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12/21

AM08:29 男


コロコロと転がる

ペットボトルのキャップ。


自分の足元に来た時には、

無意識的に拾っていた。


ただ拾っただけで、

特に深い意味はない。


拾っただけだ、

そうそれだけだった。


キャップを渡すときに、

軽く手が、いや指が触れた…。


特に深い意味は、ない。


と、思ったが、

何故か心が大きく動揺している。


女性の細くて、

淡く白い指の感触が、

まだ自分の中に残っている。


この程度で心が、

動いていることに、

ちょっと自分自身が驚いた。


仕事上女性と

接する機会もあるし、

接待で夜のお店にも通った

経験も勿論ある。


たかが異性の指が、

軽く触れただけで

なぜか動揺が隠せない。


女性の体温が記憶として、

鮮明に刻まれている。


学生じゃあるまいし、

と自分に言い聞かせればするほど、

感情が揺れ動いてるのが分かる。


何やってんだろ、俺。


自分への情けなさに、

顔を覆うように、

地面に視線を向けると。


「あ、ありがとうございます」


と、女性のか細く

優しい雰囲気の声が聞こえた。



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