クラトロス・アーチェリー
第51話です!
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
今回も物語が少しずつ動いていきます。
それでは、第51話をどうぞ!
沈黙がその場を支配していた、ザックは話し始めたいと思っていたものの、迫ってくる時間に追い詰められていたため、一言たりとも口にする勇気が出なかった、何しろ、ロスラに対してあれほどひどい行動に出てしまったばかりなのだから、そんな状態でどうして平然と話し始めることができるというのか、そういえば、彼女の表情は怒りよりもむしろ不安を感じさせるものだったが、ザックにはそれが良い兆候なのか悪い兆候なのか判断できず、それでも彼が気にしていたのはそのことより、これから彼女がどんな情報を話してくれるのかということだった。
「何を知りたいの?」
ようやく彼女が何かを口にした、ザックは退屈で死にそうになっていたが、その言葉を聞くとすぐに再び熱意を取り戻した、あるいはフェリックスが『情熱』と呼んでいたものを取り戻したと言うべきだろう、彼には自分が欲しい答えについて考える時間すらなかった。
「持っているものを全部話してくれ……全部だ」
少なくとも今回は平手打ちをされなかった、ロスラはゆっくりとした足取りで台所へ向かっていった、あまりにも普通の行動に見えたにもかかわらず、ザックはなぜか少し緊張していた。
「くそ……まさか……?」
彼はもはや何が正しくて何が間違っているのかを見分けることさえできず、以前から自分を悩ませてきた余計な考えを頭から追い払うこともできなかった、やがてロスラが台所から戻ってきた、その手には鋭いナイフがあり、その刃は光を放つほど鋭く見えた、それを目にした瞬間、ザックは拳銃を掴んだものの取り出すことはせず、ただ密かに握ったままにしていた、ロスラはソファーへ座ると青リンゴの皮を剥き始めた。
「ふぅ……」
どうやら自分は少しばかり状況を読みすぎていたらしい、ロスラは果物の皮を剥きながら姿勢を正し、話し始めた。
「そうね……あなたは私とフレデリックの関係について知っているようだから、そのことについては話さないわ、そもそもあなたには関係のないことだもの……あなたが調べているのは彼の殺害であって、彼の過去や人間関係じゃないでしょう」
彼女の言葉に返答するのは難しかったが、それでもザックには、自分が何について明らかにしてほしいのかを具体的に示す必要があった。
「犯罪……分かるだろ……犯罪者とか……その……分からないか? 僕の言いたいこと」
汗が流れ、言葉も途切れ途切れになっていた、それは彼が緊張していることをはっきりと示していた、ロスラはかなり聡明だったらしく、目の前にいる男が自分の権利を侵害したことを後悔しているのか、それともフレデリックの資料へたどり着こうとしている犯罪者の一人なのか、そのどちらかだと判断していたのかもしれない、何しろ、その資料には彼らの名前や行っていることまで含まれている可能性があるのだから、同時に、彼女はザックに対して抱いた印象を口にすることもできなかった、それはおそらく、彼女自身が完全に追い詰められた状況にいたからだった、もしこの話が彼女自身に関係するものなら、彼女は彼と正面から対峙していただろう、しかし、その関係を明かさないという決断をしたのはフレデリック本人だった。
「分かった……犯罪者ね……私は彼らについて何も知らない、いい? それに、これ以上この話を長引かせたくない……だから、私の……考え……そう、頭の中を無作為に巡っている考えをあなたに話す……それでいい?」
ザックにはもともと同意する以外に選択肢などなかった。
「分かった」
ロスラは一瞬たりともためらわずに話し始めた、それは彼女が話していることが真実であることを示すもののように思えた、少なくともザックはそう考えた。
「フレデリックはずっと彼らのことを調べていたわ……昼も夜も……いつだって……彼が一日ごとに捜査を進めていたことは知っている、彼自身、自分の命が懸かっていることも分かっていたし、いつ死んでもおかしくないことも理解していた、でも、彼が恐れていたのは自分自身の死じゃなかった……私たちの死よ……私と息子の死、それからもう一つの家族の死も……フレデリックは、この惑星でも珍しい人間だった……あまり物事を考えすぎない人間……『行動は言葉よりも重要だ』という言葉を文字通り実践する人だった、彼を悩ませていたものはたった二つだけだった……家族と犯罪者、私の夫は大量の資料を作り上げ、それを二つのカテゴリーに分類していた……『Bクラス』と『Cクラス』よ、Aクラスについては最初から持っていたみたい、彼は父親から受け継いだと私に話していた、まあ……どうやら私は知らないうちに少し話を逸らしてしまったようね、犯罪者についてだけど……そのうち何人かが私たちの家へやって来たことがある、その頃の私は、彼らが交代で来ているように感じていたわ、フレデリックは彼らに怒って、私たちを邪魔することを恐れなかった者を刑務所へ送り込んだ、でも、彼らはただのCクラスの小物の犯罪者だった、私が聞いた中で、本当に厄介だったのはあの忌々しいクソ野郎ほどの存在ではなかった……」
