↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永伝(エデン)   作者: ちがタニ
永伝(エデン) 第4章 重力族編
44/46

7.重力族襲来

前回のあらすじ

突如始まったトーナメントバトル

江美対氷河、堕悪対優、上闇対佐藤、鈴木対黒田がガチの戦いを繰り広げ最終的に鈴木と堕悪の一騎打ち!だがまたもや愛羅武勇の介入により結果は分からずじまいとなったのであった


〜ロウ国・近郊〜


グギッギゴッゴゲッゲゴッ


鋭利な棘を身に纏った黒い山々が大地を汚すように蠢いていた

「あれ…ですか、最近報告された超大型ゾットの群れは」双眼鏡片手に傷が呟く


「全く厄介なもんだ」

「ええ、この進行方向では真っ先にコロニーにぶつかる。早急な対処が必要ですね、REDレーザーの使用を検討しなければ」

「やはり、そうなるな」


「でも、確実な確認が出来てよかった。わざわざ4人で来た甲斐がありましたね!」


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「弐参!泥発!お前たちは留守番だ!」

「あいよぉ!」

「ぬぅぅ、仕方あるまいか」

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「だな!」

「では爺符さん、我々は発射目標地点の状況を手分けして確認するとしましょうか」

「ああ、そうだな」


遠ざかる2人を他所に傷はふと辺りを見回し今日ここに来ているもう1人の姿を探す

「あっ!いたいたー」

誰よりも慕う者の背に駆け足で歩み寄る


「夜多さんっあんまり遠くに行かないでくださいよー…って、聞いてます?」その背はこちらを振り向くこともなくただまっすぐに前を見ていた


「傷…見てくれ」

「…?」そこには透き通る青い空、地平線の彼方まで見通せる広大な地、もはや慣れたいつもの光景が広がっていた

「僕らは掴んだんだ…犠牲を得ながらも、この素晴らしい景色を見ることができたっ…」


「そうですね」気づけば、夜多の腕に手が伸びていた。あと少し、指先が袖に触れ…


「2人ともー!1度帰還して再始動の準備を始めますよー」

「でぇ事なことは全部帰ってからだっ!」

2人に呼ばれる


「ぐっ、もぅ爺符さん!からかわないでくださいよー」

「ははははっ、さて行こうか」

「はい!」


そうして振り返った2人は背後の影に気づかなかった


ズギャラァン


「き…ずっ」「え?」

倒れる夜多、傷の眼前に斬撃が迫る


ガギィイィン ドガアーッ

「ぐぬぬぬぅ」

「っ爺符さん…?」

「ぐっふぅ、ここいつ…」

(ぐっなんと言う圧力、背後に気を配る余裕がない) あまりの力に足元がひび割れる


「夜多さん!夜多さん!起きてください!夜多さんっ」

「ああっ傷…僕は、ダメなリーダーだった」

ブゥンッ


「超振動アサルト…!」グワンッ

影の主が爺符から離れる


「保打かっあいつはまずい」

「そのようですね、2人を守り切れるかだろうか…」

「守るんだよっ!」爺符が鎌を構える


「保打、傷を連れて…逃げろっ」

「!!??」


「なっ、何を言い出すんですか?夜多さん、僕も一緒に戦いますよ」

「3人でかかれば勝機はあります、その判断は早計かと」

「ダメだよ、逃げるんだ…」


「できません!逃げるならあなたも一緒でないと」

「傷、どうかみんなを率いてやってくれ…君ならきっと、いいリーダーになれる」


「ぐっ…」

「ガハッ」鎌の柄で懐を突かれた傷は眠りについた


「なっなにを」

「はっ、すまねえ…さっきので骨をやられちまったようだ」

「保打、後は頼んだ…お前の装備なら傷1人抱えても逃げ切れるはずだ、この事態を一刻も早くみんなに伝えて…ここで全滅はダメだっ」


その言葉からなる余韻の中で2人は、積み重ねた時間を物語るように想いを交錯させた


「夜多司令…私は、どんな結末になろうとあなたに従うと約束しましたね、それは今でも代わってはいません…喜んで。」

「ありがとう…」


「最後に一つ覚えておいてくださいよ、誰もあなたを恨んだりなどしていません、こんなになるまで皆を率いて下さりありがとうございました、それでは」そうして傷を抱えると飛び去っていった


