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2.いつもと違う昼休み。

ちょこっとコメディという名の日常。

応援よろしくです!







 ――午前の授業が終わり、昼休みになった。

 この時間は基本的にボクと田中、そして明日葉の三人で机を寄せ合っての食事タイム。この面子は入学以来、変わっていなかった。

 各々に弁当を持ち寄って、欲しいものがあればトレード交渉。

 それが終われば、適当な話題でバカ騒ぎをするのだ。



「…………」

「…………」

「…………」



 今日もそのはずだった。

 彼女が、やってくるまでは……。



「ね、ねぇ? ――円?」

「…………は、はいっ」

「キミって一年生だよね。どうして、ここにいるの?」



 篠宮円――つまるところ、ボクの許嫁が加わっていた。

 苦笑いしつつ訊ねると、彼女はなぜか赤面してうつむいてしまう。そうしていると、当然ながら悪友コンビが詰め寄ってくるわけで。



「おい、九条」

「ちょっとツラ貸しなよ、リュウヤ」

「……はい」



 ボクは二人に連れられ、教室の隅へと移動した。

 そして両サイドから肩に腕を回され、密着することで逃げ道を封じられる。というわけで、異端審問の開廷であった。



「九条。俺たち入学式で誓ったよな? 卒業まで、彼女は作らないって」

「そ、そうだっけ? えっと――」

「ほほー? リュウヤ、彼女ってところは否定しないんだ」

「あ、いや。ちが……くもないのか?」

「どっちだよ、おい」

「…………」



 なにやら、二人とも声色が怖い。

 鬼気迫るというのは、こういうことを言うのだろうか。

 ボクは頬を伝う冷や汗を感じながら、とりあえず深呼吸をした。昨日の出来事を二人に説明するのは、少しばかりハードルが高いように思われる。

 だから、どうにかして誤魔化さないといけない。

 そこまで考えて、ボクは――。



「えっと、その。円は……」



 とっさに思いついた言葉を口にした。



「遠い親戚なんだ」――と。











「そういうことなら、早く説明しろよな! びっくりしたぜ!!」

「そうだよ、リュウヤ。とりあえず、誤解でよかった!」

「………………」



 ――この二人、馬鹿でよかった!


 ボクは内心で胸を撫でおろしながら、そう思う。

 とかく二人には、円がボクの遠い親戚だ、という嘘を信じ込ませた。旦那様と呼ばれたのは、昔のままごとの癖で間違えたのだ、という苦しい言い訳で。

 しかしながら、やはりボクの悪友二人は単純だった。


 いや、ボクに嘘をつかれるとは思っていないのかもしれない。

 それはそれで、信頼だから良心が痛むけど。



「アタシは明日葉。よろしくね、円ちゃん!」

「…………!」



 さて、そう考えていると。

 明日葉がさっそく、その近い距離間で円に詰め寄った。

 あまりの早業に、彼女はあからさまに動揺する。そして、視線を泳がせて――。



「は……はぃ」



 相も変わらず、消え入りそうな声でそう言った。

 すると、次は田中の順番だったわけだが――。



「俺は田中浩二! 気軽に、コウちゃん、って呼んで――」

「あぅ!?」

「え、ちょ――!?」



 どういうわけか、円は俺の後ろに隠れてしまった。

 思いっきり警戒した様子。というか、めっちゃ怖がっている。

 そんな少女を見て、田中は硬直した後に――。



「う、うぅ……!」

「なんで泣くんだよ」



 号泣していた。

 田中は、美少女に拒絶されたことで泣いていた。

 ボクはそんな友人の姿を見て苦笑い。



 そんな感じで。

 イレギュラーな昼休みは、過ぎていくのだった。



 


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「勢いのまま書いた短編」こちらも、よろしくお願い致します。
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