伐したほうがいいのか。
そう理解する。
そして…
「では、本日から試験開始となります。本日より5日間の間に討伐、採集いずれかをしてまたギルドへお越しください。」
「わかりました、教えてもらいありがとうございます。」
「いえ、これもお仕事ですから。ちなみにどちらに向かわれる予定ですか?」
「そうですね、ここからなら東の森が近いのでそこにいってみようかと思います。」
「わかりました。くれぐれも無理はなさらないようになさってくださいね!」
「それはもちろんですよ。それではいってきます。」
「はい、お気をつけて!」
こうして俺は試験の合格を目指し、モンスターを討伐しに行くため冒険者ギルドを後にする。
今はお昼過ぎ。夜には返ってこれるだろうと思い、東の森へと向かっていった……
エレンが去ってからしばらく、ギルドに1人の男が血相を変えて入ってきた。
「ギ、ギルドマスターはおられるか!?」
かなり急いでいる様子を見てミーシャは慌てて
「今呼んできますので少々お待ちください。」
と言い、ギルドマスターの部屋へ向かった。
背後から男は
「緊急の要件だ急いでくれ!!」
と叫ぶ。
ミーシャはギルドマスターに緊急の要件だと、男が1人呼んでいることを伝えるとすぐに何事かとギルドマスターが出てくる。
「私がギルドマスターのアルファスだ。」
「単刀直入に言う、東の森にコカトリスが出た。しかも2体もだ、至急討伐隊を集めてほしい…」
「な、なんだと!?」
コカトリスはA-ランクのモンスターだ。
それが2体もいきなりあらわれるとは驚きを隠せない…
しかも今、ギルドにいる最高ランクはこの間上がったばかりのA-ランクが1人…
どう考えても、2体も相手にできるとは思えない…
しかし放置しておけばこの町に被害が出るかもしれない。
少し考えアルファスはギルド全体に聞こえるように話す。
「みんな聞いてくれ、東の森にコカトリスが出た、しかも2体も。放っておけば街に被害が出るかもしれない。至急B-ランク以上のものは東側の城門前に集まり防衛の準備をしてくれ。それ以外の者は動ける準備をしギルド内へ待機していてくれ、時間は今から1時間後だ。この場にいない冒険者もできるだけ集めてくれ!頼む!私も準備をした後東の城門前に向かう!」
そして言い終わった後、ミーシャに
「君も付いてきてくれるか、ギルドとの連絡係が欲しい。」
と言われ、ミーシャは
「わかりました、私も準備してきます。」
と言いその場を後にする。
ミーシャは猫人族のため速く、身軽く動くことができる。
そのためたまに連絡役としての仕事を頼まれることがある。
ミーシャは過去に何度か緊急事態がありその時も連絡役をやったことがあり、経験したことがあるためある程度慣れてはいたが今回は少し不安があった。
「エレンさんが向かって行ったのも確か東の森だったはず。コカトリスと遭遇してなければいいんだけれども。」
ミーシャは紳士的な対応をしてくれたエレンに少しの好感を持っていた。
そのエレンが運悪くコカトリスがいるという東の森へ行ってしまうなんて…
見たところ1人だし、試験中の冒険者1人でコカトリス2体の相手は自殺行為だと思う。
だからただエレンがコカトリスと遭遇せず何事もなく戻ってこれるか心配になっていた。
ミーシャがそんなことを思ってるのと同じ時、コカトリス2体の前にエレンは倒れていた……
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