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卒業後
卒業してすぐ、ユリは家を出た。
「お世話になりました」と頭を下げて、ママとパパの家を出ていった。
本当は、ずっとそこにいさせてもらいたかった。あの優しさの中に、居続けたかった。
でも、自分の存在が迷惑になっている気がして、いたたまれなかった。
「もう誰にも甘えちゃいけない」と、心に言い聞かせて。
最初に選んだのは、夜の仕事だった。
昼よりも稼げる。学歴も職歴もない自分でも、受け入れてくれる場所だった。
ひとり暮らしを始めたが、母親に見つかるのが怖くて、身を隠すように生活した。
警察に相談し、住民票の閲覧制限の方法や、捜索願を受理させない手続きも教えてもらった。
「出来るだけのことをした」と思っていた。だが、それでも――見つかった。
ある夜、インターホンが鳴り、玄関のドアが激しく叩かれた。
そこに立っていたのは、母親だった。
どうして住所がバレたのかは、今でもわからない。
ただ、それを境に、ユリは“追われる生活”を送ることになる。




