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禁忌郷 ~ Outsider Utopia  作者: 鬱都宮 憂霊(うつのみや ゆうれい)
Different World ~ 異世界転移
6/9

ACT.6

鬱都宮うつのみや 憂霊ゆうれいです。(`・ω・´)ゞ!!


欲を知らねば身が立たぬ

「オレ達が勝ったらその人間をオレ達によこせ」

 吸血鬼、イフィア・バーミリオンとの戦いの火蓋が切られ、メメモリは気合いを入れる。

そんなメメモリを見たイフィアは"ニヤッ"っと微笑み、羽を動かす。


メ「…なんだ?」

(ビュンッ!!)

メ「!?!?」


 メメモリが瞬きをした瞬間、飛んでいたイフィアは音速の速さでメメモリの前に現れ、重い蹴りを入れる…

蹴られたメメモリは入り口の大扉まで吹き飛ばされ、外に出される…


メ「ッ………てぇな…」

イ「ふん、遅い遅い(笑)

  そんな鈍足で吾輩について来れると思ったのか

  愚か者め」


 イフィアは吸血鬼の中では一番とも言える身体能力の高さを持っている。

100mを一秒以下で飛び、大男を人差し指で持ち上げて、流れる水は泳ぐ事が出来ない…

そして今は覚醒状態となっているので、正真正銘最強で最恐の最凶の吸血鬼へとなっている…


イ「このまま貴様を蹂躙(じゅうりん)してやるよ」

(ビュン!!)


 残像と共に、イフィアはメメモリに物理攻撃を仕掛けてくる…

あまりにも速すぎて、(俺でなきゃ見逃しty…)目で捉える事が出来ずに、メメモリは攻撃を許してしまう…


メ「…ッチ!

  これ以上好き勝手させるかよ!」

(ザクッ!)


 メメモリが地にスコップを突き刺すと、メメモリの周りに土が上がり、土柱(どちゅう)が出来上がる。

しかし、イフィアはそんな土柱を破壊してやろうと思い、衝撃を加える…


イ「TheEND(ジ・エンド)だ!葬儀屋!」


 イフィアは土柱に蹴りを入れ、籠城(ろうじょう)状態のメメモリに絶望を与えようとする。


(ビシッ…ビシャッ!!)

イ「!?

  なんだ…!?水…!?」


 土柱の隙間から、水が飛び出してきて、イフィアの顔にかかる…

イフィアは吸血鬼である為、水(特に流水)は苦手であり、濡れる事を嫌う…

嫌な気配を感じたイフィアは大地から離れ、上空へ逃げる…


イ「…アイツ、また土の中に逃げたのか?

  馬鹿の一つ覚えだな、ヴラッディと戦った時と

  同じじゃないか」

(ゴゴゴゴゴゴゴゴッ…!!!)

イ「…ん?」


 イフィアは大地が揺れているのに気がついた。

そして、その地震と共に大地から何か生えてくる様子も目の当たりにする…


イ「なっ…なんだ!?

  何が起こっているんだ!?」


 大地から生えてきたものは、イフィアがさっき壊した土柱だった…

大小様々な形の土柱が深緋の館(こきひのやかた)周りに生えており、中々に気色わr……異様な光景となっている…


イ「…コレはメメモリの仕業だな

  アイツ…一体何を考えている…」

(ボコッ!!)

イ「!!」


 地中からメメモリが飛び出してきた…

土だらけであり、地中の中に居たのが分かる…


イ「おい葬儀屋!

  貴様何を考えている」

メ「何って…下準備だよ、し・た・じゅ・ん・び」

イ「下準備だと?

  ハッハッハ!吾輩を倒す方法でも思いついたの

  か?」

メ「あぁ、お前には水葬(・・)がお似合いだと思ってな」

─────────────────────

 地上でメメモリとイフィアが戦っている最中、地下深くでも激しい抗争が繰り広げられていた。


フ「射撃(シューティング)詠唱(オープン)暗殺の矢(ヴェノムアロー)〗」


 フランは射撃(シューティング)を唱えて、ピアクルォルに弾幕(オーブ)を放つ。

暗殺の矢(ヴェノムアロー)〗は矢の先端に猛毒が塗られており、当たると中々にヤバいものである。


フ「ほらほら(かわ)してごらん?

  当たると猛毒で苦しむよ?」


 フランは容赦無く、ピアクルォルに矢を放つ…

しかし、ピアクルォルは軽々しく華麗に暗殺の矢を躱す…


ム「ふっ…フランくん…」

フ「ムッくん、危ないから動いちゃ駄目だよ?」

ム「うっ…うん…」

フ「あっ、そうだ」


 フランは指を鳴らして、赤黒い手四個ぐらいを召喚する。

そして、その手はムクの周りを囲むように動き続ける…


ム「こっ、コレは?」

フ「キミを護る手だよ♪

  流れ弾とかが来ないように、護っとくね♪」


 フランがグーサインをすると、囲いを作ってた手もみんなグーサインをする…


ム「!!