そこで彼女は話すのを止めた、表情が変わり、歯を強く噛みしめながら両手で顔を覆った。
「え? 誰なんだ?」
ザックには何が起きているのか理解できなかったが、この瞬間、自分が価値のある何かへたどり着いたような感覚だけははっきりとあった。
「フレデリックは……自分が働いている裁判所の中に、腐った卵が一つ存在することを突き止めたの」
ザックの瞳孔が大きく開いた、特に、従妹のリサがそこに長く勤めていることを知っていたからだった。
「その名前は……クラトロス・アーチェリ」
ザックは手で口を覆い、両目が無意識に大きく見開かれ、流れていた汗はさらに増していった、その知らせはまるで雷に打たれたような衝撃となって彼の耳へ響いた、とりわけ、その名前を思い出したからだった、あの日、正確には裁判所が開いたパーティーへ、リサの客として招かれた時に見た、あの洗練された男の姿を思い出した、後ろへきれいに撫でつけられた灰色の髪を持つ、あの上品な男を。
「ありえない!」
そう口にしたにもかかわらず、ザックはロスラの言葉を完全に信じていた、彼女の顔には嘘をついているような様子も、情報を意図的に欠かしているような様子もまったく見えなかった、ザックは少しだけ手を上げ、それを彼女へ向けた。
「続けてくれ」
ロスラの目からはすでにいくらか涙がこぼれており、それがこの状況をさらに奇妙なものにしていた。
「刑事というのは、周囲の人間の意見を聞くことで捜査に役立てるものだと聞いたわ、私の意見では、クラトロス・アーチェリが犯人よ……フレデリックを殺したのは、あの男だと思う」
そう言う彼女の声には、どこか女性らしい響きが増していたが、泣いていることが彼女の話すことを止めることはなく、彼女は自分が抱えていた秘密をさらに明かし続けた。
「フレデリックは、クラトロス・アーチェリは悪い人間だと私に言っていた……あの男はイングランドから弾丸を買い付ける取引に何度も関わっていたとも言っていた、同時に、犯罪世界、つまり『社会の裏側』として知られている世界を動かしている男たちの一人でもあると教えてくれた、フレデリックがそれを私に話したのは、私があの男を家へ入れないようにするためだった……私が警察への協力を拒んでいたのも、それが理由よ、クラトロス・アーチェリは治安部隊を操ることができるし、私が知らないうちに、その警官があの男の側にいることさえ分からないまま、私と警官を秘密裏に会わせることだってできるの」
ザックの表情が少しだけ和らいだ、彼はなぜ彼女が正規の方法での協力を拒んでいたのかを理解し、彼女が悪人ではないことも確信した。
「ロスラさん……あなたに干渉して、ひどい態度を取ってしまってすまない……あなたはこの事件に大きな助けを与えてくれた、僕から一つだけお願いしたいことがある……」
ロスラはリンゴをテーブルへ置き、穏やかでありながら決然とした口調で答えた。
「何?」
ザックは少しだけ息を吐いてから、全身を深く曲げるように頭を下げながら言った。
「あなたに裁判で証言してほしい、そして、今僕に話してくれたことを裁判官に話してほしい」
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子供たちは全員その場から逃げ出し、その中でも三人はボリトス・エドゥリスからできる限り遠ざかろうと走り続けていた、三人とも汗を流し、荒い息遣いが辺りに響いていたが、その中で本当にこの場から離れたいと思っていたのはフィールドだけだった、ハリーもある程度は彼と同じ気持ちだった、特にボリトスがジェフリーとイサクを殴るところを目にした後ではなおさらだったが、シャギーが口にしたアイデアを聞いた瞬間、その考えは変わった、そのアイデアはまるで伝説のように思えた。
「俺はカメラを持ってる……こいつらが何をしているのか撮影して、ソーシャルメディアに投稿する……簡単な収入源になるだろ……再生数はかなり高くなるはずだ、動画は何本かに分けて投稿するようにする、それなら俺たちの利益が増えるぞ、みんな」
そのアイデアには大きな危険が伴っていたものの、かなり理にかなっているようにも思えた、とりわけシャギーが持っているカメラの画質が非常に良かったからであり、三人はシャギーがフィールドの尻を掻いているところを撮影したことで、その性能を確かめることができた、細部まで鮮明に映っており、さらに三人と彼らのいる場所との距離も十分にあり、ボリトスやイサクに見つかる可能性は低く、少なくとも戦いに集中しながら同時に三人を見つけるのは難しいはずだった。
