3.まずは『友達』として。
主人公優しいなぁ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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放課後になって。
ボクは田中と明日葉に断りを入れ、円を家へ送ることにした。
元々はお金持ち私立に通っていたらしい彼女は、この辺の地理に不慣れだと思ったからだ。地元が同じとはいえ、駅が一つ違えば景色もガラッと変わる。
「あの……」
「ん?」
そう考えながら歩いていると、不意に少し後ろを歩く円が声をかけてきた。
足を止めて振り返ると、そこには不安げに視線を外す美少女。いったいどうしたのだろうか。しばらく待っていると、円はこう言って頭を下げた。
「今日は、ごめんなさい……っ!」
謝罪の言葉。
ボクはそれを聞いて、首を傾げてしまった。
本当に、いったいどうしたというのか。ボクは訊ねる。
「どうしたの、急に」
「あ、あの……」
すると彼女は、しばらく黙ってから。
「えっと、その……わたし、焦って迷惑かけた、から」
「あー、アレのことか」
そう言った。
ボクは意味をすぐに理解する。
要するに学校でのファーストコンタクトしかり、昼休みの訪問しかり、許嫁という立場を深く考えて行動しすぎた――ということだろう。
たしかに、円がボクに会いにきたことで校内はざわついた。
田中も明日葉も、昼休みのような剣幕になった。
円はそのことで迷惑をかけた、そう思っているらしい。
いやまぁ、迷惑じゃなかったと言えば嘘になる。
でもそれ以上に、気になることがあった。
「ねぇ、円? どうして、そんなに怯えてるの?」
「え……、怯えて、る?」
「うん」
気になったこと。
それは、円があまりに自信なさげに怯えていることだ。
いったいどうして、この少女は泣き出しそうに震えているのだろう。ボクはそれが気がかりで仕方なかった。
そして今、この問いかけにも彼女は怯えてしまっている。
「………………」
沈黙してしまう。
なるほど、まだ話せるような余裕はないようだった。
それだったら今はまだ、無理に聞き出すことはやめておいた方がいいだろう。ボクはそう考えて、ふと円の小さな手を取った。
「え、あの……!?」
「せっかくだし、遊んでから帰ろうか! おススメのたい焼き屋があるんだ!」
「たい焼き……?」
そして、やや強引にそれを引く。
小さな彼女の身体が、ぽすんとボクの身体に埋まった。
「許婚とか、今は考えなくても良いよ。ただ純粋に――」
不思議そうにこちらを見る円。
ボクはそんな彼女に、こう笑いかけるのだった。
「まずは『友達』として、遊ぼう!」――と。
両親の決めた結婚なんて、関係ない。
今はまだ、そんなこと考えなくてもいい。
だからこうやって、仲の良い友達として過ごしたかった。
「リュウヤ、さん……」
その思いが通じたのか、ハッとした表情をする円。
そして、少女は昨日見せたような愛らしい笑みを浮かべて――。
「…………はいっ!」
小さく、頷くのだった。




