氷の女王は武術を教えてほしいらしい
休憩時間になると、リージアはあっさり見つかった。
というか、リージアの方からこちらの様子を伺っているようなので、見つけたと言うよりは見つかりに来たという感じだ。
「リージアさん、ちょっといいかな?」
「岩院ユウタ……! 別に、リージアでいい。私は敗者」
「潔いね……」
「それで、私に何か用?」
早速、次に俺が戦う可能性が高いというエメスなる先輩の話を聞こうと思ったが、それより前に純粋に気になったことを聞いてみることにした。
「いや、最近俺のことを監視してるような気がするんだけど……気のせい?」
「敗者は勝者に学ぶもの。あなたは私に魔法を使わずに勝った。普段の生活に強くなるヒントがあるかもしれない。それに……」
「それに?」
「……いや、なんでもない」
なにか歯切れが悪いが、なるほど、そんなことを考えていたのか。
しかし、当たり前だが俺は学校で鍛錬をしているわけではない。寮に戻ったあとは日課として少しの鍛錬は行うが、学校でまではしていない。
「学校にいるときは武術の鍛錬はしてないし、鍛錬と言っても寮で武術の基礎を練習するだけだよ。さすがに寮まで来られたら困るけども……」
「大丈夫。迷惑がかかることはしない。でも、できれば武術について教えてほしい。教えられる部分だけでも構わないから」
「武術? 魔法が使えるのに何故……」
これは俺の正直な感想だ。
武術は魔力が少なくてほとんど魔法が使えない人だったり、物好きな人だったりが健康のためにやるものであって、決して魔法が使える人がやるものではない。
魔法が使えるのなら、魔法技能を修めたほうがよっぽど効率が良いからだ。
目的地に行くのに徒歩か馬車か選べって言われたら、誰だって馬車を選ぶ。
「あなただって魔法を使えるはず。それとも、魔法を使うまでもない相手には教えられないということ?」
「そういうわけじゃないんだが……武術をやる時間で魔法を練習したほうが良いんじゃないか?」
「私が魔法使いの中でも珍しい、接近戦を得意とするスタイルなのは知っているはず。当たれば相手を凍りつかせる必殺の刃でも、当たらなければ意味がない。私は刀を強くすることを意識するあまり、大事なことを見失っていた」
一つの魔法を極めるというのは、魔法使いにはよくある話だ。
魔法を使う上で重要とされる要因は2つある。
1つは先天的なもの。血筋といった遺伝的な部分で決定される魔力の質だ。
もう1つが後天的なもの。それが、イメージや思いによる強化だ。
魔法というのは、一般に術者のイメージや思いといった部分が大きく反映されると言われている。一つの魔法を極めて、その魔法に関しては絶対に負けないという自信を持てば、その魔法は飛躍的に強くなっていくのだ。
そして、リージアは特化型の魔法使いなのだろう。
実際に被弾していないのでこれは推測でしかないが、あの氷の刀の威力は必殺に近いものだったに違いない。
おそらくは、氷の礫で相手を牽制して壁を作らせ、その壁ごと刀でぶち抜くのが彼女の常套戦法なのではないかと思う。
だからこそ、相殺や壁を作る形ではなく回避されたことに驚いていたのかもしれない。
そう考えると、俺が魔力ゼロでも勝てたのは、本当に相性が良かったからとしか言いようがないだろう。
「別に武術を教えるのは構いやしないが……」
「本当? それなら、ぜひ教えてほしい」
「じゃあ、教えるのは構わないから、一つ教えてほしいことがあるんだ」
俺は、ようやく本題を切り出す。
作者である自分は、今まで数々の世界を救ってきた勇者です。
当然、【評価ptの数だけ戦闘力が上がる】チート能力を保持しています。
というわけで、広告の下にある☆☆☆☆☆より評価をしておいてください。
約束ですよ。




