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カスカスの国

ぽんちゃんの首から下が、きめ細かな白砂にすっぽりと埋まっています。


ぽん「たすけて」


遡ることおよそ三十秒前。


ぽん「お?」


もこ「なんか見つけた?」


ぽん「さっき通り過ぎた山のてっぺんに、綺麗な砂があったの」


二十二秒前。


ぽん「ここだ。飛び降りてくるね」


もこ「はあ!?」


ぽん「空想科学服がありますから、だいじょーぶ!」うぃんく


もこ「いやいやちょっち」


十五秒前。


ぽん「心配しなくても大丈夫だってば」


もこ「行ってどうすんの」


ぽん「さらさらしてくる」


八秒前。


ぽん「すぐ戻るよ」ぴょん


もこ「どーでもいっか」


五秒前。


ぴょん「ぽん太は?」


もこ「飛び降りた」


三秒前。


ぴょん「雲より高いぞ」


もこ「あほやっち」やれやれ


ぜろ。


ぽん「あ」ずぼん!


ということで、助けてあげてください。


もこ「ほっときい」


ぴょん「そのままにはしておけないだろう」


もこ「じゃお願い」


ぴょん「よし」だっこ


もこ「降ろして」


ぴょん「いくぞ!」


もこ「やあよやあよやあよやあよ!」くびぶんぶん!


ぴょん「とう!」ぴょん


もこ「いやあーーーーー!!」ひゅー


ずぼん!


ぴょん「納得のさらふわだ」すっぽり


ぽん「砂糖みたいだね」すっぽり


もこ「んー!」ぐいー


ぽん「いたた!頭取れちゃうよ!」


もこ「じゃ、どうすんの」


ぽん「それは……ん?」


もこ「え?」


ぽん「ぴょんちゃんどこ?」きょろきょろ


砂の中へ引きずり込まれました。


ぽん「ヤバくない?」


もこ「…………」ぐすっ


ぽん「泣かないで。きっと」すっ


ぽんちゃんも砂の中へ。


もこ「どうなってんのよぅ……!」しくしく


もこちゃんも砂の中へ。
















































































 \はっ!/


 / ̄ ̄ヽ

 モ●oo●

  `こ´


   

ぽん「ほねっしゅ!」ほねー


もこ「ガイコツー!」びくっ!


ぽん「その反応、もこちゃんだね」


もこ「え?え?」びくびく


ぴょん「残念な知らせだ。オレ達はガイコツになってしまった」


もこ「サングラス……ぴょんち?死んだってこと?」


ぴょん「仮死状態というものらしい」


ぽん「僕たちは、わんちゃんのオヤツになっちゃったってこと」


その菓子じゃないお。


もこ「ナレーションさん、きちんと説明して」


ここは洞窟だらけでスカスカのお山ん中にある、カスカスの国。

あなたらは、砂に埋まってぷち死んちゃった。

でも平気たお。


もこ「どうしたらいいん?」


気持ちカスカスガイコツになってるたけだから、ノリノリならたーじょぶ。


なのり「こんな感じで」のりのり


もこ「戻してなのりー!」


なのり「ごめんなさい。お仕事の時間なのり」ふっ


もこ「消えないで!行かないで」おほねこつこつ!


ぽん「平気だってば」


ぴょん「オレ達が情熱を燃やせば、元に戻れるんだ」


もこ「そうなん?」


ぽん「でしょ?」


ホネミ「まーうん」


シミル「だねー」


もこ「またガイコツ!」ひっ!


ぽん「いい加減慣れたら」


もこ「ん……」かくれ


あなたら急いだ方がいいよ?

