5.公園で。
短いですが、今日はここまで。
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「楽しかったかな、円……」
彼女を送り届けてから、ボクは帰り道の公園で一人ベンチに座っていた。
別れ際に少しだけ微笑んでいたけれど、どうなのだろう。昨日もそうだったのだが、頭の中は円のことでいっぱいになっていた。
きっと『許嫁』という特殊な関係だから、意識しているんだけ。
それは分かっているのだけれど、彼女には笑顔がよく似合うと思っていた。
だからなるべく、不安そうに眉を下げる表情は見たくない。
そう考えていたのだけど……。
「どうして、あんなに自信がないんだろう?」
思い出すのは、謝罪する少女の姿ばかりだった。
何かにつけて迷惑をかけたかもしれない、そう感じて頭を下げる円。
ボクはその都度に誤解だと説明するのだけれど、彼女の心配性はとかくすごかった。夜空を見上げて、首を傾げる。
そうしていると、不意にこう声をかける人物があった。
「それはきっと、私のせいだろうな」
「え……?」
声のした方を振り返るとそこには、大きな車から降りてきた源三郎さんの姿。彼は使用人らしき人物に手で指示を出しながら、こちらにゆっくりとやってきた。
そして、ボクの隣に腰かけて深く息をつく。
「あの、それって……」
「キミには話しておくべきだろう、そう思ってな」
あまりに自然な動きだったので、挨拶の暇すらなかった。
そうこうしているうちに、源三郎さんは顎髭を撫でつつこう口にする。
「あの子――円の母親が亡くなって、しばらくした頃の話だ」
そうして語られたのは、あの少女に起きた辛い過去についてだった。
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