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永伝(エデン)   作者: ちがタニ
永伝(エデン) 第4章 重力族編
45/46

8.ゴルゴンゾラ対ゴルゴンゾーラ

前回のあらすじ

久の元に現れた伯爵は江美を行動不能に陥れ、重力族が攻めてくると抜かす

激昂する久だったが、事が事だと渋々納得し

邪族軍と共に重力族を相手取る

はずだったが、現れた重力族達は突如現れた謎の5人の鬼によって倒され久達はそれと対峙する

そんな中、ピンチのギガースの元へゴルゴンゾラ第1提督が駆けつけたのであった


「グィーギャァー!」

ズギャァン ズギャァン ズギャァン


時は、3つの伯爵達が寸断された、かの時間


「きっ…!」伯爵はすぐさま駆け出した、判断こそ瞬間的には冷静だったが行動は決してその限りではない、警戒や計算など以ての外

ただあまりある力の限り走り続けた


「はぁはぁはぁはぁ…」

「ヒヒヒ、逃げるなんて君らしくもない」ほとりで身体を休める伯爵にあの男が寄る


「貴様こそ逃げてきたんじゃないか延盤夜寄(えんばんやき)伯爵。」


「戦略的撤退と言ってくれよ、君と違って優雅なものさ」

「なにが…優雅な、ものか」

「はぁ〜本当にどうしちまったんだ?いつも無駄に高いプライドで僕に反抗していたというのに、今の君は疲弊を隠そうともしない…」

ふと、延盤夜寄伯爵は銅羅夜寄伯爵を凝視した


「もしかして、仮面を被っていないのは格好付けではなく紛失いや、損壊した?そしてそれからかなりの時間が経っている…そしてそれをやったあるいはそうなった結果に導いた者に酷く怯えている…?君が負けるなんて滅多なこともあるもんだな」


「相性が…悪かっただけだ」

「相性て、いwいw加減にしてくれよ。本当にあの君とは思えない」そう言いつつワープゲートを開くと、何かを取り出し銅羅夜寄へと投げつけた


ドガッ

「ちっ、なんだこれは。!?」それは銅鑼を2枚貼り合わせたような自身の仮面であった

「被れ」

「誰が、貴様なんぞに」スラッ

延盤夜寄がサーベルを構える


「被らなければ殺す、言っていたはずだ。僕には死んでもタダでは殺されないと」

「はぁ…」銅羅は渋々仮面を被った


「ヒヒヒ、それでこそだ、さて始めようか…記念すべき再会の日だし君と僕が初めて出会った時を想い返すのはどうだろうか?」


しばし時が流れたあと、銅羅はため息をつく


「フフフ、ワタシこそは重力族支配階級第3位

銅羅夜寄伯爵!貴様の命、頂戴する」


「ヒヒヒ、僕の名前は重力族支配階級第2位

延盤夜寄伯爵!君のダイヤは僕の手中さ」




「グギギ…ィ、ィ、ィゴルゴ…」「ンゾラ」

「ダイチ」「テイ」「トグォォォォォ」鬼達の視線が一斉に提督へと向けられた


「下がっていろ、友の姪よ」

「火賀利です!提督、奴らは何者ですか?」

「来る…!」「え?」ゴォォォ


大剣を携え、高速で跳ぶ

「バァァキェェ」ブゥンッ ブンッ

「こいつらはゴルゴンゾーラに落ちた屑共だ」

「てっ提督…!」

「ハガァルッ」ギンッ ギンッ


「上の連中、ワシが死んだと納得せずに殺すための部隊をよこすとはなあ」ヴォンッ ガスゥ

「ギャギャギャンッ」

提督は、ゴルゴンゾーラ達の相手をしながらも


「大人しく死んだことに怯えて侵略を諦めてくれりゃよかったものを全く厄介な」

「ドゴォォォ」ガキュィィン

皆に聞こえる声でぶつくさ文句を垂れていた


「制御の効かない暴君ばかりを集めた70番台、その中で最強と名高い78番と戦うことになるとは全く…光栄なこった!」ブンッ

「グィギャァァァ!」ジャンッ

ガギャギャギャギャギャギギギギィィィ


鍔迫り合うゴルゴンゾラ第1提督とゴルゴンゾーラ第78提督

先のゴルゴンゾーラとの戦闘で圧倒的な力を見せつけられた邪族達はただぶつかり合う彼らを遠目から眺めることしか出来なかった


「…。」ギリギリギリ

そんな光景の一部と化していた久の脳内では

以前ゴルゴンゾラと会った時の記憶をひたすら思い返していた


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ワシも全力で行くとしよう!」

「か弱い女子の力では随分と脆く儚いものだな…」

「なんだ…あの時の復讐か?」


「おじさん、私この前のこと許してあげるから…おじさんももう許してね!」

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(あの時ぃもっと、知ろうとしていれば……

ゴルゴンゾラ等とぐっ…許しはしなかった!)


