お見合い終了後、夕食前の姉弟の攻防
夕食のエスコートをしにルーティスが部屋に来た。
そこでリラージュは無情な宣告をルーティスから受ける。
「今日は野菜中心の軽食だから。デザートはなし」
「え、何で!?」
信じられない思い出問い返せばルーティスが淡々と告げる。
「姉上、今日はお茶菓子たくさん食べてきたでしょう?」
「な、何のことかしら?」
つい動揺して視線が揺れる。
勧められるまま、お菓子を食べてきたのは事実だ。
ちょっと……食べすぎたかも、という自覚はあった。
だからといってここで認めるわけにはいかない。
野菜中心の軽食はまあいい。
だけどデザートなしになってしまうのは避けたい。
だがルーティスは冷徹に告げる。
「ララから聞いたよ」
フェラルードとお茶をしていた時、ララは少し離れたところに控えていたがしっかりとその辺りを見えるところにいたのは間違いない。
ばっとララを見る。
ララはにっこりと微笑う。
「ラ、ララの裏切り者」
「リラ様、どうせバレるのです。なら無駄な抵抗は損をするだけです」
厳かに何かの真理を告げるが如くララは言う。
「うぅぅ」
ララの言うことも一理あり、反論できない。
「もう決定事項だよ。夕食の時間だし、料理は用意されているしね」
リラージュははっとする。
その通りだ。
つまりーー
「わざとこの時間まで教えてくれなかったのね」
ルーティスはにっこりと微笑う。
「ひどい……」
「姉上のためだよ」
「どこが?」
「だって知っていたら夕食までずっと落ち込んでいたでしょ?」
「それは、そうだけど……」
納得できない。
思わずじとっとした目でルーティスを見てしまう。
ルーティスは涼しい顔でその視線を流している。
ルーティスにとってリラージュのジト目など何の痛痒も感じないものなのだろう。
「うぅ」と思わず唸ってしまう。
それにもルーティスは心を動かされた様子はなかった。
「ルティにもお菓子をお土産にもらってきたのに……」
食後か明日にでも一緒に食べようと思っていたのに。
ルーティスが鋭い眼差しでリラージュを見る。
「まさかねだったんじゃないよね?」
「まさか。お土産にどうぞって持たせてくれたのよ」
「そう。それは、後でいただくとするよ」
「後で」
「そう、後で」
「後で……」
後でっていつだろう?
一人で食べるのだろうか?
勿論、ルーティスのためにもらってきたのだからルーティスが一人で食べてもリラージュには文句は言えないが。
リラージュはじっとルーティスを見る。
ルーティスがにっこりと微笑う。
「姉上にも明日分けてあげる」
「ルティ」
「でも、今日は駄目」
「そんなぁ……」
つい欲を掻いてしまった。
だって本当に美味しいお菓子だったのだ。
だがこういう時、ルーティスは絶対に甘やかしてはくれない。
「わかったわ……」
明日食べられるのだから、と自分を納得させて我慢する。
「わかってくれて嬉しいよ。さあ夕食だ。行こう?」
「ええ……」
「あ、夕食の後に今日のお見合いのことを話してね」
「わかったわ……」
粗相はしていなから大丈夫。
怒られることはないはずだ。
心の中でよしと頷く。
そんなリラージュをルーティスがじっと観察していたことには気づかない。
ルーティスにエスコートされてリラージュは食堂へと向かった。
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