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アレクシスには、生まれる前から決められた婚約者がいた。
とても仲睦まじい二人であったが呪いを掛けられた姿を近くで見ていたその婚約者は、呪いの力に恐怖し自分にまで被害を及ぶ事を恐れ、アレクシスに近づかなくなった。
やむを得ず、婚約は白紙に戻された。
呪いを掛けられてから僅か1か月足らずの事だった。
少しずつ魔女より聞き出した情報を通り、権力や地位目当てに近づいてきた家や令嬢と婚約させればさせる程、婚約者となった令嬢から蔑まれ馬鹿にされる程、裏切られ婚約を解消される程、アレクシス殿下の身体はどんどん、どんどん大きく膨れ上がり今では幼少期のあの天使のような容姿は見る影もない。
容姿は醜く、女性運は悪くともアレクシス殿下は、多くの王侯貴族や家臣たちから信頼や尊敬集め人望があり、国民からの人気も高かった。
何故ならば彼は見た目以外はとても優秀だったからである。
王太子として出来る範囲で先手を打ち、厄介な事を最小限で抑え、忙しい公務の合間を縫って天災があった地域などのボランティア活動にも積極的に参加され、地方領地にも視察に行き国を知ること、良くすることに余念がない。
呪いを掛けられ1度目の婚約が白紙に戻った時、国王陛下はアレクシスを諭した。
「アレクシス、父のせいで何も悪くないそなたに辛い思いをさせてしまい悪いと思っている。」
「いいえ、父上のせいではございません。」
「嗚呼、優しい息子よ・・・。
いいか、これからのそなたにはこれ以上に辛く厳しい道が待っているだろう。
父も責任をもって呪いを解く方法を探っているが、この貴族社会において見目の麗しさは大変重要となってくる。それはとても残念な事だが、事実だ。
丸々と大きくなっていく身体を馬鹿にし蔑む者が必ずいる。
そんな者たちから自分を守る為、国民を守る為。
見た目のハンディを感じさせないような優秀な王となれ。
今の身分に驕らず、良き王となれるように真剣にたゆまぬ努力を継続しなさい。」
「はい!!父上!!」
そう元気にお返事をしたアレクシスは、その後並々ならぬ努力を重ね、見た目以外は完璧な王太子と呼ばれるまでになった。