「これで良かったのか?」

「最善ではないね、でも傷ならきっと。いいリーダーになれるよっ!」

「そりゃあいい話だな…来るぞ」


「グィーギャァー」ズギャァン ズギャァン


「くっ…忘れません夜多司令。」


その事件のことを久達が知ったのは

それからしばらく経った後のことだった




〜カセイ国守官管理所〜


「それは本当かっっっ!」

「だぁっく…聴覚がやられたぞ!」

「そんなことはどうでもいい、ギンガ行きの目処が立ったというのは本当か?」


「…ああ本当じゃあ、わしも驚いたがギンガの代表が直々にお会いしたいと言ってきていてな、船の準備はとっくにできておるしいつでも出発できるぞ」

「そうか!なら明日にでも…ああ…頼んだ!」

通信が終わり、静かに腰を下ろす、そして


「いやったぁぁぁぁぁ!ここまで喜んだことは久しぶりだ、ようやくっあのクソ野郎の首を掴める!やったぞーーー!」


そんな、喜びでいっぱいの久にはここで起きていた違和感を感じ取ることなどできるはずもなかったのである


ビクッ 「な、なんだ?いきなり大声を出して…見つかったかと思ったぞ」違和感の正体、黒いフードを深々と被った男は緊張していた


「こっそりこっそりこっそりなっ…っと侵入成功!よし、ここまでは大丈夫だ…誰にも会わないよう何とか伝永久の元へ行かなければ…こっそりこっそりこっそりなっ!?」


男と江美の目がぴったりと合う


「なっ?なっ、曲者!よくぞこんなところに侵入したな!だが貴様の命運もここまでだ!邪…っわぁぁぁぁぁ」


「大好き大好き大好き!伯爵様だーい好き!」

江美の声が、フロア全体に響き渡った


「大好き大好き大好き!伯爵様だーい好き!」

「やってしまった…」ドンドンッ ガタガタッ

ドンガラガッシャンガラガラガーン


「まずい、この声を聞きつけて次から次へと人がぁぁぁ」


「誰だ!?」「!?」男の目が伝永久を捉えた

「ぎゃああああ」




〜食堂〜

「さて何者だ?いや、見覚えがある。まさかあれで生きていたとはな銅羅夜寄伯爵」

「ぐぅぅ」


「で、これはなんなんだ?」

「大好き大好き大好き!伯爵様だーい好き!」

「おい江美!しっかりしろよ」

「正気を取り戻してください江美さん!あなたは1番そんなこと言っちゃダメな人でしょっ!」


「…それはワタシの能力だ、女性行動不能眼:女性を行動不能にしその場で「大好き大好き大好き!〇〇様だーい好き!」と言い続けさせるだけの能力


しかしこれは常時発動型で仮面を再度着けるまで行動不能は継続される上、能力発動による核エネルギー消費も止まらない…仮面を消し炭にされた以上為す術はない」

うつ伏せの状態で伯爵はそう告げた


「つまり貴様を殺せばいいというわけだな、今度こそ引導を渡してやる」

「ま待ってくれ、ここに来たわけがあるんだ!頼む、話だけでもっ」


「…」ふと優の顔を見る、いい笑顔だ

「わかった、話せ」


そうして伯爵は語り出した

重力族の住処、カセイ別次元での人口圧迫によりカセイを征服するため重力族達が攻めてくること


伯爵は侵略のための偵察として駆り出されていたが伝永雄司に焼かれたことで数日間連絡が途絶え、その場合強制的に侵略の運びとなっていたこと


「それでなぜお前は、わざわざ私にそれを言いに来たんだ?」

「こう見えてもワタシは、重力族としての権力が弱い。生きていることが知られれば殺されるのだよ」

「私がお前を殺さないという保証は?」


「カセイと別次元を繋ぐゲートの場所は予め決まっている、予定より早くワタシがゲートを展開すれば主力の連中は釣られてうかうか出てくるだろう、その戦略的価値を交渉材料としたい。」


「わかった、ひとまず連れていくのはいいとして…一体お前はどうやってここまできたんだ?エネルギー垂れ流し状態で、お前は一体どうやってここまで…」


空気が変わった、部屋中に殺気が満ちる


「待て!伝永久」

「どうやってきたか言え!」怒号が響く


「…確かに、人間からエネルギーを奪った」

「食ったんだろ?化異物のように核を貪って」

「すまない…ワタシだってできればこんなことはぐっ…」ギロッ 久が睨みをきかせる


「とっとにかく今はそれどころじゃないだろう?こ、殺すなら最大限有効活用した後で殺した方が、いいだろぅ?」


「…この野郎。」肩に手が置かれる

「まあ待て久、どうせ逃げられはしない死ぬこと覚悟でここまで来てんだ、その意志に報いるぐらいはしてもいいんじゃないか?」


「堕悪がそこまで言うなら、仕方ないな行くぞ」そうして久達はゲートの場所へと向かった


「急に呼びつけて悪いな、ギガーン」

「いいってことよ、妹の様子を正直に見せてやらねばならんしな」

「本当に助かった」


(重力族の数は未知数だ、急の事で他国はもちろん不在の鈴木やカセイ国軍の手を借りる事もできない状況で邪族軍が来てくれてありがたい…

しかし、こうなってくると邪眼族の手も借りたいものだな。宇元の言葉が重い)