  危ない!!」

フ「おん?」


 二人の元に大きな光の弾が飛んでくる…

フランペインは再び手を召喚して、光の弾を受け止める…


(ドガーン!!)

フ「…容赦が無いな」

ピ「"十人の魔法少女が遊んでいました

  一人を罠に(はめ)って残りは九人になった"」

フ「…相変わらず、アイツの言ってる事は訳が分か

  んないし…」

ピ「咒詛(ワード)詠唱(オープン)【レッドレーザートラップ】」


 ピアクルォルが咒詛(ワード)を詠唱すると、辺りに半透明の光の線が現れた…

その線はさながら赤外線レーザーの様であり、触れると何かが起きる事は明白である。


フ「こんな見え見えな罠に引っ掛かる訳無い…」

ム「フランくん!危ない!!」

フ「んあ?」


 ムクが危機を伝えるも、フランは赤いレーザーに触れてしまっている…


フ「あっ、やべ」

(ビュンッ!!)

フ「うおっ!?」


 レーザーが発射されている方向から、大小様々な大きさの弾がフランを目掛けて飛んできた…


フ「危なっ!?」

ム「フランくん!そっちにもレーザーが!!」

フ「えっ?」


 無計画に弾を避けていたフランだが、そのせいで(いく)つものレーザーに当たってしまい、更に弾幕(オーブ)が追加されていく…

追加された弾幕(オーブ)を避けるとレーザーに当たり、更に弾幕(オーブ)が追加され…悪循環に(おちい)っていく…


フ「おいおい…」

(ビュン!ビュン!)

フ「キリが無いよ…」

ピ「九人の魔法少女は食事をしてました」

フ「…あん?」

ピ「"一人を裏切り者だと告発し、残りは八人になった"

  咒詛(ワード)詠唱(オープン)【クラレント】」


 ピアクルォルは手に剣らしきモノを生成し、フランに斬りかかってきくる…

その威力は凄まじく、壁と床を一気に破壊させる…


フ「…んだぁ?」

ピ「裏切り者は排除せよ、裏切り者は滅せよ、裏切

  り者は死刑にせよ、裏切り者は…」

フ「…ッツ!(うるさ)いな!」

ピ「裏切り裏切り裏切り裏切り裏切り裏切り裏切り

  切り切り切り切り切り切り切り切り切り切りり

  りりりりりりりりりりりりりりりりりりりりり」

フ「もう一回黙れ!」


 フランは手に弾幕(オーブ)を作りだし、ピアクルォルに投げ付ける。

ピアクルォルは持っている剣(クラレント)を扱って斬ろうとしたが、フランの弾幕(オーブ)は弾け飛び、ピアクルォルの口を塞ぐ…


ピ「もごもご…」

フ「ふぅ、ようやく静かになった♪

  ついでに口も夫妻だから、咒詛(ワード)を詠唱出来ない

  でしょ?」

ピ「もごもご」

フ「ふっふーん♪

  やっぱりチビを黙らせるにはこうすれば良いん

  だよ♪

  されムッくん、地上に戻ろう…」

ム「フランくん!!後ろ!!」

フ「んえ?また?」


 ムクが再び背後からの危険を知らせてくれ、見てみるとピアクルォルが(クラレント)を投げ飛ばしてきた…


フ「うおっ!?」

ピ「むぅ…」

フ「……マジかアイツ」

─────────────────────

 メメモリは土柱の上に立ち、イフィアと目線を合わせる。

そして、さっきまで何をしていたのかをイフィアに教える。


イ「お前…何をしようとしている?」

メ「ふん、お前を倒すした準備だよ」

イ「なんだと?」

メ「この土柱の中にはお前が苦手な水が入ってる

  簡単に衝撃を与えるだけで破壊されるように作

  った」

イ「水だと?

  どっから用意した?」

メ「私は"葬の魔術師"だぜ?

  水葬(・・)をする為に水は必要だろ?」

イ「…水葬だと?」


 "水葬(すい)"とは水域に遺体や遺骨を流したり沈めたりする方法である。

流水が弱点である吸血鬼にとっては、最悪な葬儀の仕方である…


イ「…フンッ!