ここは、情熱がひんやり冷めちゃったもの達が堕落する国。

そのままらとー戻れなくなるカモノハシ。


もこ「ナレーションさんもおかしない?」


ぽん「ポンコツになっちゃったみたい」


ホネミ「あらためて私ホネミ」


シミル「妹のシミルー」


もこ「もこです」


ホネミ「てきとーに手伝ってあげる」


シミル「私らにはまだ燃えカスがあんのよ」


もこ「燃えカス?」


ぽん「ぷち情熱が残ってるってこと」


ホネミ「肋骨の内にある火の玉っぽいの」


シミル「これが燃えカスー」


もこ「それがなくなったらどうなんの?」


周りみてー。


もこ「?」


その辺りに落ちてる粉ね、骨。


もこ「…………」バララ


ぽん「あれまあ、バラバラになっちゃった」


ぴょん「しっかりするんだもこち。希望はある」くみたて


もこ「ほんと……?」


ぴょん「オレ達は引きずり込まれる形でここにいる。情熱がすっかり冷めて堕落したわけじゃない」


ぽん「でもね、燃やす情熱が見当たらないの」


もこ「探そう!」


ぽん「うん。そうするしかないね」


ホネミ「じゃてけとーにいきましょ」


シミル「こっちこっちー」


みんなは無骨なボーンデッドマンションへマッハゴーゴー。


ホネミ「ここ、家」


シミル「もう少し先にぎやかかも」


ぽん「にぎやかなんだ」


ホネミ「カタカタって感じ」


シミル「それガタきてるだけじゃねー」


ホネミ「まーうん」


シミル「だよねー」


もこ「なんかムカッとする」


ホネミ「カルシウム足りてなくない」


シミル「モヤシウムいる?」


もこ「モヤシウムてなんよ」


ホネミにシミル「ついてきー」


なんかね、びちゃびちょの畑っぽいとこきたよ。


ぽん「ガイコツだらけだ」


ホネミ「なんでもてけとーにしないとねー」


シミル「すっかり情熱が冷めちゃうからー仕方ないかなーみたいな」


ぽん「そうなんだ」


ホネミ「マジの人は頑張って元に戻れるらしいし」


シミル「ここで頑張るのもいいかもねー」


もこ「やだっち」


ホネミ「じゃボーンとだけ」


シミル「しないよーに気をつけなー」


襖「あいたた……」


ぽん「なにあれ?変な木がいるよ」


襖「骨の折れたふすまですよ」


ぽん「大丈夫なの?」


襖「まーなんとかなるんじゃねーの。休めるとき休むわー」


ぽん「そう」


襖「じゃーねー」カタコト


ホネミ「だめだなー」


シミル「家事がんばーねーとスカスカだろーなー」


ぽん「ねえ。襖にも情熱ってあるの」


ホネミ「たまーにあるんじゃなーい」


シミル「物にも心があるって噂あるしねー」


ぽん「なるほどねー」


ホネミ「さーてと」ずっぽん


シミル「とーてさ」ずっぽん


ぽん「それ勝手に抜いていーの?」


ホネミにシミル「おっけー」


もこ「大きいモヤシ」


ホネミ「これを目に入れてみー」はい


シミル「二本ともー」はい


ぽん「目に入れるんだ」


もこ「こう?」すぽ


ぽん「はっはっはっ!目からモヤシ生えてるー!」


ぴょん「消えたぞ」


ホネミ「そんな感じー」


ぽん「ねえねえ、どんな感じ?」


もこ「目薬したみたいな感じ」


ぽん「ふーん」


鉄骨「お、新人かなあ。この国へ来ちゃうなんて運がないなあ」


ホネミ「こーつらさ、情熱めっちゃ燃えてるっしょー」


鉄骨「おーたしかになあ」


シミル「でもそのうち冷めんのさー」


ホネミ「だから情熱を取り戻さなきゃなんないわけでー」


シミル「私らって優しいじゃん?」


ホネミ「だからさー探すの手伝ってるわけよー」


鉄骨「子どもだろ。ならー向こうの博多にいきなー」


ホネミ「あーそっかー」


シミル「博多ってにぎやかだしーいいかもねー」


てことでー博多ー。


ぽん「なんかピリリと骨に響くんですけど」


もこ「音楽やね」


ぴょん「行ってみよう」


先に進むとあばらーじゃないや。

まばらに骨がいた。


タッキー「どーもー」


ケン「ケン&タッキーでーす」


ぽん「手羽先かな」ひそ


ぴょん「やる気ないな」ひそ


ホネミ「情熱ねーしなー」


シミル「これじゃオーディエンスもハンドクラップもカスカスよー」


もこ「音楽……」


ぽん「どうしたの?」


もこ「うーん。わかんない」


ぽん「は?」


ケン「熱々オイリー」コツコツ


タッキー「燃えてオイリー」コツコツ


ケン「スパイスより」コツコツ


タッキー「ソースかけてー」コツコツ


ぽん「ぜーんぜーん歌ってないんですけど」


タッキー「えーそーかなー」


もこ「マイク貸して!」


ケン「いいけどー」はい


それは骨たお。


もこ「きゃー!」ぽい!


ぽん「あいた。こっちに投げないで」こつん


もこ「もういい!このまま歌います!」


わあーぱちぱちー。


もこ「みみももめむま!」


ぽん「そ、その歌は!」


おわりー。


もこ「思い……出した!」


ぽん「もこちゃんはアイドルなんだよね」


もこ「そう!おちはアイドル!」


ホネミ「情熱取り戻したっぽーい」


シミル「いいじゃんいいじゃん、そのちょうしー」


もこ「これで戻れる!?」


そのうちねー。


ケン「おめっとー」パラパラ


もこ「粉になってっちや!」カタカタ


タッキー「歌なんてどーでもいーかなーて」パラパラ


もこ「でもでも!そんな!」


ケン「ひとつ思い出した」


もこ「なに?」


ケン「オレ魚だわ」パラパラ


もこ「はあ?」


タッキー「マジかよーショックだわーないわー冷めたわー」パラパラ


ぽん「僕も思い出した!」コン!