三人は獲物へ飛びかかる瞬間を待つ狩人のように地面を這って進んでいた、ただし、ここで狩人から最も遠い位置にいるのは三人自身であり、むしろ彼らはその狩人でも獲物でもない中立的な存在に近かった、その間にシャギーが撮影を始め、フィールドは好奇心のこもった口調で質問した。
「ハリー……お前、あの化け物を知ってるって言ってたよな……どういう意味だ?」
ハリーは少し驚いたようだったが、すぐに答えた。
「え? 前にあいつの名前を聞いたことがあるって意味だ……あの時、俺は酒の瓶をプライドへ持っていっていたんだが、そこであいつと仲間たちが自由な戦闘について話しながら笑っているのを聞いたんだ、そいつらはあいつの名前を口にしていた……タコってな、それで、あいつがその名前で呼ばれている理由は、あいつが不死身かもしれないからだと言っていた」
その言葉の言い方はフィールドを苛立たせた、ハリーはまるで冗談でも話しているかのような口調で話しているくせに、その表情だけはひどく真剣だったため、その状況に耐えられなくなったフィールドは尋ねた。
「え? どういう意味だ……不死身なはずがないだろ、それに、タコっていう呼び名と何の関係があるんだ……」
そう、フィールドの考え方はある程度もっともだった、ハリーの話は矛盾しているようにも聞こえたが、彼の次の返答によって、その意味が少しずつ明らかになった。
「俺もその時、お前と同じ反応をしたさ……でも、その日の後でプライドに聞いてみたんだ、そしたら全部説明してくれた、昔、自由な戦闘という言葉を聞いた時、誰もが一人の名前を思い浮かべた……剣のジェイソンだ、あいつは剣のスタイルを完全に習得していた、剣のスタイルが何なのかなんて俺に聞くなよ、俺はそんなこと何も分からないからな……とにかく、あいつには毎日のように何人もの優れた戦士たちが挑んできた、でも結果はいつも同じだった……ジェイソンの勝利だ、ところが、ある日……一人だけ違う戦士が現れた、そいつの名前がボリトス・エドゥリスだ……そいつはジェイソンを倒しかけた、でもジェイソンは苦戦しながらも勝った、聞いた話では、負けた後、あいつはアフリカへ渡って自分の技術をさらに磨いたらしい、だから俺が『知っている』と言った時も、個人的に知り合って話したことがあるって意味じゃない、俺が知っているのは、あいつについてのいくつかの情報だけだ……それで、不死身とその呼び名の関係についてだけど……お前は頭がいいと思っていたぞ、フィールド……まさか、タコには三つの心臓があることを知らないのか?」
フィールドの表情が少し変わり、それから声を張り上げて答えた。
「え? それと頭の良さに何の関係があるんだ? お前は頭の良さと知識を区別できてないだろ、ハリー……それに、タコは不死身じゃない、どうせならクラゲって名前をつけた方が、もっと効果的な名前になっただろうな……待て……そもそも、どうして不死身と結びつけたんだ? つまり、ボリトスのことだ」
ハリーは短くため息をついてから言った。
「ジェイソンとの戦いでは、本来ならあいつは死ぬはずだったんだ、ジェイソンは重要な部位へ三つの致命的な攻撃を加えた、それなのに、ボリトスを殺すどころか、軽いダメージを与えるだけで終わったんだ、これで関係が分かったか? もうこの話はやめようぜ、なんだか歴史の先生にでもなった気分だ……くそ、ジャガイモが食いたい、しばらく食ってないからな」
短い沈黙が流れた後、それをかき消すようにシャギーの耳障りな笑い声が響いた、彼はカメラで撮影しながら、その映像を確認しており、まるでテレビ番組を見ているかのように楽しんでいた。
その一方で、タコがイサクを激しく殴っている間、イサクには攻撃を受け続ける以外に選択肢がなく、それを避けることはほとんど不可能だった、おそらく相手の反応速度があまりにも速かったからだ。
圧倒的に有利な立場にありながら、ボリトスは奇妙な戦い方をしていた、攻撃するとすぐに元の位置へ戻って自分の構えを取り直しており、まるでイサクを意図的に苦しめ、今起きていることが終わってほしいと願わせようとしているかのようだった、ボリトスが一歩ずつ距離を詰めるたびにイサクへのダメージは増していき、彼の攻撃は一度も外れることなく、すべてが腹部と顎を狙っていた、それでもなぜかイサクはまだ立っていた、しかし、それもこの一撃を受けるまでのことだった、ボリトスは素早く走り出して空中へ足を振り上げ、それを蹴りとしてイサクの顎へ正確に叩き込もうとしたが、今度は狙いをわずかに外し、顎ではなく鼻へ命中した、それでもその一撃はイサクを遠くへ吹き飛ばすには十分な威力を持っていた。
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