  飛んで入れば流水なんて関係ない…

  残念だが、そんな方法で吾輩は止められ…」

メ「無論ら私が適当に土柱を生成したと思っている

  のか?」

イ「なに?」

メ「よく見てみろよ」


 メメモリの言葉通りにイフィアは辺りを見渡してみる…

深緋(じぶん)の館を中心に、大小様々な形と大きさの土柱が出来ているだけで、何も変わっていない…


イ「…特に変わりは無いが」

メ「そりゃそうだ、コレからするんだからな」

イ「あ?」

メ「そーれっ!!」


 メメモリは土柱にスコップを突き刺すと、メメモリが乗っていた土柱と周りに生えていた土柱が一斉に壊れていく…

そして土柱の代わりに水が噴射してきて、深緋の館周りにちょっとした雨が降る…


イ「なっ……!?なんだこれは!?

  ちっ…力がっ…抜け……あぁあぁっ!!」


 雨に打たれたイフィアは飛ぶ事が出来ずに、そのまま墜落していく…


メ「水葬と土葬の魔術を組み合わせたオリジナル魔

  術だぜ

  いくら瞬足の速さで移動出来ても、雨を躱す事

  は出来ないだろ」


 メメモリは土柱の中に圧縮した水を溜め込み、勢い良く噴射する様に仕向けていた…

水は水葬を行う時によく使う為、即座にこの方法を思いついた。

メメモリの前には、元の姿に戻ったイフィアが倒れ込んでおり、濡れたショックで気を失っている…


メ「はぁ…吸血鬼、イフィアよ

  お前はコレで二回目だ、三回目になったらアイ(・・)

  ツら(・・)が直々に来る」

イ「……アイツら?

  …あぁ、魔王共(・・・)か…

  ………分かったよ、もう何もしない」

メ「…そうか、じゃあ夜を元に…」

(ドガァアァアァアァアァン!!!!)

メ・イ「!?!?」


|


 大きな轟音が鳴り響くと同時に、大地に巨大な穴が空いた…

雨によって地盤が緩んだせいなのか…それとも地下深くで(・・・・・)戦っていた者達(・・・・・・・)によるせいなのか…

メメモリとイフィアは穴の様子を見に行くと、穴から何か飛び出してきた…


メ「アレは…フラン!?」

イ「ピアクルォル!?」


 飛び出してきたのは、フランとピアクルォルのぶっ飛んだ二人組だ…

地下で激しい抗争を交わしていた二人だが、激戦を繰り広げていたら、いつの間にか地上へとやって来ていた…


フ「…アレ?ココは地上だ」

メ「フラーン!!!」

フ「あっ、メメだ

  お~~~い!メメ~~~えぇっ!?」


 フランのこめかみ辺りに、弾幕(オーブ)がぶつかり、フランはそのまま墜落してくる…

ピアクルォルは楽しそうに笑うが、フランが残した魔術(黒い手)がピアクルォルの足を引っ張って地上に落とす…

メメモリとイフィアはそれぞれ落ちた場所に向かい、安否を確認する。


メ「…おいフラン!大丈夫か!死んでるか!?」

フ「はぁ~~~…もう疲れたよ」

メ「何がだ?」

フ「あのチビ助と戦うのがだよ

  もう頭が可笑(おか)しくなりそうだよ」

メ「お前は元からキチってるだろ…

  そう言えば…ムクは見つかったのか?」

フ「ムッくん~~~?

  あっ、そういえば置いてきちゃったかも」

メ「おい!?」

「…あの〜〜〜」

メ「!?」


 メメモリとフランの傍に、異世界人のムクが立つ。

どうやら黒い手に抱えてもらい、護ってくれながら地上へ出てきたそうだ。


メ「ムク!無事で良かったな!」

ム「あっ、はっ…はい」

フ「無事じゃないよ~~~

  ムッくんの血を飲んだから、あのチビ助が可笑

  しくなったんだよ」

メ「…何だって?」


 メメモリは倒れているピアクルォルと様子を伺うイフィアに目を向ける…


イ「ピアクルォル!ピアクルォル!」

ピ「………」

イ「ピア!!起きろ!!」

ピ「………!!」


 ピアクルォルは目を覚まして、イフィアと目が合った…

そして、しばらくイフィアを見つめ、片手でイフィアの顔面に(てのひら)を押し付ける。


(ベチッ!!)

イ「いっ!?」

ピ「もごもご…!!」


 ピアクルォルは口が塞がっている事を思い出して、無理やり手を引き剥がす…

そして、イフィアの顔を叩きながら会話を続ける…


ピ「…兄様、びちょびちょ

  どうしたの?」

イ「…ちょっと訳あってな…」

(ベチッ!)

ピ「兄様兄様、びちょびちょ兄様びちょびちょ」

(ベチッ!ベチッ!)

