ACT.4
鬱都宮 憂霊です( ̄^ ̄ゞ
似るを友
「ムッくん、この世界はねキミみたいな子でいっぱいなんだよ♪」
攫われたムクを取り返しに向かう為、メメモリとフランペインは浮遊魔術を利用して、吸血鬼の館である"深緋の館"へ向かう。
浮遊魔術で飛ぶ二人はジェット機の如きスピードで飛行するため、誰にも止める事が出来ない。
フ「そういえば、吸血鬼が血を飲んだらどうなる
の?」
メ「吸血鬼が血を飲んだら…まぁ強くなるんじゃな
いか?
それか回復する為とか…詳しい事は知らん」
フ「へぇ、じゃあ普通の人間であるムッくんの血を
吸っても、何の効果も無いって事だねぇ」
メ「だと良いんだが…ムクは異世界人だからな…
何が起こるか分からなかった…ん?」
メメモリは何かを感じ取り、飛行するのを一回やめて、その場に留まる…
フ「どうしたの?」
メ「いや…なんか変な波動を感じた様な…」
フ「メメ…いつからそんな厨二病に…」
メ「違う…
…!?」
フランペインと会話をしていた瞬間、何やら空気が重くなる…
そして次の瞬間、月が紅くなり、空全体が紅く染まり始めた…
メ「んなっ!?」
フ「わぁ~~~♪紅~~~い♪」
メ「関心してる場合か!?
…夜がおかしくなる…コレは吸血鬼の仕業だ
な…」
フ「そういえば、吸血鬼が禁忌郷に来た時もこんな
事になったよね♪」
メ「あぁ…それで禁忌郷中の悪魔があの月を見て…」
メメモリが過去の事を思い出そうとした瞬間、地上から何かが飛んできて、二人は軽々しく攻撃をかわす…
メ「…なんだ?」
フ「メメ、周り囲まれてるよ」
メ「あん?」
フランペインの言う通り、二人の周りには沢山の魔物達が飛翔しており、四面楚歌状態となっている…
禁忌郷では動物や鳥、虫の他に魔物や精霊と言った種族も存在する世界であり、特に魔物は人間に害を与える種族であると共に、魔術師にとっては必要不可欠な種族でもある。
力のある魔術師は魔物を捕まえて永久的に奴隷として酷使するか、(魔物は不滅の存在な為)ストレスを発散する為に攻撃するか…とりあえず、禁忌郷には居なければならない種族でもある。
フ「なんだ、雑魚ばっかりじゃん」
メ「みんなあの月を見て興奮状態だな」
フ「まぁ、相手にしてたらキリが無いね
無視して行こっか♪」
メ「だな」
「おいお前ら!!」
メ・フ「?」
二人は強行突破の準備をし始めた途端、魔物の中から威勢の良い魔物が一人飛び出してきた…
「お前ら!よく聞け!
オレはルナイトネス!お前達!勝負しろ!」
啖呵を切って来たのはルナイトネス ∕ 孤月の小悪魔。
魔物の中では比較的強い部類に入り、二人の周りを飛んでいる魔物のリーダー的存在である。
メ「なんだ雑魚悪魔、今忙しいんだよ」
ル「フン!今のオレは強くなんだ!
今ならお前らみたいなクソ魔術師をけちょんけ
ちょんにして…」
フ「咒詛 詠唱」
ル「………へっ?」
フ「【逃れられない断罪】」
フランペインはルナイトネスの啖呵を聞き入れずに、咒詛を詠唱し始める…
掌に野球ボールぐらいの玉を作り出し、上に掲げた瞬間、花火の様に破裂し周りに居る魔物達に攻撃をし始める…
ル「ちょっ!?うわっ!?待って…」
(ドガーン!!)
ル「ギャアアアァッ!!!!」
ルナイトネスはフランペインの攻撃に当たり、無常にも墜落して行った…
周りを飛んでいた無数の魔物達もフランペインの攻撃に当たり、消滅するかルナイトネスの様に墜落していった…
フ「ふぅ、あらかた片付いたね♪」
メ「…お前容赦無いな」
─────────────────────
その後は何事も起きずに、二人は深緋の館に到着し、館内に侵入する。
中は大階段と大広間、さらに絵画や甲冑、薔薇の花が生けられた花瓶が置いてあったりと、とても吸血鬼が棲んでいるとは思えない…
フ「じゃあ、俺はムッくん探すから、メメは悪魔退
治よろしく♪」
メ「…お前、面倒な事ばかり押し付けてないか?」
フ「うん♪(満面の笑み)」
メ「………」
メメモリはツッコむ事をやめて、館の捜索に入る。
メ「はぁ…相変わらず自由な奴だな…」
(ビュンッ!!!)
