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毒親育ちの自伝小説  作者: YuRi.
第1章
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15/15

現在

そこから約10年間。

ひたすら引越しを繰り返してきた。人の何倍も、転居を重ねてきた。

電話番号も何度も変えた。誰にも知らせなかった。

その結果、学生時代の友人とは誰ひとりとして繋がっていない。

連絡手段も、記憶も、すべてを断ち切った。


その10年の間に、ユリの心は壊れていった。

眠れず、食べられず、自分を傷つけずにはいられなかった。

何度も、何度も、死のうとした。

でも、死にきれなかった。

それでも生きていたのは、“死ぬ勇気すらなかったから”かもしれない。


精神科に通い、ついには障害者手帳を持つことになった。

「もうまともに働けない」と医師に言われた時、安心と絶望が同時に押し寄せた。

ああ、これでもう“普通”には戻れないんだ、と。


それでも今、ユリには結婚を考えたい相手がいる。

支えてくれて、理解してくれて、「一緒に生きよう」と言ってくれる人だ。

でも、アラサーになっても貯金もなく、仕事もできず、引越し続きの人生を送ってきた自分には、堂々と未来を語る自信が持てない。

幸せになりたいと思っているのに、その幸せを掴んでいいのか、わからない。


だから願う。

もし、これを読んでいる人の中に、過去の自分のような境遇にいる人がいるのなら。

お願いだから――私のようにならないでほしい。

誰かに助けを求めてほしい。

逃げられるうちに、心が壊れる前に。

「誰も最後まで助けてはくれない」

それでも、救われる“途中”には、ほんの少しだけ光があるかもしれないから。


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― 新着の感想 ―
私は顔も名前も知らない赤の他人ですが、ユリさんに少しでも多くの幸せが訪れることを祈っています。
2025/05/22 20:46 退会済み
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