イ「…だぁあぁあ!もう!やめなさい!

  相変わらず顔をベチベチしてきやがって!」

ピ「ごめんなさい…(シュン)

  兄様久しぶりだから…大好き兄様…水も(したた)る良

  い兄様だから…」

イ「………

  もう…しょうがないな……」


 何とも微笑(ほほえ)ましい(?)光景が目の前に広がり、メメモリとムクは汗をかく…

そしてピアクルォルはムクと目が合うと、立ち上がって力を貯め始める…


イ「おいピア!何をしようとしてるんだ!?」

ピ「兄様、ヴラッディが捕まえてきたあの子

  別世界からやって来た人間」

イ「…はぁ?」

ム・メ「!?」

ピ「あの人間を飲んだら強くなる

  兄様もボクも、禁忌郷(このせかい)を支配出来る」

イ「………」


 イフィアはピアクルォルの発言が本当かどうか、半信半疑のままメメモリに確認をする。


イ「本当か、みすぼらしい服装の人間」

ム「えっ………」

フ「みすぼらしい…って、この服お前の所の執事が

  着させたんだろー」

イ「うるせぇ!お前は入ってくんな!

  それで、さっさと答えろ!」


 イフィアの質問に、ムクは素直に答えようとすると迷ったけど…ムクはイフィア達に高々と宣言する。


ム「そうです!!ボクは横浜(ヨコハマ)から来ました!!」

メ「…ちょっ!?ムク!?」

ム「…でも!コレからはこっちの世界(・・・・・)の住民になり

  たいと思ってまーす!!」

メ「!?」

フ「おぉ?」


 ムクはフランとの会話と、地上に上がるまでの間ずっと考えていた…

元の世界(よこはま)に帰りたい…死にたいと思っていたけど、帰ったら辛い現実が待っているだけな事、メメモリとフランが優しくしてくれた事…そして…怖くて恐ろしいけど、とっても魅力的である禁忌郷(フォービドゥン)に心を奪われた事…全てを洗いざらい話した…


フ「じゃあムッくんはこっちの世界に滞在するって

  事?」

ム「はい!そうしたいです!」

メ「おいおいおいおいおいおい!!

  何馬鹿な事言ってんだ!!」

ム「僕は本気です!」

フ「やったー♪ようこそ禁忌郷(フォービドゥン)へ♪」

メ「話を勝手に進めるな!」

イ「ハッハッハッハッ♪」

三人「!?」

イ「そうかそうか

  お前らが必死になってた理由は異世界人を独占

  したいが為か

  そうかそうか」

ピ「…兄様、ボクあの子の血が飲みたい

  美味しいから、強くなれるから」

イ「そうだなピア

  吾輩も……いや、オレ(・・)もアイツの血が飲みたい

  よ」


 イフィアはピアクルォルの手を握るとピアクルォルもイフィアの手を握って、空高く飛び上がる…


イ「葬儀屋達よ、その人間をかけて最後の勝負をし

  よう」

メ「…あ?なんで?」

イ「無論、負けたら手を引くさ

  しかし、オレ達が勝ったらその人間をオレ達に

  よこせ」

フ「あげたらどうなるのー?」

イ「我々の従者にしてやるさ(ドヤァ)」

メ・フ「………」


 二人は吸血鬼に呆れるが、やらなきゃムクが盗られる為、二人も飛び上がる。


イ・ピ「正真正銘最後の勝負だ!

    人間の未来は我らの手に!!」


To be continued

キャラクター


*ヤマト ムク ∕ Yamato Muku


異世界(にほん)人です。

決意を決めました。


*メメモリ・ユートン ∕ Memory Yuton


理想郷の葬送人です。葬の魔術を得意とします。

土葬、水葬、火葬、鳥葬、自然葬、樹木葬、野ざらし葬…ありとあらゆる葬儀を司ります。


*フランペイン・トーチア ∕ Frampeine Tocia


至極の嗜虐です。虐の魔術を得意とします。

被弾してもヘッチャラです。倍にして返せば良いからです。


*イフィア・バーミリオン ∕ Ifia Vermillion


血液と夜の悪夢です。夜の魔術を得意とします。

雨と水に弱点な吸血鬼です。

(※この作品の吸血鬼は水が一番の弱点です。

太陽は無いし、十字架と銀属とあんまり効きません、ニンニクは嫌いな野菜です。)


*ピアクルォル・バーミリオン ∕ Piakruol Vermilion


幽閉されし悪魔の子供です。狂の魔術を得意とします。

素面(シラフ)に戻った半分悪魔な少年です。

ブラコンくんです。自分で自分の名前が言えません。

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