久の背より這い出るように伸びた龍槍刃が

脈打つように唸っていた

そんな光景を見ていた優は、訝しんだ


「ゴルガァ」「ギャゾラギャン」「イチテイ」「トグォォォォ」倒れていた4体のゴルゴンゾーラが起き上がり叫びをあげる


「グィィィギャァァァ」呼応するように78提督も目の前の第1提督にお構い無しに叫び声をあげた

「ちっ、うっるせえ…何しやがんだ!」ギャギャギィギャギャギャギャ


より大剣に力が加わり激しさが増したその時…

「なんだっ?」

「ガル!」「バキ!」「ギャン!」「トゴ!」


4体のゴルゴンゾーラが大剣を構え第1提督目掛け飛び狂う

「ぢっ!」避ける提督、しかし4体は軌道を変えることなく突っ切っていった


ギャギャギャギャギャギャギャァァァン

78提督が4体の攻撃を全て受け止め、勢いを失った4体が周囲に散らばる


「お次は何をしようって言うん…」言い終わる前に4体の身体から大量の闇瘴気が放出される

「なっまさか、邪力解…」

4本の闇瘴気の柱が立ち空に暗雲が立ち込め始めた


「あ、ああ」「おいこれって」「ながっ」邪族達がざわめき出す


「グィーギャァー!」78提督が再び叫んだ事で彼らの不安はますます沸き立ち…


「グィーギャァアアアヴンッヴヴヴ、ジャァァジャリョクジャアリョォク邪力奪取(ジャリョクダッシュ)!」次の瞬間、4本の柱が一斉に78提督へと覆い被る


ドサッ ガサッ 同時に瘴気の隙間からゴルゴンゾーラ達の鎧だけが倒れ、姿を現した


「こんな隠し球を持っていようとはな…」

そう言いつつ自身も大剣を構える

「邪獄斬(じゃごくざん)!」


「ギィーギャァー!邪壊斬(ジャカイザン)!」

ゴヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォ

エネルギーがほとばしる、壮絶な一撃は4本の柱から得た闇瘴気によって巨大な大剣へと姿を変え、振り下ろされる


ギギィギギギギギッ

「ぐぉぅっ」その攻撃の前には流石の提督も耐えきれず、もうダメかと思われた

「力がぁ…足りねえっ」

「流槍刃!」

「なっ!?お前」


「きっ」だが流槍刃があろうともその力には遠く及ばない

「ぐぐぐぐっ」


「はぁーあっ!」「!!??」

(何ぃ!?)

次の瞬間、堕悪、優、ギガーン、ギラン、ギガント、ギガースが第1提督を囲み各々の技を強大な力に当てていた


「ぐおっ!」(行けるっ…これなら、押し返せるぞ!)

