ヰ126 流れ星たち
格差社会に苦しんでいる元繊細孤児の民難さ~ん!生きてますか~?
実射系Vチューバー、音無伊火鬼どS!中2ングはバッチシだよー。
ところで、ばっちい民難は、もうお風呂に入れたかなあ~~?無理かなあ~?そっかぁ~シャンプーの時、目開けられないもんね~
あらら、今日はどうせツ吸う凄いわねえ……。
じゃあ良い機会だから聞くけど、民難は、地動説と天動説、どっちを信じてるのかな??
流れ星よろぴく~☆
灰!『単勝地方競馬』さん、こんにちは~承知仕早漏!接写、音無伊火鬼と申す者でござる。
は~い!『まっさらタウンの三頭身』さん、いつもアリガトー!
……『明治子ども乳業さん』さん、初めましてー。青春甘酸っぱ茶をありがとねー!……そういうアナタは酸ッパイなのかな?
赤リンゴと青リンゴ、どっちが好きですかぁ~?
え~と、負けじと素っ裸茶してくれた『シンバル・給料同じ・笑みり(笑)』さんと、『煉炭時差ボケ風化』さん、…あと『斧魔血殺屠流』さん…て読むのかな?民難みんなアリガトー!お前らこっち見んな~
なんか色々、献花売ってきてるみたいだから、伊火鬼ちゃんも炎上ん全開!臭液停止覚悟でイックよーー!!
2次元ペラペラ少女、音無伊火鬼は、立体的なポリゴンきしめんヘアをユラユラとさせながら、
戦闘民族らしい(設定)闘志をむき出しにして、ファイティングポーズを取っていた。
「なんか、バチクソに萌えてるぞ……」
と、豊子キッズビル緊急対策本部で、金髪滅種ヘアーの新ジャガーがPCから顔を上げる。
「ネルネ、今日は参加しなくていいのか?」
「ええ。今回は伊火鬼ちゃんの意向で会議に参加しない方向になったのよ。」と白のロリータドレスの首に、純白のむち打ちギプス(←New!)を装着したネルネが言った。
「…竹千代さん大丈夫か?……なんか滅茶苦茶叩かれてるみたいだぞ。」
「ドレドレ?お姉さんに見せてご覧なさい。」
ジャガーはヨッコイショ、とディスプレイを持ち上げ、ネルネの前に抱えて持っていった。
「……お姉さんて……。だいたいお前、年下だろ。同い年ですらないじゃないか。」
「私は中2よ。」
「でもそれって、成績優秀で飛び級してただけだろ?お前、実年齢では小6じゃん。」
「まあ、そうだけど、……前世の分も含めたら私の方が圧倒的に年上よ。」
「まあ、それを言われると確かにそうだが……」とジャガーは言って「そもそも、前世ってのは事実なのか?その新しい魔法の杖は結局効力はあるのか?魔力は少しでも溜まったのか?」と聞いた。
「……おジャガ?質問が多過ぎるわ。最初の質問をもう忘れちゃったじゃない。」
「はぁぁぁぁ………」とジャガーは盛大に溜め息を吐き、音無伊火鬼が喋りまくる画面に再び向き直った。
『……で、君らの少ないノーミスでクリア出切るレベルで言わせてもらいますと~、お星さまになったマザーを裏切った男を許すことは出来ませ~ん。今のあなた方の例え話ですとー、
人生の一番大変なタイミングで海外に逃げて?え?いざ戻ってきたら、お金で解決しようとする?そんな男、サイテー過ぎて許せませ~ん。』
伊火鬼は、とても常人とは思えない動体視力で、ドロップインハウスの元キッズ達が送ってくる、すぐに消えていく流れ星を斜め下に見下しながら言った。
『でもね?アタシのマザーはヒロ~いん心を持って、い、ま、し、た、か、ら!
その海外に逃げた男を、恨んではいませんでしたよ~?…でも、怒っていた。もんのすごお~く怒っていた。もぉ撃オコ鱗粉Momですよ!蝶のように舞い、ハチ公のように待つ!帰ってきたら奴の喉をかっ切ろうと思ってたんじゃないかしら~?』
『それなら伊火鬼ちゃんにかっ切ってもらいたいな』と、まっさらタウンの三頭身が言った。
『伊火鬼イヤよ~。喉かっ切ったらイいッパイ血が出るんでしょ~~?お葬式大変じゃないー。まっさらタウンの三頭身さんは重度の魔族なのかな~?いくら三度のめしよりサドが好きな伊火鬼でも、そこまではシてあげないからね~。他の座高高めの雑魚くん達もヤバいコメットはやめてね~。いくら弱者相手のキャ売クラ美人ネスでも、あんたらじーさんの時差通(勤)ほう助までは致しませ~ん☆』
『伊火鬼ちゃん?アナタの未納え話はどーでもいいわ。』と明治子ども乳業が割り込んでくる。『そろそろ年貢の納め時よ……。アナタが裏でしていることは、全部こっちにはお見通しなんだからね!この場でバラされたくなかったら大人しくお縄を頂戴しなさい!』
『え~~伊火鬼がナニしたって言うのよ~?こわ~い。アンチが伊火鬼を逆探知??