もこ「ぴょんち、行こう」


ぴょん「え、うん」


ぽん「僕は空想ササミーランドをいつか作るんだ!」


ホネミ「コツコツがんばんなー」


シミル「てかさーおいてかれてるよー」


ぽん「待ってよ!」コッコッ!


もこ「走らんで怖いから」


ぽん「がおー!」


もこ「えい」ぺち


ぽん「ちょっと!バラバラになったじゃない!」バララ


もこ「ちゃんと組み立ててあげっち」くみたて


ホネミ「仲ええなー」


シミル「私らなんて喧嘩ばっかでさー」


ホネミ「そーだ。それでシミルに冷めたんだー」


シミル「それ情熱関係なくなーい?」


ホネミ「私はシミルの為にがんばってたのー」


シミル「私は芋虫の為にがんばってた」


ホネミ「あーあの飛んでったちょーちょー」パラパラ


シミル「やめてー思い出したくないのー」パラパラ


ぽん「二人とも粉になってるよ」


ホネミ「生まれ変わったらお好み焼きになりたーい」パラパラ


シミル「私はもんじゃかなー」パラパラ


ぽん「そんなこと言って踊ってる場合じゃないと思います」


ホネミ「いーのなかよくいけっからー」パラパラ


シミル「じゃーおさきにー」パラパラ


ホネミにシミル「さよさらー」ぱさ


ぽん「……粉になっちゃった」


ぴょん「情熱が冷めるというのは、寂しいものだな」


ぽん「ぴょんちゃんも、このままだと粉になっちゃうよ」


もこ「なんよ、おまたんの情熱」


ぴょん「わからない」


もしかしてー。

はじめからなかったりラジバンダリ?


ぴょん「はじめから……なかった」


だからさ、あーたがお砂に埋まった時に引きずり込まれたんじゃないかな?


ぴょん「そうか。そういうことだったのか」


ぽん「じゃあどうする?」


もこ「このままやと粉よ」


ぴょん「くっ……!」パラパラ


ぽん「あー!情熱がひえひえにー!」


もこ「体はパラパラにー!」


ぽん「冷めたチャーハンかな」クスクス


もこ「笑い事やなっちや!」


ぽん「ごめんちゃい」コッツン


もこ「ぴょんち!しっかりしい!」カタカタ!


ぴょん「いいの。このまま消えてしまっても」パラパラ


もこ「だめ!」


ぴょん「どうして。私は消えてなくなりたいよ」パラパラ


もこ「消えちゃだめ!」


ぴょん「どうせひとりぼっちだもの」パラパラ


もこ「ひとりぼっちやない!家族もいるし!おちらもいる!」


ぴょん「……もこちゃん」パラパラ


もこ「友達が消えるなんてやだっち!ずっと敵って言ったこと謝っち!ごめんねするから消えないで!!」


ぴょん「オレは」カタ…


ぽん「お?」


ぴょん「オレは一人じゃない」


ぽん「そうだよ、ぴょんちゃん!いつか一緒に空想ササミーランドを作ろう!」


ぴょん「ああ!一緒に作ろう!」ボッ!


全身熱盛ー☆


もこ「……」じとー


ぴょん「ありがとう、二人とも」メラメラ


もこ「うんよかったねえ」コゲコゲ


ぽん「もこちゃん焦げてるよ。あ、焦がしチャーハンかな」クスクス


もこ「あー!」


という間に砂の上。


もこ「あー!」


ぽん「もこチャーハン。平気だよ」とんとん


もこ「ほんと!元に戻ってる!」


ぽん「そだよ」


もこ「やった!やった!」むぎゅ!


ぽん「いたたくるしい!」


ぴょん「二人とも。はやくここから離れよう」


もこ「ぴょんちー!」むぎゅ!


ぴょん「くるちぃ……」ぽふぽふ


もこ「生きてるってすんばらしー!」


さらさらー。またおいでー。まってるよー。


ぽん「怖いし中身カスカスの国だったね」


もこ「壊して」


ぴょん「ま」


ぽん「超振動波」ぽち


くずれてゆくー!うまってゆくー!よくもー!


ぽん「なんか怒った声が聞こえた」


どうやら良くない妄想が集まって生まれた国だったようです。


ぴょん「妄想から国が生まれるのか!」


良くないことでも、想いが集えば実現する。

ということでしょうか。


ぽん「へえ」


ぴょん「大変なことだぞ」


ぽん「そう」


もこ「気にしても仕方なっち、楽しくいこいこ!」


ぴょん「うん……うーん」


もこ「次の国へ向かって?」


ぽん「れりごー!」

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