「きっ連続…!」

「邪悪…!」「連続…!」「ギガ魔王…!」

「暗黒…」「邪炎咆哮…」「邪光大…!」


「やいばんどげきざんらんけん!!!!!!!!」

ギォォォォォォォ

強大な力は7人の全力によって完全に打ち消され


「グィーギャァぎゃはっ…」「邪光斬!」尚も唸り散らす78提督の隙を逃すことなく第1提督が切り捨てた

「はぁー」それを見て、皆が安堵する


「ふぅ…これでひとまず、安心かッ」ギィィンッ 咄嗟に剣を構え龍槍刃を防ぐ


「おっま…なんのつもりだ!」

「絶対に…許さない、龍槍刃っ!」ガギンッ ギィンッ ギンッ

「ぐっな…何をしているっ」必死で受け流すが以前より遥かに強くなったその畝りに、対応が追いつかない


「なっ、ワシはお前に勝てん!勝負は以前着いただろうが!ぐっそれに…攻撃する気だったなら助けなぞ寄越さねば良かったろうが!」

ガギンッ キンッ キンッ キンッ キッ


ガガガガガガッ 大剣と流槍刃が擦れ合う

「落ち着け伝永久、今のお前はどこかおかっ!」ギガーンが投げ飛ばされ、それによって呆然としていた者達も気を取り戻した


「っ久!いい加減にしやがっ」ズガガガガッ

「カハッ…まじか」堕悪の身体に流槍刃が突き立てられ、また投げ飛ばされる


「っ…久だめぇー!」優の触手が久に覆いかぶさり動きを止める

「優…」

「久?大丈…」だが、草の根を分けるように触手の隙間を練って伸びた流槍刃が優しく優に巻き付く

「ぐっ…ダメっ離しちゃっ」触手は引き剥がされ優も投げられた

「うっ」


「ぎっ!何してんだ久!」堕悪が再び久に迫る

「堕悪死手!」2本の黒い手が掴みにかかる

「連続刃。」

「ぎっ…」次々と襲い来る流槍刃が黒い手に突き刺さっていく

「ひぃさしぃ…」ボォォォォ 久と堕悪の間に炎の波が流れた


「ギラングレファランドラっ」

「ギラン様!」

「わかっている、これ以上手は出さん!堕悪、そこまでにしておけっこれ以上は俺が許さない」

「っなんなんだよ全く…!」傷ついた手が地面に打ち付けられた


キィンッ キンッ ガキィンッ そうしてまた提督への攻撃が再開される

「久、どうして…」


キィンッ

「ぐっ、いい加減に…」「どうして邪族の味方をしていた?」

「なっ何?」困惑したまま受け流し続ける中で久の声が聞こえてきた

「どうして邪族の味方をしていた?どうして邪族の味方を…お前達はゴルゴンゾラなんだろ?」


「ぎぃ、ワシ達は…ゴルゴンゾラじゃねえ」

「ふざけるな!」ギュルリィンッ ガキャッ


畝りを増した龍槍刃が大剣を粉砕し、提督の右腕を落とした

「げほっ」体勢を崩したところですかさず胴体を突きまくり、胸を何度も薙ぎ払った


「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなっ…」

「ダメだよ久、このままだと…殺しちゃうよ!」


薄れゆく意識を必死に保ちながら提督は久の顔を見た、そこに自分の浅はかさが身に染みて感じられた。

「ワシが悪かった、ワシは確かにゴルゴンゾラだ…そう名乗る義務がある、ぐぅ」そこで攻撃は止まった


「何故、邪族の味方をしていた?ゴルゴンゾラは…"本国"の所属だろ?」

「俺達がゴルゴンゾラになったのは…人を助けるためだったからだ、そこには人族も邪族も関係ない。平和のためだ」


平和、その言葉を聞きずっと、内に秘めていた思い出の一部が呼び起こされていく

「英雄ゴルゴンゾラは、旧邪族戦争を終わらせた…だが邪族軍の主力兵器を破壊した後、自分達の戦艦も沈めそれ以上の攻撃をしなかった…か」


「よく知ってるじゃねえか、ゴルゴンゾラは邪族を殺そうとしていたわけじゃねえってよ…」

「ゴルゴンゾラと平和って本を読んだことがあるの」


「ははっいいじゃねえか、本に書いてあること本当かどうかなんでも答えてやるよっ」

「本当に!?」

「ああもちろん…」久、いや雄はようやく心を開いたのであった


「じゃあ提督、ゴルゴンゾラ坂という名」バァン


提督の即胸部を貫いた弾丸は、そのまま核にぶつかって炸裂し、提督は塵となって消えた


ありとあらゆる感情が巡った

それは長くとても長かった

時が終わった時真っ先に向けられたのは弾が発射された地点


龍槍刃が畝る


「なぬあああっ」目にも止まらぬ速さの突きを間一髪、邪族達は回避した

恐る恐る、自らが立っていた場所に目を向けると


龍槍刃は、地面に置き捨てられた銃に突き刺さっていた

それを持っていたであろう者の影は、とっくに消え失せていたのだった


闇瘴気の雲が晴れていくと同時に

雄の心は悲しみを帯びていった

「うわあああああああああ」

次回予告!

泣き崩れる久を連れ、国守官管理所へと戻る一行

江美が元に戻ったという知らせを受ける中

銃の主の在り処が判明する

そして、伯爵達の行方は何処に

次回 第4章 9.問いの理由(わけ)(最終回)

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