……リンゴ3個分の重さしかない脳みそでよく言うわ~。一方の伊火鬼ちゃんはアンドロメダ・ギャラクシーよ!質量は太陽の約1兆1400億倍あるから、よろピクセル!』
『ほざいてなさい。』と明治子ども乳業が返した。
『アナタの位置は特定したわ。今カンパ二ーのスタッフがそっちへ向かっている。フフ、もうすぐ到着するわよ。お遊びはおしまい。震えて待ちなさい!』
『うっそ~コワ~イ!誰か伊火鬼を助けて~』
『ちょっとちょっと待ちなさいよ!明治子ども乳業さん?アナタ、ひょっとしてあの大企業の人??』と、シンバル・給料同じ・笑みり(笑)がスパチャコメントを打ち込んでくる。
コメントはキラキラと光り、しばらく画面にとどまった。
『流れ星アリガトー☆彡』と伊火鬼が感謝を伝える。
新宿、明治通りを一本奥に入った路地裏の薄汚れた雑居ビルの一室で、
闇の医師、無頼孔雀は、
………そうか。楓は俺を待っていてくれたのか……。『恨んではいないが、怒っていた』……今日はそれが知れただけでも十分だよ。ハウスの元キッズ達……ありがとう。と考えていた。
……でも、それにしても、さっきからつっかかってきている、この明治子ども乳業って何者だ?
伊火鬼ちゃんの正体を特定して、顔バレを狙っているアンチか??
最近、竹千代くんは豊子塾の活動にもガッツリ関わっているし、もうあまり正体を隠すことに無頓着になってきているような気がしてはいたんだ……。
音無伊火鬼のキャラデザを担当した有名壊死「腐乱ちゃん」が豊子塾公式のイラストを手掛けているし……、もう顔出しも間近なのかな………
……豊子さん……今のキッズ達を見たらアナタは何を思うんだろう。
実を言うと、この俺も、ネルネくんから正式に打診があって、豊子塾の講師を依頼されている。専門医学講座を開設してほしいとのこと。
……この件はもちろん竹千代くんも知っているはずだ。そのうえでネルネくんが俺を誘ってくれているのだとしたら……。
………いや。過度な期待はしない方がいいだろう。音無伊火鬼がツンデレであるだなんて……そんな公式設定は存在しないはずだ……。
その時、画面上のバーチャルアイドルがリズムを取りながら肩で左右に揺れ出し、
『阿羅ら~、阿修羅~毘沙門天~、ホントーに特殊部隊が突入してきたわ~。』と、のんびりした声で言った。
『では緊急企画~~、伊火鬼ちゃんの禁断の配信部屋、全公~開♪防音設備が完璧だから、ここでアサ死ねートされても、お隣の人に気付かれないかも~。もお、悪、鬼、羅、刹♡(サ、イ、ア、ク)』
画面にガスマスク、防弾チョッキを装着した黒ずくめの男達が写り込み、
手にしたテーザー銃がこちらに向けられる。
次々にスポトン!という発射音がして、
すぐに……バチバチバチ!!という激しい破裂音がした。
『やだぁ~、この人達、お子ちゃま相手に本気っき~~』と画面外から伊火鬼の声がした。
『生きたまま捕らえて!』と言う明治子ども乳業のコメントが、画面に光りながら張り付く。『流れ星アリガトー☆彡』
その言葉が終わるか終わらないうちに、
急にカメラが横に倒れ、シュパン!と音速を突破した衝撃波が画面を震わせた。
ズパパパパパパパパ…………!!
倒れたカメラの先に、ピンク色のリボルバーを持ったバニーメイド服・改を着た背の高い影が掠り、
ズボンを脱がされた人影がバタバタと倒れていく。
「派手にやるわね……」
と、ネルネが満足そうに頷いた。
「どうなってるんだ?!」とジャガーが目を白黒させて画面から振り返る。
「今日のことはチヨさんも察知していたの。だから現地におつうと葉南を向かわせていたのよ。」
「葉南ちゃんはともかくとして、なんでナンバーツーまで?!だってアイツ、倫護カンパニーの手先だろ??」とジャガーが言う。
「前倒しのホワイトデーよ。おつうにチヨさんと会わせてあげる、って言ったの。でね?カンパニーの支配から逃れる為に、私の為に働きなさい。って改めて言ったのよ。そしたら泣いて喜んでいたわ。……あの子は根っからの奴隷だからね。CD売上、DL数、ストリーミング再生数共に、美少女ネルネちゃんのロリコンチャートで、あの子のオシリに烙印♡してあげたから、一発で陥落したわ。エロフと同じよ。」
「……それ、具体的にナニしたんだ……いや、聞きたくない……」とジャガーは言った。
『……ナンバーツー!?どういうこと?!これは重大な就業規則違反よ!!始末書よ!1ヶ月の減給処分よ!夏のボーナスは諦めなさい?!』と明治子ども乳業が叫ぶ。
カメラの前に立ち、自動で音無伊火鬼のガワを被った難波鶴子が、『申し訳御座いません。人質に取られていた弟が、今までは自分の意志ではカンパニーから抜け出せなかった為、長年ここで働いてきたのですが……
つい先日新しい主に御紹介頂きました退職代行サービス《むう森》の手を借り、この春ようやく弟の退職が決まりました。この度は私も辞表を提出させて頂きます。今まで有り難う御座いました。』と頭を下げた。
『なんだこれはwww』
コメットが物凄い勢いで降り注ぎ、
『本日の無音AMダイレクトは終了いたしました』の文字が画面に表示される。
「先生。」
びっくりして孔雀が後ろを振り向くと、
そこには金髪エスカルゴヘアの美人助手、メジ子が立っていた。
「……またそのVチューバーを見ていらしたんですか?」
「あ、ああ……」と戸惑った様子の無頼孔雀が頭を搔きながら振り向く。
「午後から手術ケぺーの予約が3件入っています。」「ああ、そうだったね。」
「先生?」「ん?」
「今後とも宜しくお願い致します。まだしばらくお世話になると思いますので…」とメジ子が頭を下げる。
「ん?あ、ああ……こちらこそ宜しく……」
と孔雀は言うと静かにノートPCを閉じた。
『shooting stars』