「久…大丈夫?」目の前にいつもの笑顔が困惑した表情を浮かべていた

「心配かけて悪かった、優いつも付き合ってくれてありがとうな」

「えへへっ久とはずっと一緒だもん」


「堕悪、ここまで着いてこさせてすまないな」

「なにいってんだ、俺が好きでいるんだよ」


「上闇、お前は一応一般人なのに戦いに巻き込んで申し訳ない」

「気にすることはないよ、家で待つ家族の為に体を張るのは当然さ」


「なんだぁ?久、急に改まってよう」

「なんでもないさ」(ここが片付いたら、ようやく決着を付けられる。自分のために、そして久が守りたかった皆のために私は進む)


「そろそろ向こうも手揃いのはずだ、ゲートを開けるぞ!」

「わかった、やってくれ」

「無属性能力:次元ワープゲート」


伯爵がゲートを広げると同時に一斉にこちら側へと堂々とした態度の大きな者たちが現れた


「ハハハ、ここがカセイか?」

「へへへ、そのはずなのだが」

「ホホホ、どうやら既に待ち構えられていたようですな」

「ヒヒヒ、どうやら裏切り者がいたようですね」前に大きく立つ3人の隅で佇む男が銅羅夜寄伯爵を見つめた


「きっ…」

「全員戦闘準備、油断するな!」

「待て待て、即戦闘じゃあ面白くない。まずは我らの名を聞くが良い!」3人の中で一際大きな男が声を挙げた


「へへへ、我が名は重力族支配階級第1位

他子夜寄(たこやき)伯爵!貴様らをぐちゃぐちゃにしてやる」

「ホホホ、ワタクシは重力族支配階級第1位

多異夜寄(たいやき)伯爵!貴方がたを調理して差し上げます」

「ハハハ、そして我は重力族支配階級第1位

怒蚤夜寄(おこのみやき)伯爵!お前達を地獄に落とす」


ズギャァン ズギャァン ズギャァン

言い終わった瞬間、その大きな身体は真っ二つに寸断された


「グィーギャァー!」巨大な剣を携え、人の身をしながら獣のように吠える鬼がそこにいた


「なんだと!?」ゴウッ 驚く間もなく迫る鬼

ガギィィィィン

「ギガーン!」「ぐっ…悪いが話せんっ」


「流槍…刃」「ぎゃああああ!!!!」「何ぃっ!?」

技を繰り出しギガーンをねじ伏せる鬼を攻撃した瞬間、他の場所から一斉に悲鳴が上がった


「!?」

見渡すと、他の場所にも同時に鬼の姿があった

「ギグィィィィ」鬼が仰け反りこちらを見つめる


「大丈夫かギガーン」

「ああ、まさか力押しで負けかけるとは…くっ皆を守らねば」

「…っ堕悪、行ける?」「当然だ!」

「優、上闇、一緒に来て」

「わかった!!」


「ギガィィィィィ」

「来るなら来い…!」ギガーンが剣を構える


「フ、全く第1位の方々は何をしていらっしゃるのか…」ズギャァン

「!?」

未だ閉じぬ鬼の背後のゲートより何も知らずに出てきた伯爵達が次から次へと斬られていった

「手当たり次第か…」

「グギギィゲゲゲェ」


「敵は全部で5体か、幸い重力族は障害となってない!」

(1体をギガーンが邪族達と相手取り、1体を堕悪が相手取る、1体を…)


「ギラングレファラン!」

(ギランが相手取って、もう1体を)


「龍槍刃!」「流槍刃!」「上闇の極意!」

ギュルリンッ シュパパパッ ゴゴゴゴゴッ

「私達が相手取る!!!」


(とすると、残り1体の相手は…?)


「くっ…邪光大剣!」

「ギィィアアアアア」ズギャァンッ


(ギガースじゃ荷が重い…!)

「やっぱり、上闇は…」ゴウッ 強風が背後を通り過ぎていくような

「何…?」


「ゴーレムショルダごばっ…」

「シュバリべぇっ」

「ラッキュざぁぁぁ」

迫り来る鬼の圧だけで、邪族達は薙ぎ払われた


「お前達!」

「ギィィアアアアア」

「くっ…ここまでなのかっ?」ズギャッ

ゴギギギギギィン!


ギガースの目の前で火花が散る、それは彼女が求めていた希望の光に見えた

「…おじ、さん?」ガギャァンッ


鬼が吹き飛ばされる

「大丈夫か…?」だが、声の主は

「おじ…ゴルゴンゾラ第1提督?」


駆け抜ける強風と、戦力不足によってギガースに強く気を向けていた久はその言葉が誰よりも聞こえたのであった

「何…だと!?」

次回予告!

重力族をぶった斬り現れた鬼?はゴルゴンゾラに狙いをつける、提督の口から語られる奴らの正体

そして久は提督を襲う

次回 第4章 8.ゴルゴンゾラ対ゴルゴンゾーラ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。