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社会の裏側  作者: トビー
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「裁判の行方」

第47話


今回の話も、いろいろな出来事が起こります。ぜひ最後まで楽しんでください。

家族の温かな幸せに満ちた空気の中で、たとえ小さな家族であったとしても、そこには確かな温もりと親密さがあった。「ハッピーバースデー・トゥー・ユー……ハッピーバースデー・トゥー・ユー……1、2、3……願い事をして」。巨大なチョコレートケーキのそばでフィールドが歌い、その歌声は母親の歌声とぴったり重なっていて、まるで二人が何度も練習してきた一つの歌のようだった。「よし、願い事はした……でもフィールド、ろうそくを消すのはあなたよ」。その言葉を聞いた瞬間、フィールドの顔には笑みと小さな笑い声が浮かんだ。「ありがとう、父さん」。彼が息を吹きかけてろうそくを消そうとしたその時、母親が突然彼の耳を強く引っ張った。「うんんぐっ」。思わず痛みに声を漏らすほどだった。「今日はあなたのお父さんの誕生日なの……だから、ろうそくを消すのはお父さんよ」。父親の表情が変わった。「え?」。「ほら、あなた……自分のろうそくを消して」。父親は戸惑った顔を浮かべながら妻に尋ねた。「でも、どうしてアブラハムを叩いたんだ?」。その言葉を聞いたフィールドは椅子から立ち上がると、何も言わず自分の部屋へと駆け込んでいった。「それがルールなのよ、あなた」。


「俺は一生、いくつもの制限やルールに縛られて生きてきた……やりたかったことはたくさんあった……でも……くそ……もし別の国に生まれて、別の家の屋根の下で育っていたら……それは俺の信仰を失うことになっていたかもしれない……たとえば日本みたいな国に生まれていたら、俺はキリスト教徒じゃなかったかもしれないし、中国だったら……あそこではキリスト教徒は少ない……ドキュメンタリーで見たことがある……まあいい……疲れた……本当に疲れた……少し休もう」。


フィールドはハリーが入院している病室で眠りについたが、ハリーは目を覚ましているにもかかわらず、テレビ事件以来ほとんど何もすることがなく、ただそこにいるだけで、医師からは一時的なショック状態にあると診断されていた。


翌朝、巨大な裁判所の法廷では、マイセナが最前列の席に座っており、その隣にはバジディオが入ってきて腰を下ろした。「こんな日に君を一人にはしない」。彼の言葉を聞いたマイセナの目には今にも涙がこぼれそうになっていた。「大丈夫だ……きっとすべてうまくいく」。そう言いながら、彼は彼女の両手を握った。


別の席ではザック・レスターがロジャーとローレン夫人の隣に座っており、しばらくすると裁判官トリミラと検察官クラトロス・アーチェリーが入廷し、リサもまた入って弁護人の席へと着いた。「傍聴される皆様、本日はこの重要な事件の公開審理にお越しいただきありがとうございます。この事件が重要なのは、今回の事件をきっかけとして死刑制度が復活したことだけではありません、ここにいるすべての者にとって父親のような存在であったフレデリック・コクサル氏が被害者であることも、その理由の一つです。そして私自身、この事件の犯人がその行いに相応しい裁きを受けることを確実にするため、最後まで全力を尽くすつもりです……アーチェリー、あなたに任せます」。


彼女が目元を拭うと、クラトロスが立ち上がって話し始めた。「皆様、我々は自分たちの務めを果たすためにここにいます、そして正しい判断を下すために全力を尽くします」。


その時、扉のそばに立っていた男が三度、声を張り上げた。「アスコ・マイコタ」。


わずか数秒後、アスコが二人の兵士に付き添われて法廷へと入ってきた。


ベルファストの住宅街にある一軒の家の前では、フェリックスとディミトリが立っていた。「住所はこれで間違いないんだよな?」。ディミトリは手にした書類へ一瞬だけ目を落としてから答えた。「ああ、ここで間違いない……ここには連絡先と一緒に『家の売却について話すための自宅』と書いてある」。彼が扉へ数歩近づいたところで、昨夜の記憶が蘇った。


「フレデリックの家を売るために使っていたページに、ロスラが自分の電話番号と住所を残していた……覚えているか?」


それはザックが炭酸飲料を飲みながらフェリックスに尋ねた言葉だった。


「ああ……あのファイルだろ、俺たち二人で読んだ」。


ザックはグラスをテーブルへ置き、軽い音を立てながら続けた。「その住所へ行け……ロスラを尋問しろ……フレデリックとアスコ・マイコタの関係を調べろ……なぜ彼女とフレデリックの関係が隠されているのかを知れ……なぜフレデリックの葬儀に姿を見せなかったのかも聞け……フェリックス、できる限り多くの情報を引き出してこい」。