メ「!!」
メメモリは殺気を感じ取り、壁や机を器用に扱い、必死に逃げ回る。
メ「…コレは…注射器
……って事は」
「おや?全て避けるとは…
やはり賢者様には敵いませんね」
階段の上から見下ろす様に喋り、小馬鹿にしたようにメメモリの前に現れたのは館の執事をしている男、ヴラッディだ。
不敵な笑みを浮かべながら階段を降りてきて、メメモリに語りかける…
メ「…ヴラッディ」
ヴ「やぁメメモリ、土足で上がり込むなんて良い度
胸してますね」
メ「この館…何処で血を踏んで汚れるか、分からな
いからな」
ヴ「一体何の御用ですか?
ただいま坊ちゃん……いえ、イフィア様はお忙
しいので、帰ってもらえますか?」
メ「戯けた事抜かしてんじゃねぇよ人攫い
お前が誘拐した人間を取り返しにきた、ついで
に何か企んでるお宅のご主人様をシバいてな」
ヴ「…フフ、彼はもう我々のモノですよ
貴方の言う通り…あの人間は特別だった…
イフィア様もお慶びです
…そういえば、私も貴方に聞きたい事があるの
です」
メ「…なんだ?」
ヴ「あの人間がどう"特別"なのか…詳しい事を教え
てもらってませんでした
だから…
教えろよ、葬儀屋」
にこやかだったヴラッディの顔は冷たく、殺意を向ける目となり、戦闘態勢に入る…
メメモリも本腰を上げて、相棒であるスコップを構えて、仕事モードに入る…
メ「ふん、お前を血塗れにしてやんよ!」
ヴ「射撃 詠唱〖血吸い針〗」
─────────────────────
メメモリとヴラッディが抗争を始めたと同時に、フランペインは館の地下通路に居た。
深緋の館は地上の館の他に地下も存在し、食料となる人間を閉じ込める為の数多の牢屋がある。
フ「フッフッフのフ~~~ン♪
地下って暗いし狭いしジメジメしてるし…俺好
きなんだよね♪
助けを求めても、仕方が無いしね♪」
「助けてくれぇえぇえ!!!!」
フ「ほら、こんな感じで………ん?」
助けを求める声は、妄想では無かった…
フランペインは目を凝らして見てみると、痣と傷だらけの男が前方から走ってきて、助けを求めて来ている…
「殺される…!殺される…!!殺されるッ!!!
ア」
フ「お?」
叫んでいた男は突如黙り込み壁の方を向き…
「あっ…あぁ……!あぁああっ…あぁ……!!!
ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!
ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!
ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア!!!」
(ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガン ッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!)
狂った様に叫んで、壁に思いっきり頭を打ち付け始めた…
男の叫び声と壁に頭を打ち付ける音が地下通路に響き渡り、普通では無い事が分かる…
フ「ちょっとおじさーん、そんな事してたら死んじ
ゃうよー?」
フランペインは男の傍に近づいて、馬鹿げた行為をやめさせる。
しかし、男に触れようとした瞬間、何かを感じ取り、男を無視して先へ進む事にした。
フ「(…アイツ、何かの呪いにかかってた
下手したら、俺にも伝染りそうな…強い呪い…)
"地下室の魔物"……フフフ♪面白いじゃん♪」
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牢屋の外から恐ろしい雄叫びが聞こえてきて、ムクは端に寄って耳を塞いで目を瞑る…
この牢屋に閉じ込められて、早数時間…ムクは寂しさと恐ろしさに怯えていた…
そして…元居た世界に居た頃の事を思い出してしまう…
傍若無人と化した母から身を護る為に、押し入れに身を隠していた時やクラスメイトのイジメによって仄暗い密室に閉じ込められていた頃の事など…嫌な記憶が想起され続けて行く…
ム「…今思えば…僕の人生に日が当たる事なんて無
かったな…
ずっと暗くて冷たい…まさにこの牢屋みたいな
物だったな…」
ムクは何故自分の人生があんなに不運だったのかを改めて考えてみた。
家庭が崩壊したきっかけは父親が原因で…高校でイジメられる様になったのは………
ム「…なんでだっけ?
もう忘れちゃった…
確か………」
「……ねぇ」
ム「!?!?!?」
考え事をしていたら、牢の外から誰かに話しかけられ、ムクは声にならない叫びをあげて、目を丸くする…
ム「…えっ?子供…」
牢の外に居たのは、小学校低学年ぐらいの少年だった…
右足に足枷、左手に手錠がぶら下がっている…
「何してるの?」
ム「きっ…キミは?」
「…キミ、いい匂い」
ム「…へっ?」
「さっきの血と同じ匂いがする…ジュルリ」
ム「えっ…?あの…?」
「甘い赤い美味い甘い紅い美味い甘い朱い緋い茜い
赤イ赤イ赤イ赤イ赤イ赤イ赤イ赤イ赤イ赤イ赤イ
紅イ紅イ紅イその血………もっと頂戴…欲しい頂
戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴頂戴…」
ム「ひっ…!?」
様子のおかしい少年を見て、ムクは戦慄する…
何か…ずっと聞いてたら、頭がおかしくなってしまいそうで…
フ「ムッく~~~ん!!」
ム「!!
