13/21
AM08:31 女
とりあえず
何か言わなければと、
お礼だけは、
言ってはみたものの。
先ほどと同じような
沈黙がまた待合室に訪れる。
ペッドボトルは飲むのも忘れ、
そそくさと鞄にしまい込んでしまった。
喉を潤すどころか、
余計な汗をまたかいた。
変な女だとは、
また思われていないか。
…………………。
それにしても、
シャツの袖から伸びる
男性の指や爪がちょっとキレイだった。
あたたかい感触が、
まだ私の手には残ってる。
そんな事を考えていると、
なぜか変な感情がまた心を支配する。
無駄に頬や髪を触ったりして、
心を落ち着かせようとしても、
この距離だと落ち着きようがない。
異性との関係も、
仕事では義務的にこなせるのに、
男性への耐性も酷く落ちたものだ、
と痛感した。
何やってんだろ、私。
婚活どころか、これでは恋すら、
まともにできそうにない気がしてくる。
そんな事を考えながら
項垂れていると。
「電車、、、、遅いですね……」
男性の声がふと私の耳に入ってきた。