フェリックスは現実へと戻った。白髪の女性がちょうど扉を開けたところで、彼はすぐに彼女がロスラだと気づいた、ザックがリズバーンで見つけたあの写真を思い出したからだ。「彼女が……ロスラ……なんて大きな胸なんだ……なるほど、これならフレデリックがローレン夫人を選んだ理由も分かる」。そんなことを考えているフェリックスとは対照的に、ディミトリはすぐさま仕事へ取りかかった。


「ロスラさん、我々は警察です……フレデリック氏の死亡事件について捜査に来ました、あなたの協力が事件解決に役立つと考えています……中へ入って詳しい話をさせてもらえませんか?」。


彼女の表情が一瞬で変わった。「どうして私の住所を知っているの?」


返事をしたのは誰もいなかった、フェリックスは彼女の胸元へ視線を向けたまま何も言わず、ディミトリだけが説明しようとしていた。「我々は警察だから……」。


しかし、彼が言い終える前にロスラはゆっくりと扉を閉め始めた。「今、忙しいの」。


「待って」。


遅かった、扉は完全に閉じられた。フェリックスは頭を抱えた。「俺はどうしちまったんだ……くそ」。


ディミトリはすぐに彼へ言った。「お前、さっきどこを見てたんだよ、まったく俺の助けになってないじゃないか……彼女はもう少しで俺たちを中へ入れてくれそうだったのに、くそ……どうするんだよ、こんなところまで来たのに全部無駄じゃないか」。


フェリックスは再び扉を叩いたが、中から返事はなかった。「ロスラさん……開けないなら、『V』を使わせてもらうぞ」。


ディミトリがすぐに遮った。「いや、ダメだ、俺たちは家宅侵入の許可を持っていない」。


「黙ってろ、ディミトリ」。


ようやく中から声が返ってきた。「聞こえたわ……あなたたちは侵入許可すら持っていないのね……立ち去らないなら警察を呼ぶわ」。


法廷ではすでに尋問が始まっており、トリミラ裁判官もすぐにその場の空気へ入り込んでいた。


「アスコ・マイコタ……あなたはフレデリック氏とどのような関係にありますか?」


アスコは少しだけためらったものの、頭を上げたまま答えた。「表面的な知り合いです」。


トリミラの表情が変わり、拳を強く握りしめながら言った。「私はあなたに彼との関係が何なのかと聞いたのではなく、どのような関係なのかを聞いているわけでもない……つまり、いつから彼を知っていて、どうやって知り合い、どのくらいの期間連絡を取り合っていたのかを聞いているのよ」。


アスコは一度も頭を下げることなく、すぐに答えた。「私が刑を言い渡された時から知っています……あの事件で彼と知り合いました……そして、法廷の外で彼と話したことはありません」。


再び彼女の表情が変わり、左眉をわずかに上げながら尋ねた。「法廷? つまり、フレデリック氏は当時あなたの事件を担当した裁判官だったということ?」


クラトロスの顔には薄い笑みが浮かび、その横でアスコが答えた。「はい……彼が裁判官でした」。


クラトロスの笑みがさらに広がった。


トリミラは三度頷くと、リサへ発言を求める許可を与えた。リサはすぐに口を開いた。「しかし、それだけでアスコ氏がフレデリック氏に恨みを抱いていたとは限りません……彼は自分の行いが招いた結果を受け入れ、その結果によって何年もの人生を失うことにも納得していたのです」。


マイセナの頬を涙が伝い、その隣ではバジディオが何度も同じ言葉を繰り返していた。「心配するな……すべて大丈夫だ」。


その一方で、トリミラはさらに質問を続けた。「では、フレデリックがあなたに判決を下した罪とは何ですか?」


アスコの表情がわずかに変化し、今度は頭を下げながら答えた。「それは今回の事件とは関係ありません」。


裁判官は木槌を強く打ち鳴らし、声を張り上げた。「それを決めるのは私よ……さあ、答えなさい」。


リサは再び発言を求め、許可を得るとすぐに言った。「アスコ氏は過去について話したくないのです……そして彼の認識では、フレデリック氏はただ自分の仕事をしていた職員にすぎません」。