この声…!!
フランペインさん!!」
ムクは精一杯の大声を出して、フランペインらしき声に助けを求める…
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フ「おぉ~~~ムッくんだ~~~♪
何してるの~~~?」
フランペインはムクの声に気がついて、牢屋にやって来た。
そして、囚われているムクを見て、フランペインはニヤニヤしだす。
ム「ふっ…フランペインさん…なんで…助けに来て
くれたんですか…?」
フ「うん♪そうだよ♪」
ム「どっ…どうして…?」
フ「まぁ、メメが助けに行くって言ったから、来た
んだよ♪」
ム「ぼっ…僕なんか助けても…意味なんか無いです
よ…」
フ「そうかもね~~~♪
でも、メメは優しいからね♪」
ム「………」
フ「ムッくん、この世界はねキミみたいな子でいっ
ぱいなんだよ♪」
ム「…へっ?」
フ「ここ禁忌郷では、王国から爪弾きにされた人種
の巣窟なんだ♪
俺もそうだし、メメもそう♪
みーんな忌み嫌われし者♪みーんな迫害された
んだ♪メメがそう言ってたでしょ♪」
ム「………」
メ「だから、キミがそんなに卑屈になる必要が無い
んだよ♪」
ムクはフランペインの言葉を聞いて、心が動かされてしまった…
フランペインの笑顔のせいなのか…話術のせいなのか…分からないけど…
ム「…ありがとうございます…フランペインさん…
ちょっと元気が出てきました」
フ「フフフ♪そっか♪
…あっ、ムッくん」
ム「?」
フ「"フランペイン"は長いから、"フラン"って呼ん
でって、最初に言ったでしょ?」
ム「へっ?」
フ「"フラン"って呼んでくれなきゃ、助けてあげな
いよ」
ム「えっ?あっ………?」
ムクはこの状況でそんな事を言うフランペインに理解が出来なかったが、素直に呼ばないと本当に助けて貰えないと思い、緊張しながらフランペインの名前を呼ぶ。
ム「…………ふっ、フラン…さん?」
フ「………」
ム「…えっ?フランさん?」
フ「なんか距離を感じる~~~
もう俺達友達でしょ♪」
ム「………友達」
ムクは再び心が動かされた。
もう何年も居なかった、"友達"…ずっと孤独だったムクにとって、友達と言う言葉は効果は抜群だった。
ム「………じゃっ…じゃあ…フラン……くん…?」
フ「……フフフ♪
はーい♪フランくんで~~~す☆」
(シュッ!!)
嬉しそうにフランペイン(以下:フラン)は鞭を振って牢の戸を破壊して、中に入る。
ム「あっ、フランくん…さっき変な子供が居て…
その子も助けてげて…」
フ「…………」
ム「ふっ…フランくん?」
(グイッ)
フ「うわっ!?」
フランはムクを押し倒し、ムクは床に転がり込む…
そしてフランはムクの片足を持って…
ム「ちょっ!?フランくん!?」
フ「わぁ~~~♪」
ムクの服の中を覗く…
ムクが着用している衣類は上半身のボロボロの上着だけでおり、その他は何も着ておらず、裸である…
なので、フランはムクの裸を見ている事になる…
フ「ムッくん可愛いね♪」
ム「やっ!やだ!!やめて!!見ないでよ!!」
フ「良いじゃん♪減るもんじゃないし♪
あっ、触っていい?」
ム「だっ!!ダメ!!」
(ズウゥゥゥン!!!!)
ム・フ「!?」
ム「なっ…何!?」
フ「…メメの奴、暴れてるな」
ム「えっ?」
To be continued
キャラクター
*ヤマト ムク ∕ Yamato Muku
異世界人です。
案外ちょろいです。
*メメモリ・ユートン ∕ Memory Yuton
理想郷の葬送人です。葬の魔術を得意とします。
戦う葬儀屋さんです。
うっかり殺した相手は自分で埋葬します。
*フランペイン・トーチア ∕ Frampeine Tocia
至極の嗜虐です。虐の魔術を得意とします。
話術に長けている変態です。
ムクには庇護よく出てきて、ゾクゾクします。
*ヴラッディ・カーマイン ∕ Vladi Carmine
深緋色に染まる執事です。血の魔術を得意とします。
戦闘態勢に入った執事さんです。
医者に間違えられますが、医者ではありません。
*ルナイトネス ∕ Luniteness
孤月の小悪魔です。月の魔術を得意とします。
月の魔力から生まれた通りすがりの悪魔です。
自然の善い部分は妖精や精霊として、悪い部分は小悪魔として生まれます。




