復讐者の誕生
第十話へようこそ!
いつも『社会の裏側』を読んでいただき、本当にありがとうございます。
物語はここからさらに大きく動き始めます。
ぜひ最後までお楽しみください!
新しい一日の太陽がなんとか光を差そうとしていたが、ロジャーの部屋の中の空気はそれ以上に暗く沈んでいた。彼は一人、ほうれん草の皿に向かい、機械的に、疲れ切った身体で食事を口に運んでいた。だが、その頭の中は激しく渦巻いていた。
(後悔や悲しみに暮れたところで、今は何一つ変わらない……。もう僕には、動くしか選択肢が残されていないんだ)
ロジャーの頭の中で、父親の殺害とパソコンの盗難が明確に結びついた。二つの出来事の間に横たわる短い時間差は、決して単なる偶然などではあり得ない。彼の悲しみに暮れていた表情は、徐々に怒りと猛烈な復讐心を含んだ鋭い眼光へと変わっていった。彼は一人で捜査を開始し、情報を集めることを決意した。そしてその最初にして最も重要な一歩は、ジャーメインの居場所を突き止めることだった。彼こそが父親の殺害者へと辿り着くための、唯一の鍵だと強く確信していたからだ。
街の反対側では、フェリックスの車が通りを走り抜けていた。最後の会話の後、ザックはいつもの元気と軽快さをかなり取り戻したように見えた。彼は好奇心に満ちた問いをフェリックスに向けた。
「なあおっさん、俺たちはどこに向かってんだ? 目的地はどこだよ?」
フェリックスは迷いなくハンドルを握りながら答えた。「俺の家だ」
ザックは不審そうに眉をひそめた。「家ぁ? なんでこんな切迫した時に、おっさんの家なんかに行かなきゃならないんだ?」
フェリックスは息を吐き、真剣なトーンで言った。「お前が部屋に閉じこもって引きこもってた間、俺は手持ち無沙汰にしてたわけじゃない。いくつか情報を集めて、本格的に調査を始めてたんだよ」
ザックは驚きに目を見開いた。「なんでそんなことしてんだ? つまり……お前には法的にこの事件を追う義務なんてないだろ」
フェリックスは小さく微笑み、前方の道路を見つめた。「この事件には労力をかける価値があると思ったからだ。俺の捜査官としての情熱を刺激し、この仕事を好きだと思わせてくれる、そういう複雑な性質の事件なんだよ」
到着すると、ザックは車から降りて外から家を見上げ、いつもの軽妙な口調で皮肉を叩いた。
「老朽化しててボロっちい場所だな……おっさんみたいな百戦錬磨のベテランには似合わないぜ」
フェリックスは苛立ちながらドアを開けた。「黙って入れ」
メインルームに一歩踏み入れた瞬間、ザックの目は丸くなり、本物の驚愕に包まれた。目の前には、警察ドラマや刑事モノの作品に出てくるような、巨大でプロ仕様の捜査ホワイトボードが鎮座していた。そこには複雑に絡み合った糸、書類、マグネットで留められた写真、そして赤ペンで太々と書かれた言葉が張り巡らされていた。
ザックは感嘆しながら近づいた。「うわぁ……俺、今までの人生でこんなやり方使ったことないぞ」
フェリックスはその隣に立ち、呟いた。「このやり方なら全体像が見やすくなり、空白同士を繋ぎ合わせることができる」
ザックは同意するように頷いた。「確かに……これならかなり手っ取り早いな」
ザックはボードの中央にある写真に目をやった。ロジャーの写真と、その隣には彼と同年代の少年の写真。
フェリックスはその少年の写真を指差し、第一の衝撃的な事実を提示した。
「非常に重要な手がかりに辿り着いた……ジャーメインと呼ばれているこの少年、実はジャーメインじゃない」
ザックは衝撃を受け、振り返った。「どういう意味だ?」
フェリックスは確信に満ちたトーンで続けた。「本物の高校生、ジャーメイン・ディ・ナスは、四ヶ月前に痛ましい交通事故で既に死亡している。俺たちが知っているあの少年は、寸分違わずその身分に成りすましているだけに過ぎん。つまり、最初から彼とロジャーの関係はクラスメイトなどではなく、仕組まれた利害関係だったということだ」
ザックは耳にした言葉に固まった。「俺は一度もそいつに会ったことがないから顔を知らなかったんだ。だけど、もしそれが本当なら……」
パズルのピースが頭の中で組み合わさっていくのを実感したザックは、強い確信を持ってフェリックスに向き直った。
「それで全て説明がつくな……奴がなぜピンポイントでロジャーのパソコンを狙ったのか、これで分かったぞ」
フェリックスは興味深そうに尋ねた。「なぜだ?」
ザックは真剣な表情で答えた。「あのパソコンは元々、ロジャーのものじゃないんだ……フレデリックが死ぬ直前、あのパソコンは自分のものだと俺に直接言っていた」
フェリックスの顔には驚きの色は浮かばず、むしろ彼の鋭い知性を物語るような大きな笑みが広がった。
「完全に思い通りだ! フレデリック氏の殺害の報を聞いた瞬間、あの盗難の本当の標的は彼個人に関わるものだと踏んでいたんだ」
そして捜査の目から遠く離れた別の場所では、一台の黒い車が賑やかな街の外れに停車していた。ジャーメインは車から降り、バッグを肩に担いで、上に眩いネオン看板が輝く建物の入口へと近づいた。そこは特定の界隈で『楽園』、あるいは一部の人間から『疲弊せし者の楽園』と呼ばれる有名なクラブだった。
ジャーメインは入口の前に立ち、安堵のため息をつくと、感情を込めた破顔のトーンで建物を見上げた。
「ついに……俺の報酬を受け取る時が来たぜ、おい。ずいぶんと待たされたからな」
彼は中へと一歩踏み出し、光の渦の中へと姿を消していった。
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それでは、第11話でまたお会いしましょう!