トリミラは質問を変えた。「あなたの指紋が彼の執務室から見つかっています……なぜフレデリック氏を訪ねたのですか?」


アスコは再び顔を上げた。「彼のほうから私に頼んだのです」。


ローレン夫人が姿勢を正し、その隣でロジャーがザックの耳元へ顔を寄せた。「あいつ、嘘をついていると思う」。


ザックはロジャーをしばらく見つめてから答えた。「それはまだ分からない」。


トリミラはさらに説明を求めた。「どういうこと? つまり、なぜフレデリック氏があなたにそんなことを頼む必要があったの?」


「分かりません……彼は手紙で私に頼んできました……中へ入ると、彼は殺されていました……生きているか確かめようとしましたが、私はそういうことに詳しくありません……助けようとしたものの、結局どうすることもできずにその場を離れました」。


「なぜ彼を置いていったの? なぜ彼が死んでいると誰にも知らせなかったの?」


アスコは少しだけためらい、視線を下へ落としてから答えた。「怖かったんです……みんなが私を犯人だと思うのが怖かった……だから、すぐに逃げました」。


トリミラは頷きながら尋ねた。「それが、死んだ人間をそのまま置き去りにする十分な理由だと思う?」


アスコはその場から動くことなく、すぐに答えた。「もし私がそうしなければ……結局、私もここへ来ることになっていたと思います……だから、私は自分のしたことを後悔していません……本当に、すみません」。


トリミラは拳を強く握りしめ、その場にいた全員が彼の反応に驚いている中、ザックは頭を下げて両手で頭を抱えた。「何を言ってるんだ、アスコ・マイコタ……自分で自分を追い詰めてるじゃないか」。


リサが再び発言を求めたものの、トリミラはそれを拒否し、検察官クラトロス・アーチェリーへ発言を許可した。


「彼がフレデリック氏を助けようとしたことを証明する証拠は見つかっていません……むしろ、私はあなたが……冷静に彼を殺害し、そのまま急いで立ち去ったのではないかと考えています……彼の衣服からあなたの指紋は見つかっていません、それは彼と争った形跡がないことを意味します……そして執務室からはあなたの指紋が一つ見つかっています、これはあなたが彼の生死を確認しようとした際、誤って机に手をついたということを示しています……これは私個人の推測ではありません……警察も同じように考えています」。


アスコの表情が変わり、答えた。「それは誤解です……私がやったんじゃない……私の誇りにかけて誓います」。


トリミラは木槌を三度打ち鳴らし、それからリサへ発言を促した。


「一つの可能性があります……犯人たちがアスコ氏を犯人に仕立て上げた可能性です……以前から彼が住んでいた地域を襲撃していた犯罪者たちがいて、時には彼自身を狙っていたこともあります……彼らが彼をその地域から遠ざけた可能性も考えられます」。


バジディオは姿勢を正し、クラトロスへ短い視線を向けたあと、泣いているマイセナの両手を再び握った。


「その可能性はあるわ……」。そう言いながらトリミラは頷き、木槌を打ち鳴らした。「判決を……」。


その言葉を聞いて、全員が立ち上がった。


「証拠が十分に揃っていないため、本件の審理を無期限に延期します」。


法廷には一斉にざわめきが広がり、その間に兵士たちがアスコを連れ出していくと、マイセナは父親のもとへ駆け寄った。


「しっかりして、お父さん……今回はうまくいったわ……耐えて……きっと助かるように神様に祈るから」。


その一方で、ザックは小さく呟いていた。「くそ……危なかった……次はもっと証拠を集めないとな」。


するとローレン夫人が息子に話しかけた。「彼女はあなたを死刑にすることだってできたのよ……あなたの無実を示す証拠なんて一つもないのに」。


ザックはリサのほうへ向かい、彼女と短く抱き合うと、リサが尋ねた。「私が死刑を求刑される事件で弁護を担当するのはこれが初めてだったの……どうだった? 教えて」。


「最高だった……君がいなかったら、今日この場で死刑判決が出ていたかもしれない」。


二人が一緒に法廷を出ると、その目の前にトリミラが現れた、まるで突然どこからともなく現れたかのようだった。


「おい、リサ……金に目がくらんで、フレデリック氏のことを忘れたのかしら……この金の亡者め」。


二人の表情が一瞬で変わり、リサが振り返った。


「何? あなた、何を……」


しかし、彼女が言い終えるより先に、トリミラはその場を立ち去ってしまい、二人はただ困惑したまま彼女の背中を見送っていた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


もし少しでも楽しんでいただけたなら、作品をお気に入りに追加して、感想や評価を残していただけると嬉しいです。


次の話もぜひ楽しみにしていてください!

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